柳川くんと月原くん ~1~
前半が柳川くん、後半が月原くんの構成になってます。
~柳川くん~
鏡の前で髪型のチェックを入念していく。
「うん!僕に良く似合っている!」
その後は顔のチェック、立ち位置を変えてのスタイルの確認を行う。
少しずつ角度を変えていきながら、自分の姿を見つめ続ける。
「いつも思うけど、時間ってあっという間に過ぎていくな・・・。」
今日も完璧な自分が鏡に映ったことを確認して、
制服へと着替えていく。
7時30分ごろからチェックを開始したのだが、
すでに8時50分になっている。
制服を着こなすして、リビングに向かうと、
「今日もあなたは素敵ね。」
「ありがとう、ママ。」
優しい笑顔で迎えてくれるママがリビングにいて、
僕に見落としがないのかをチェックしてくれる。
「あなたは本当に・・・完璧よ。」
ママの優しい言葉に答えながら、時間を確認する。
時計は9時20分を指していた。
朝ご飯は7時頃には食べており、今から行けばベストな状態で部活に参加できる。
土曜日は9時から部活が開始される。
出来る男は遅れて現れる
だから僕は9時20分に家を出て、9時28分に学校につく。
そして、9時37分にグランドに出て、部活に参加する。
今日もこのルーティンを崩さずに過ごす。
部活に行けば、まずは後輩たちから、
「おはようございます。」
挨拶の大合唱を浴びて、
次にはグランドにいる先輩に少し首をかしげて
「おはようございます。」
そう呟けば、女の先輩たちは熱を帯びた声で返してくれる。
男の先輩達も僕の美貌にはにかんだ様な笑顔で返してくれる。
その後は予定通りに白いジャージに、白いアップシューズを履いて、
手には白いスパイクを持って僕もグランドに出ていく。
部活をしていると他の部活の女の子達からの黄色声援が飛んでくる。
僕がどこにいても女の子が必ず話かけてくれるのだ。
少々困ったことなのだが・・・
僕は・・・
この学校のアイドルだ
実際に3次オーディションまで雑誌モデルに受かったこともある。
だから、アイドルとして扱われるのは仕方がないのだが、
部活動に支障をきたすこともあるので注意する必要がある。
~月原くん~
朝から憂鬱であった。
先ほど柳川に連絡を入れたのだが、一向に返事が返ってこないのである。
いつものことなのだが・・・
どうせあいつは寝癖を直したり、髪形を自分の思った通りにするまで
ひたすら髪をいじっているのだろう。
その後は日課のように鏡の前でポージングをしながら、
あらゆる角度での自分を確認していく。
そして、写真を撮っているのだ。
以前に見せてもらったことがあるが、朝だけでも300枚以上撮っており、
それが毎日続くようで、その朝のポージング写真専用の外付けハードディスクがあるくらいだ。
ハッキリというが・・・
あいつは重度なナルシストだ!!
そして・・・
重度のマザコンでもあった・・・
いや、ファザコンってのも加わっていたな・・・
そして、両親が息子を溺愛している・・・
自分の家とは全く違った環境のためか、全く理解ができない。
・・・理解出来る奴っているのかな?
8時50分になると先生や先輩達から
「今日はどうだ?」
そう尋ねられるのだが、
「連絡がないのでいつも通り9時28分に登校すると思います。」
それを聞いた先生や先輩たちは苦笑するのであった。
まあ、俺もそれを聞いたら苦笑してしまうだろう。
今日も予定通り柳川が9時28分について、部室で着替えている。
コッソリと部室を覗くとすでに着替え終えた柳川がおり、
いつも通り時計を見つめて時間をうかがっていた。
イチロー選手に憧れていると言って、
ルーティンを決めてやっているようなのだが、
それならそのルーティンを開始時間内に収まるように設定してほしい。
それを何度か注意したし、みんなからも言われるのだが、
彼の中での自分は特別な人間なので許されるというわけのわからない理由で
今だに直してはいない。
部室から出てきた柳川に後輩が挨拶をする。
・・・小馬鹿にしてだ・・・。
そして、呆れた顔で先輩や同級生たちが挨拶をする。
ただ、顔がいいため女の先輩達からは黄色い声が飛ぶから、
こいつが勘違いしてしまう。
先輩だから、注意することもできないので本当に困っている。
そして、白いものを好む柳川なため全身を白の道具で固めている。
ここまでは理解できる。人それぞれ好みは違うし、
うちの部活はある程度そこは個人の裁量がある。
だけど、白は汚れが目立つため、
柳川はハードルの設置などは一切しない。
準備をみんなが開始すると柳川は女の子が多い、テニスコートやバスケットゴール、
更にはバレーをしている女子の所に逃げていくであった。
そこで、話しかけて欲しそうにそばを歩いているらしい・・・。
この間苦情がきた・・・
どうしてそんな風に女子と接触しようかとすると、
柳川は自分をアイドルだと思っている。
その根拠になっているのが、雑誌のモデルに3次オーディションまで受かったということだ。
普通に聞けば、それならそこそこイケメンなのでは?と思うところだろうが、
イケメンであることは認めている、学校一といっても納得できるイケメンだ。
だが・・・
まず雑誌モデルの雑誌というは町のタウン情報誌であり、
オーディションと言っているのは、
電話で応募したことを1次オーディションと言い張って、
次にタウン情報誌の職場に行った時に、
応募に必要であった親の同意書を忘れたことで後日になったことを
2次オーディションに合格したと言い張っているのだ。
3次オーディションは同意書を持ってタウン情報誌の職場に行っただけである。
しかもそこで、見知らぬ大人に囲まれて、緊張のあまり泣いて逃げて、落ちたのだ。
ギリギリだったんだけど・・・みたいなことを言うがこれが真実である。
なぜこんなに詳しいかと言えば、僕が付き添いでいっており、
最終的にそのモデルが僕になったからだ。
そのモデルが、近所の個人商店の子供用の下着を履くモデルであったため、
その後の俺のあだ名がしばらく
“ブ〇ーフ”
になったのは俺の過去の汚点である・・・。
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。