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柊君へ ~Another Story~  作者: Taさん
第二章
58/201

後谷さん ~2~

後谷さんの話です!


「何で喫茶店をやらないのよー!」



須藤さんが怒っていた。


先ほど行われたクラスでの出し物を話し合う会で

私達・・・須藤さんは喫茶店をやりたいと提案した。


だけど、東谷さんが提案した自分達の地域の紹介をする展示が選ばれたのだ。



私達の高校の学区はかなり広いため

色んなところから生徒が来ていた。


5つの区から生徒が集まっており、

昼休みなど東原君達はその話題でいつも盛り上がっていたのである。

その延長で今回の提案になったと思うのだが・・・


私も耳に入ってくる話を聞いていると面白そうだなと思ってしまう。


私の中学校からは、このクラスには私以外はだれもおらず、

私の地域の話はあがっていない。


こんなお店あるんだよ~!


って、言いたいけど・・・


だから、東谷さんが提案した案は面白かった。


自分達の地域を写メで撮って、持ってくる。

そして拡大して用意した地図に貼っていって、コメントを付けていく。

思わずワクワクしていたのが・・・


それがいけなかった・・・


隣では須藤さんと柳田君が喫茶店に選ばれなかったことを

グチグチと言っている。

それに合わせるように3人の女子が同意していた。

ただ私は、


どこの写メを撮ってこようかな・・・


そんなことを考えていたのだが、その矢先に、


「ねえ、後谷。あんたもあんなくだらいないことやりたくないよね?」


その言葉に私は気もそろろになっていたせいで

素で答えてしまうのであった。



「私は面白いと面けどな。うちの近所にめっちゃ人気のある蕎麦屋さんがあって・・・。」


ここまで喋ってから、自分が何を言ったのかを理解して口を閉じるが、

すでに時遅しだ・・・


須藤さんの視線は恐ろしいほどの怒気を帯びており、

柳田君も冷たい視線を渡しに浴びせてきていた。


他の3人の女子達は下を向いてこちらに視線を合わせることはなかったのだ・・・


・・・終わった・・・


私は自分がした失敗を理解した。

そして・・・当然、その報いは私に降りかかってくるのである。



次のお昼休みのことである。

いつものようにいつものグループに向かうと、


「あ・・・。」


そこでは机を中心に柳田君と須藤さんが並んで、

いつもは4人で円を描くようにしていたのに

いつもより小さな円となり、3人が詰めていて、

私が入る隙間がなくなっていたのであった・・・


私は・・・大人しく、自分の席に戻り、1人でお昼ご飯を食べたのであった。


それからの午後の授業は全く耳に入ってこなかった。


いつもは途中まで一緒に帰ってくれていた友人も須藤さんと一緒に帰ってしまい、

1人で帰ることになった・・・


「明日も今日と一緒なのかな・・・。」


その日の夜の寝つきは最悪で、結局夜中の2時まで寝ることができなかった・・・


朝起きてからもその思いが出ていたのであろう、


「大丈夫?」


母が私の顔色を見て心配しており、

私はグッときてしまう。


「大丈夫だよ。」


母子家庭であり、毎日遅くまで働いてくれている母に迷惑何ってかけたくない!

そんな思いで、大丈夫以外の言葉は出なかった。



朝7:30からの課外授業前にはやはり・・・誰も話しかけてはくれなかった。


1人教室へ入るが、誰とも「おはよう」の挨拶もなく席に座る。

いつもであれば友人たちが声をかけてくれるのだが、

その友人たちは・・・


遠くにいるだけである。



「おはよう。」


そんな時であった。

朝7:29分に到着した柊君が声をかけてきたのであった。


彼は私の家からも随分遠くから来ており、

いつも結構ギリギリにしか教室には到着しなかった。


「おはよう、柊君。」


今の席が柊君の隣であるため

私に挨拶をかけてくれる柊君。


・・・どこかで少しホッとした。


まあ、柊君はカースト上位も上位で、学校全体でも3年生たちでも

顔色を伺いながら話す相手である。


私が須藤さんグループにいても

全然平気な雰囲気で毎日挨拶をしてくれていた。


・・・良かった・・・ここは変わらなかった・・・


まあ、ただ、私が挨拶をしたことで、須藤さんグループのメンバー・・・というか、

須藤さんからのひと睨みが私に届いていたのは気づいたのだが・・・



朝課外が終わると、柊君の傍に東原君が来て、


「売店にパン買いに行こうぜ!」


「はいよ。」


2人で売店に買い物に行く姿を見ていると、

やはりここでも


「後谷さん、おはよう。」


東原君も私に挨拶をしてくれた。

私が登校してこの2人だけが挨拶をしてくれたのである。


「うん、おはよう。」


「何か後谷さんもいる?パン。いるんなら買ってくるよ・・・


 柊が!」


「俺かよ!」


「馬鹿!あの男子の運動部員がパンを買い漁っている中に、

 女子が入れるわけないだろうー!!」


「いやいや、お前も入ってるんだからお前も買えるだろうに!」


「馬鹿!俺の趣味の悪さは半端ないからな!」


自慢げにいう東原君だが、趣味の悪さって・・・


「確かに・・・。」


「ええ!?否定してあげないの!!」


驚く私に、


「じゃあ、東原が後谷さんのために何かパンを一つ買ってきてもらってみなよ~。」


「・・・じゃあ、何かパンを一つ・・・。」


おずおずとお金を出そうとすると、


「いやいや、とりあえず気にいれば買えばいいじゃん!」


「!?もしかして自分もちになる!?・・・これは慎重に選ばねばならんね・・・。」


そう言いながら二人が売店へと向かったのであった。


気づいた点は追加・修正ていきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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