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柊君へ ~Another Story~  作者: Taさん
第二章
61/201

東原くん ~1~

東原君の話です。

大学推薦・・・

「うちの高校に来てくれるなら・・・


 実田大学に行けるぞ。」



俺が中学生の時だった。

うちの中学に視察に来た、とある高校の先生がそんなことを俺に告げるのであった。


俺は当然心の中で“マジで!?”と思わず叫んでしまう。

それに気づいたのだろう、先生はニヤリと笑みを浮かべるのであった。


先生が挙げて実田大学は私立では最難関の大学で、

世界になだたる人物を輩出している大学である。


しかも・・・



「推薦で行くから、学費もかからない・・・


 どうだ興味はなないか?」


その一言で俺はその高校に行くことを決めるのであった。


当然だろう・・・

だって、その高校に行けば、次の大学も見えてくるのだから!

目の前でそんなニンジンがぶら下がれば、当然走るに決まっている!!


その高校はうちの学区ではバリバリの進学校であるため

俺が普通に受験したのでは受かるわけがない。


「大丈夫だから。」


その先生の言葉に従って、推薦入学を選択して・・・


見事に合格となったのである!


親なんかは本当に嬉しかったようで

俺が受かったのを聞くと泣きだす始末であった。


ただ・・・


俺の中では一抹の不安もある・・・


勉強ついていけるんだろうかな?


その不安があるのだが、

バスケ部顧問の言葉を信じて俺はその高校に進学を決めるのであった。



「・・・ものすっごくモテるな東原って。」


隣の席になった柊という男は感心するように俺に言ってくる。



「まあな。バスケで活躍するとこうなるんだよ。」


「さっすがは人気スポーツなだけあるな~。

 中学の時からこんな感じ?」


「こんな感じ。」


「すげ~な~。」


逆にこの会話をしながら俺は柊に対して関心をしていた。


普通はこんな会話は嫌味にしか聞こえないから、

男子から意外と俺は嫉妬されたりするのだが、

そんな気配が微塵もなくて、普通に尊敬しているような感じしかしない。


この後は一年時は、一緒にいるようになるのだが、

全然柊は俺を利用して女子と話したいとか、

女子と仲良くなりとかの気配を微塵も感じさせないのだ。



今まで中学の友人とかだと、



「東原と俺、友達なんだぜ!」


とか、



「東原を紹介しようか?」


とか言って、女子に近づいて行く奴もいたにも関わらず

柊には全くそんな気配がない。


それにあまりにスポーツが出来るし、

見た目も自分でいうのもなんだけど、

イイ男とはみんな一緒にいたがらない。


比較されるのが嫌のは分かるからな・・・


そのため中学時代では意外と1人でいる時間が長かった。



中学でそんな体験しているのでわかるのだが、

そんなことも気にせずにずっと一緒に飯を食べたりしてくれるのだ。


・・・すごい新鮮だ・・・


ギターを俺が弾けると言う話をすると、

素直にすごいな~と感動してくれたりする柊に

俺は思わず感心してしまうのであった。



高校に入ってやはりと言うか、不安な点は的中する。


推薦できた俺は当然、ここでの勉強に全くついていけない。


というか、ペースも早すぎて、夏休みが始まる頃には

すでに一年生で習う範囲の授業が終わっているのだ。


これってかなりヤバいんじゃないか・・・


不安に駆られていた俺だったが、

そんな俺に優しく手を差し出してくれたのが・・・


やっぱり柊だった。



ものすっごく頭がいい柊。


学年でも上位に入る成績をとっているにもかかわらず、

全然高飛車な態度をとることはない!


同じクラスに同じ中学からきた男がいたのだが、

こいつは中学の時からそうなんだけど鼻にかけるようなタイプなのだ。


当然、高校に入ったからといって、そんな態度が変わるわけはない。

高校に入ってからもそこそこ成績もいいもんだから、

本当に嫌味な奴になっていた。


ある時、



「東原・・・どの面下げてここにいるの?」


そんなことを面と向かって言ってくるような奴だった。



中間テストを終えて、ほとんど赤点でをとってしまた俺・・・

今度の期末で挽回しないと留年になってしまうんだけど・・・


絶望に打ちひしがれながら、どうしようかと悩んでいた時、



「テスト結果と何でそんなに睨めっこをしてるんだ?」


柊が声をかけてきたので、俺は藁にも縋る思いで相談をする。



「いや~、この成績を見てくれよ。」


そういって成績表を差し出すと、柊は手にとって成績表を眺める。

しばらく見た後で・・・



「・・・来年も一年生頑張ってくれ。早い別れで寂しいよ。」


「いや!ちょっと待ってくれ!

 まだ一回目の中間だぞ!

 まだ一学期の半ばで留年決定とか嫌じゃんか!!」


「だって、この成績だぞ!そりゃ~仕方ないだろうに!」


「そこを助けてくれよ!!な!頼むからさ!!」


「まあ、俺も勉強するから、そのついででいいなら別にいいけど・・・。」


「頼むぞ柊!おまえに俺のすべてがかかっているんだからな!!」


こうして俺は泣きつくと、柊はイヤイヤそうな態度を取りながらも

俺に一つ一つ勉強を教えてくれるのであった。


俺は柊から授業と授業の間の休み時間や昼休みに簡単に教えて貰う。


俺も柊も放課後は部活で、土日も部活や試合があるため

イマイチ時間を合わせることが出来なかったからである。



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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