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柊君へ ~Another Story~  作者: Taさん
第二章
62/201

東原くん ~2~

嫌味な奴は嫌だよね・・・

柊に勉強を教わることが1カ月ほど続けていたある日、



「馬鹿がそんなに勉強しても変わんないだろうに。」


あの嫌味な同じ中学出身者がこれ見よがしに言ってくるのであった。


わざわざそんなことを言いに来るか?


俺は思わずそいつを睨む。

その睨みを鼻で笑うような態度をとるそいつ。

それに対して、



「次のテストでその馬鹿に抜かれるのに、そんなこと言っていいの?」


柊がそんなことを宣言するのであった!


俺はその言葉を聞いて驚く。

当然その言葉を言われたあいつも目を見開いて驚きながら、



「そんなバカに負けるわけねーじゃん!

 はん!

 馬鹿と一緒にいるから、そんなこともわかんねーのかよ!」


「・・・まあ、今度の期末でしっかりと分かると思うよ。」


「言ったな!!柊!そんなことして時間がなくなってるんだから

 俺に勝てなくなるってことを教えてやるよ!!」


そう宣言してくるのであった。



「・・・大丈夫かよ。あんな啖呵をきってさ・・・。」


一抹の不安を持っている俺。

中学時代からあいつに勝ったこと何って一度もないのだから当然だ・・・


「うん?大丈夫じゃないの?

 そもそもあいつって頭いいの?」


「・・・。」


俺は思わず絶句してしまうのであった。

相手のことも知らずにこいつはケンカを吹っかけたってことか!?


・・・柊といるとたまに思うことがあった・・・


柊って・・・


結構好戦的なんだよな・・・


見た目は童顔で可愛らしい感じだけど、

大の負けず嫌いで、勝負事を全力を注ぐタイプである。



「まあ、だけど、大丈夫だよ東原なら。」


「何でそう思うんだよ?」


「・・・。」


俺の質問に答えずに、ただただ目を逸らす柊。



「いやいや、そこは目を逸らすなよ!

 それに沈黙するなって!

 不安になるじゃんかよー!!」


「ぷはははは、冗談だって!まあ、大丈夫だろ。

 いつも勉強してんだしさ。」


「軽いし!励ましが軽いぞ柊!!」


俺は本当に一抹の不安を覚えるのだが・・・


期末テストの結果・・・


俺の学年順位は・・・


前回の中間テストでは360人中・・・


339位!!


もう、ほぼ最下位が見えているような位置だった・・・

成績表に親からの一言を書いてもらう必要があるため

成績表を見せた時に・・・何とも言えない表情を親からされたのを覚えている・・・


そして今回は・・・


68位!!!



「マジかよ!!!」


俺は返ってきた成績表を見て、思わず叫んでしまうのであった!


確かに今回は俺の人生の中で一番手ごたえを感じていて、

テストが返ってくるたびに俺は自己最高点が書かれた答案用紙を渡されていたのであった。



「柊見てくれよ!!」


そう言ってテストの答案用紙を見せるのだが、

柊は冷静に間違っているところの解き方を教えてくれるだけで

一緒には感動してくれなかったのだけど・・・


何か、柊ってズレてないか?



教室にこだました俺の叫び声を聞いて、俺の元へとやってくるあいつ。



「どうだったんだ?何か、嬉しそうにしてるけどさ。」


嫌味ったらしいその言い方が鼻持ちならないのだけど・・・



「まあ、ちょっと勉強すれば俺もこのくらいだよ。」


そう言って俺の成績表を見せると、最初は笑みを浮かべていた顔が

一気に強張った顔へと変化していくのであった。



「・・・お前はどうだったんだ?」


俺が尋ねると言葉を発することなく教室から出ていくのであった!


結局あいつの順位は分からないままで、

廊下に貼りだされた30位以内にもいない。


それにあいつの態度から、俺より悪かったんだろうなっということは分かった。


本当にざま~みろだよ!!



ちなみに・・・


柊はと言えば・・・


学年順位 8位!!


それで見事に廊下に貼り出されていた!


しかも全教科で上位に入っており、

科目ごとの貼り出しもすべて貼り出されているのであった。



「・・・お前は化け物かよ・・・。」


俺に勉強を教えていたし、テスト期間もちょこちょこ柊の勉強を

邪魔していたと心苦しいところもあったのだが

そんな俺の気持ちを知ってか知らずか、いつも通りの柊がそこにいたのだ。



「失礼な!至って普通だし!

 っていうか、不思議なのはこっちなんだけどな~。」


「何がだよ?」


「何か、科目によっては徐々に順位が上がってるんだよな~。」


「そりゃ~、みんながついていけてないから、徐々に下がってきて、

 柊が相対的に上がってるんじゃないか?」


「・・・なるほどね・・・。東原にしてはすげー賢いこというな!」


「お前・・・俺を完全に馬鹿にしてるだろう?」


「・・・。」


「否定しろよ!!」


その後のテストでも俺は気がつけば同じような成績を取れるようになっていた・・・。

どうやら俺は柊から勉強を教わることで勉強の仕方が分かったようだ。


ちなみに、あの絡んできていた同級生は・・・


もう二度と絡んでは来なかったけどね!

同じクラスなのに、あの後は一度も話すことはなかった・・・


というか、俺達を避けるように行動しているんだけど・・・


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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