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柊君へ ~Another Story~  作者: Taさん
第一章
47/201

竹中さん ~7~

竹中さんの話です!

「・・・村中先生って無駄にやる気があるよね。」


「まあ、いいんじゃない。初めて星をあんなにマジマジと見た気がしたけど、

 キレイだったじゃん。」


「まあ、そうだね。それに柊と抱き合ったからね。」


私の意味深発言と笑みに柊が冷たい視線を私に飛ばしてくる。


「いろいろと語弊がある言い方だと思うけど?」


「そう?だいたい真実だと思うけどね。」


「・・・そこに説明文があったら、真実だけど、悪意のある抜き方をした文章だと思うけどな。」


「役得ってことでいいじゃん♪」


「役得ね~。」


「なに?私じゃ不満があるっていいたいの?」


「・・・。」


「否定をしろよ!否定を!!」


私に殴られる柊。

こんな風にはしゃいでいたのが、この後ちょっとしてから

あんなことになる何って思ってもみなかった・・・



「じゃあ、希望者は夜7時に集合な!」


村西先生は天文の勉強の一環として、夜に生徒を集めて、天体観測をする。

基本的には希望者なのだが、


「柊は参加するの?」


「ああ、どうせ部活が終わった直後だから。ついでに観て帰るよ。」


「じゃあ、私も参加しよーと。」


天体観測何って、小学校以来で意外と楽しみにしていた。

一度授業を終えて、夜の学校に行くと言うのも結構楽しいもので、

興奮しつつ天体観測の場所となっている中庭へと行く。


「ほら。」


私はここに来る前に柊から届いたメッセージに書かれていた。


“何か食べるモノを買ってきて”


それに答えてコンビニでおにぎりを数個購入してきたのであった。


「ありがとう。ほい、お金。」


「別にいいわよ。あとで別のもので払ってもらうから。」


「・・・怖いので、お金ですまさせてください。」


「なーんで、怖がるかな?」


「自分の胸に手を当てて考えてみろよ。」


そう言われて、私の胸に手を当ててみるが、


「まったく思い当たる節はございません。」


にっこりと微笑みながら、断言すると柊は長いため息をついて・・・


「残念だ・・・。」


「何がよ!!?」


そういって、私からにらまれる柊であった。



「おお!思った以上に集まったな。」


そう言いながら、先生が陸上部で使用しているベンチコートをみんなに配りだすのだが・・・


「思った以上に多く集まってくれたから、ベンチコートが足りないな。」


そう言って、周りを見回して・・・


「柊、我慢しろ。」


「・・・了解です。」


そう言って、ため息をつきながら柊は自分のジャージを取り出して、

着こんでいった・・・そんな中、


「ジャージのズボン借りていい?」


「うん?ああ・・・寒いか。いいよ。」


そういって、柊は私にジャージのズボンを貸してくれたので私は寒さ対策に履いた。

ちょっと柔らかい柊の匂いがして気分が上がってしまう。


我ながら単純だと思うわ・・・



苦笑しながら、柊がご飯を食べてる横に座っていると、


「お前たち、2人でベンチコート使ったらどうだ?」


ニヤニヤとしながら村西先生がそんなことを言ってきたのである。


ほっほー、そんな挑発を私にしてくるとは・・・


そして・・・


何って助け船を私に出してくれるのか!


ちょっと心の中で喜びながら、柊に笑顔を向けると、

すでに嫌な予感を察している柊が諦めた顔をしていた。


うん!これなら楽勝!!


そういって、柊の背中にベンチコートをかけて、私はなんと・・・


ヒラギノ胸元に飛び込むのであった!


いつもの私だったらできないけど、

これが先生による挑発も加わったから出来るのである!

そして私に負けず劣らず柊も負けず嫌いである!!


だから・・・


まったくいやがらない!!


まあ、顔はちょっと嫌がっていたけど、


「ほら!しっかり閉じてよ!じゃないと寒いじゃない!!」


柊に包まれる私。

それを見て、ちょっと困ったような顔をする村西先生。


「やるとはおもってなかったんでしょう?」


ニヤニヤしている私に、ここも負けず嫌いの先生は、


「しっかりと防寒対策はしないといけないからな!」


その言葉を残してこの状態を黙認したのであった。


ラッキー♪


柊の柔らかい匂いがするし・・・


ドキドキがバレないように気をつけないとね!



ちょっと興奮しすぎたせいか、村西先生の説明が全然頭に入ってこなかったのだが、

私は大満足をしてこのイベントを堪能したのであった。


その帰り道、中庭を出て、昇降口に向かう階段で、

柊と並んでおりていた時である。


「きゃぁ!!」


私は階段を踏み外したのだが、すぐに私の腕を力強く使ってくれと同時に、


ガーン!!


という鈍い音が響いたのであった。


私はそのまま柊のところまで引っ張られており、特にケガもしてなかった。


「ありがとう。」


柊にそう告げるのだが、

柊がその場でうづくまってしまっていると思ったら・・・



「膝から血が出てるよ!!!」


柊の制服のズボンが赤く染まっていったのであった。



あの時、私を支えてくれたのだが、私の勢いを完全には止めることが出来ずに、

柊も一段滑っておりていた。

その時にどうやら階段の手すりを支える棒が偶然そこに配置されていたため

その棒に膝が直撃したのであった!


しかもその棒が角ばっていたのである・・・


急いで先生が救急車を呼んで救急病院へと連れていく。


私も同席したかったのだが、それは駄目だと断られて私は家へと帰るが、

私はずっと柊に電話をかけ続けていた。


「もしもし、竹中?」


「大丈夫!!」


やっとかかってきた柊からの電話に飛びついて、


「ああ、大丈夫だよ。」


「ごめん!ホントごめん!!」


「別に気にする必要なんかないよ。」


「そんな訳いくわけないじゃん!!」


「いつものようにさ。」


「いつものようにって!ケガさせたのにできるわけないじゃん!!」


「別に竹中のせいじゃないから。これは俺が自分でミスったんだよ。

 さらに不幸にもあそこに柱があって、しかも角ばっていたって言う不運が重なったんだって。」


「だけど!原因作ったのは私でしょう?」


「いいや、支えれなかった俺だよ。」


「そんなことはない!!!」


ずっとお互いが悪いと言い合っていた。

ただ、私は本当に最悪な点にまだ気づいていなかったのだ。

そして柊はそのことに気づいていたのだ・・・



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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