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柊君へ ~Another Story~  作者: Taさん
第一章
48/201

竹中さん ~8~

竹中さんの話です!

申し訳ないですが、長めになっておりますm(_ _)m

次の日に学校い行くと、前日から校舎でははためいていてたモノがなくなっていた・・・


柊の九州大会出場の垂れ幕が!!



ざわつく学校。

私は教室に入ってそのことに気づいた。


「柊君って、九州大会辞退したんだって!」


私はその言葉を聞いて絶句してしまうのであった。


言われて気づく私は馬鹿だ。

柊はあと10日で九州大会出場を控えていた選手である。


しかも・・・


この中学校が始まって以来の初めての九州大会に出場選手・・・


・・・私、やっぱりとんでもないことしちゃってる・・・



「だけど、階段で段を踏み外すってね。」


「いやいや!だけど、あそこの階段の手すりって角ばってるじゃん!

 あれがいけないんでしょう?朝から業者を呼んでるじゃん、学校も!」


「あの業者って、そのために呼ばれたの!?

 何事かと思っちゃったわよ!」


「でしょー。私もびっくりしたけど、何か学校中を総点検してるみたいよ。

 今回の件、相当大ごとになってるみたいだし。」


「みたいよね!PTAの会長が朝から乗り込んでたみたいだし!!」



クラス中がその話題で持ち上がっているのだが、

そこにはある意味真実が、だけどある一部分が抜けて落ちていた・・・


「柊!!!」


私は昇降口で待ってて、登校してきた柊に詰め寄る。


「おはよー。」


「おはよう!って、そんな軽い挨拶じゃない!!」


平常通りの柊に怒りながら、問い詰めようとしたところで、


「柊!職員室に来い!」


後ろに控えていた先生が柊に声をかけて、

それに従って、柊がヒョコヒョコと歩いていった。


右ひざが曲げれないようで、引きずるような歩き姿だった・・・・



結局、授業開始直前まで待っていても出て来ずに、

私は諦めて一旦教室に戻るのだが・・・


朝の会の報告では、


「今日中に学校内の手すりの点検を行っているから、近寄らないようにね。」


との担任からのコメントで終了した。

まあ、当然柊のことに触れることはないだろうと思っていたけど。



次の休み時間に心配して柊の教室に行ってみると・・・


いたけど・・・


いたけどさ・・・


何で・・・


UNOして盛り上がってんのよ!!!


思わず私は柊の頭を叩いてしまう。


「な、なんばしょっとね!?」


「普段そんなことば使わないでしょう!!

 って、なんでこんな状況で笑いながらUNOをやってるのよ!!」


「え?・・・いつもやってるけど。」


「それは知ってる!ってか、学校でUNOはやめろよ!!

 いやいや、そうじゃない!そうじゃないわよ!!


 何で落ち込んでないのよ?」


「・・・別に落ち込むことはないからじゃない。」


「落ち込むでしょう!!」


「落ち着け竹中、いつもの冷静な竹中はどこに?」


「こんな状況で落ち着いてられるか!!」


さんざん叫んだせいでか、ちょっと疲れと共に、

冷静さも取り戻していった。


平常通りの柊がちょっとむかつくけど・・・・


「ケガの具合はどうなのよ?」


「今は傷口をテープで止めてる。」


「テープで?」


「何か膝の所だから、縫いずらいって言われて、テープで止めてる。」


「それで大丈夫なの?」


「大丈夫ってさ、10日程放置しておけば治るって。」


「そう・・・。」


ちょっと安堵するが、それでも私が原因であることには変わりがないため

何て言葉をかけたらいいのかを考えていると、


「今日の放課後時間ある?」


「あるけど・・・。」


「今日も病院に行くから、付き添いしてよ。」


「いいけど・・・。」



「で、いつまでそんなショックを受けた顔をしているわけ?」


放課後、ゆっくりと歩く柊に合わせた歩調で私も歩いている。


「あたりまえじゃん!しかも、原因が私なんだからさ!」


「本人が気にしてないんだからいいじゃん。」


「・・・しかも、全部の罪を本人がかぶって?」


「別にかぶってないだろう。」


「今日だって、先生達に怒られてたんでしょう?」


「まあ、軽くお説教を受けてただけだよ。」


「・・・私が原因って正直に言えばそんなことにはならなかったでしょう?」


「どうだろうね。」


柊はいつものように笑顔で接するが、間違いなく柊は私を庇ってくれていた。

日頃の態度がいいとは言えない私が、学校の期待の星の柊を怪我をさせたとなると

先生達も待ってましたとばかりに私を非難するだろう・・・


ここぞとばかりに柊との縁を切れって言ってくるだろうしな・・・


それは多くの先生が望んでいることを私は知っている。



少し前に、柊と一緒に帰っていたことが学校にバレた。

普通は学校は別に男女交際に関与することはないのだが、

この時は違った。まあ、買い食いという校則違反はあったものの。



「和田先生、ちょっと体調が悪いわ。」


「大丈夫?ゆっくり休んでいきなさい。」


そういって、私にハーブティーを進めながら、ベッドで横になっていた。

たまたまその日は涼しい日で、窓が開いていたため気持ちいい風が入ってきていた。


しばらく横になっていると、


「竹中さん、私、ちょっと席を外すからね。

 それと・・・


 机の中のマンガや雑誌を読むときはしっかり周りに気をつけてね。」


先生がウインクしながら、保健室から出ていった。


この保健室の秘密・・・

まあ生徒の一部の人間は知っているのだが、


机の中にマンガや雑誌が入っているのだ!


それでたまに授業をサボってここで休んで読んでいる生徒がいる。



「たまには息抜きが必要でしょう。」


笑みを浮かべながらそんなことを言う先生のため、

和田先生は男女問わず人気の先生である。



ああ・・・痛い・・・


とりあえずお腹の痛みが激しくなったためベッドでうずくまる。



「柊君、君は成績も優秀で、陸上の成績も素晴らしい。」


「はぁ・・・。」


「だから、君は、


 竹中さんとの交際は止めなさい。」


思わず痛みを忘れて飛び上がった。

いや、すぐに痛みに襲われて、ベッドに横になるけど、

隣は・・・生徒指導室か!?


そこに柊が呼び出されているのか!?


その後も、他の先生達なのだろう、


「竹中さん、と付き合うのは止めないさい。」


「いいか!生徒を正しい道に導くのが先生と務めだ。

 我々の経験から言って、彼女のような人間と一緒にいると

 ロクな大人になることはできないぞ!」


「ああいう生徒が、他の生徒を虐げたり、いじめをするんだ!

 そんなろくでもない人間と一緒にいるということは、

 柊、お前もそう見られるんだぞ!」


・・・おいおい・・・


先生方、人がいないと思って言いたい放題ですな・・・


表では、


「さすがは竹中さん!」


と、満面の笑みで褒めてくれる担任の声まで聞こえたのだが・・・


ロクでもない大人って言うのは、


あなた達のことですよね?先生?


陰でまあ、好き放題言ってくれる・・・



「お断りします。自分が友達と思っている人間と縁を切る気はありません。」


・・・あのバカは・・・


そこはハイと言っとけばすぐに終わるのに・・・


呆れてしまうけど、ちょっと嬉しい言葉だな・・・


その後の先生達は、


「君のことを思って我々は言ってあげてるんだぞ!!」


「君の経歴に傷がつく可能性だってあるんだ!!」


「君はまだ幼いから分からないだけだ。

 我々のような十分な大人の判断が正しいんだよ。」


「そうだ。君達生徒は我々先生の言うことだけを

 聞いていればいんんだ!!」


・・・大声をだして、上から高圧的にしゃべる先生達が大人か?


私の中ではこういう大人になりたくないって気持ちでいっぱいなんだけど・・・


そんな中で柊は、


「御忠告ありがとうございます。


 ですが・・・


 竹中と友達をやめるつもりはありません。」


ハッキリと断言したのであった。


あいつは本当に融通が利かないな・・・


こんな時は黙って、先生の言葉に『はい』って言って、

従っていればいいものを何で反抗するかな?


だけど・・・


カッコいいぞ柊・・・


・・・何で、同級生にこんな感情を抱かなきゃいけなんだいよ。


そんなことを思いながら、またぶり返してきた痛みでベッドに蹲るが、

気持ちはものすごくうれしかったのを今でも覚えている・・・




柊は絶対にそんな性格だよ。

私は柊と一緒に歩きながら思う。


空気を読んていればいいことを・・・

いや、空気を読んでも自分の信念を曲げることが嫌なのか・・・


改めて柊がカッコいいと思う。


「仕方ないな・・・。」


「何が?」


「私のこっちでの時間は柊に捧げてあげようと思っただけよ。」


「・・・そんな重いものはいらない。」


「・・・マジで嫌そうな顔をするのは止めてくれる?

 これでも私、クールビューティーって言われて、結構告白されたりしてるんだけど。」


「ソンナコトナイヨ。」


「何でカタコトなのよ!!

 それに今のソンナコトナイヨは、どっちについて言った?

 何か、私のクールビューティーって言葉の方にも

 かかっていたような気がするけど・・・。」


「・・・。」


「よし!一発殴らせろ!!」


「暴力反対!!」


「何、こんな時だけ言ってんのよ!今までさんざん暴力振るってきたでしょう!!」


まともに歩けないため逃げれない柊の後ろに回り込み、

柊の首を締めあげていく。


「ギブギブ!ごめんなさい!!」


「分かればいいのよ。まあ、許してあげるわ。」


そういって、放しながら私は苦笑してしまった。


いつのまにか柊に引っ張られていて、

さっきまでの暗い気持ちが消えていた。


はぁ~、やっぱりあんたはイイやつだよ。


口には出さないけど、柊にしてやられた感に感謝している。


ホント、いつも通りだわ・・・。



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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