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柊君へ ~Another Story~  作者: Taさん
第一章
44/201

竹中さん ~4~

竹中さんの話です!

それは私の担任が突然告げてきた。

朝の会で開口一番に、


「実は私の主催する劇団がこの度、舞台を開くことになりました。」


生徒からは『おおぉ!』っと歓声が上がるのだが、

その次に続く言葉を聞いて唖然とする。


「それで、是非ともみんなに観てもらいたくて・・・



 チケットを買ってもらいたいの。」


・・・はぁ?

何を言っているんだこの人は?


チケットを買うって・・・


「こちらにその趣旨と開催日が書かれた紙があるから、

 これを親御さんに見せてください。」


そういって、プリントを先生が配りだしたのであった。


こんなのって・・・断れないんじゃないの?


自分の子供の担任から進められたら、

今後のことも考えると断れないだろう・・・。


ふと値段を見ると1人980円・・・


これの金額って・・・


確かテレビでやってたけど、安く見せる方法の一つじゃなかったかな?


1000円と書くよりも安く見えるからって・・・


しかも二口以上購入をお願いしますって書いてあるし・・・


思わず新手のマルチ商法かと思ってしまう。

しかもそれを先生が主導して、自分達の生徒に売りつけるって・・・



うちの親に見せると案の定、チケットを購入することになった。

ただ、2枚購入するにしても母が、今は大阪に戻っており、父だけなのだが、

その父だって普通に仕事がある。


ということで・・・


「柊、どう?」


「・・・まあ、いいけど・・・。」


柊と一緒に行くことが決定した。


「ただ、この日は俺、試合があるから、夕方ギリギリになるよ。」


「じゃあ、現地集合にしようよ。」


「分かった、それならOK。」


「それより柊のクラスでは売ってなかったの?」


「ああ、うちのクラスはあの人の授業はないからね。

 ただ、他のクラスではそのプリントを配っていたみたいだよ。

 それとテニス部の顧問だから、当然テニス部でも配ってたみたい。」


「・・・結構な額を稼いでじゃん・・・。」


そういって、私は今回の会場の料金表を柊に見せると・・・


「一回で7万円か・・・。それに対して、クラスはもちろんのこと、

 学年の半分と部活を合わせると、200名くらいだから、

 それに2口以上で・・・32万ほどになるな・・・。」


「・・・だよね・・・。」


「汚い稼ぎ方で・・・。」


「公務員って副業OKじゃないだろう?」


「何か抜け道があるんじゃないの?」


「・・・確かにあの人なら考えてそうだね・・・。」


私と柊は呆れつつも、結局はこの劇を観にいく。

かなり癪だけどね!!!



「お待たせー。」


柊が小走りで現れた。

服装は私服ではあるものの、靴はランニングシューズで、

背にはスポーツバッグを抱えていた。

軽く肩で息をしていたので、


「もしかして駅から走ってきた?」


「ああ、思った以上に遠くてね。走らないとアウトだったから。」」


「そうね・・・もうギリギリだしとりあえず入ろうか。」


そういって、2人で会場へと入った。


「結構人がいるね・・・。」


「ああ、1000人くらいいるんじゃない?」


確かここのホールのキャパが1000人ぐらいで、

今現状でそのキャパがいっぱいになっているのだから、

1000人ぐらい来ているということである。


「やっぱり先生の力ってすごいね・・・。」


「なあ・・・。」


私と柊は呆然と見るのであった。


劇は素人が出演しているもので、そんなにしっかりとしている感じではなかった。

そんな劇も小一時間ほどで終わったのだが・・・


「それでは代表であります私からご挨拶を・・・。」


舞台に上がっている先生が最後の挨拶をしだしたのだが・・・


5分経過・・・


10分経過・・・


20分経過・・・


「・・・なあ、竹中。」


「・・・帰る?」


「ああ・・・。」


こうして私と柊は一緒にホールを出たのだが・・・

いざ玄関ホールに出ようとしたところには、多数の人が待ち構えていたのであった。


「・・・あれって?」


「たぶん・・・宗教・・・。」


「・・・まじか・・・。」


私と柊はホールの上から玄関ホールを見守っていた。


「とりあえず突っ切る?」


「いや、しばらく待ってから、みんなが出てきたところに混じって出る方が

 捕まらない可能性が高いんじゃない?」


「そうだな・・・じゃあ、そこで座ってるか。」


柊と一緒に近くにあったベンチに座って上から様子を見ていると、


「・・・お腹がすいた・・・。」


「何も食べてないの?」


「そう。まあ、すぐに終わるしと思ってね。試合が終わって直で来たから。」


「ジュースぐらい買ってあげるわよ。」


そう言って、私は近くの自販機に行くのだが・・・


「・・・ねぇ?」


「おしるこって飲める?」


「・・・飲めない・・・。」


「そっか・・・。」


「・・・不吉な予感しかしないけど、もしかしておしるこだけ?」


「いい感してるね。」


「・・・そんないい感いらないけどな・・・。」


私はピッとおして、柊に渡してあげる。


「・・・しかも冷やしかよ・・・。」


「まあ、季節的には冷たいので合ってるんじゃない?」


「そうだけど・・・。」


ものすごーく警戒しながら、柊はタップを開けて、おしるこを飲みだした。


「・・・。」


しかも無言で・・・


「そんなに美味しくないの?」


「う~ん、得意な人はイイだろうけど、俺はちょっと苦手かな。」


「そんなものかね?じゃあ、ちょっと頂戴。」


そういって、柊の手からおしるこを取って、一口飲むのだが・・・


「・・・ああ・・・好きな人は好きだろうね・・・。」


別におしるこ自体は食べれるけど、思った以上に冷たくしたせいか甘い!

ちょっと甘すぎて私には無理かな・・・


すっと柊に戻すのだが、柊が飲むのを躊躇する。


「・・・何で躊躇してんの?」


「いや、このままだと間接キスだなって思ってな・・・。」


「そんな細かいことを気にするわけか?君は?」


「細かいか?」


「仕方ない・・・。」


そういって、柊のスキを突いて私は・・・


キスをする!


「!?」


柊の目が見開くが、


「さて、私と直接キスしたわけだから、今更間接キスぐらい気にしないだろう?」


「お、お前!?」


「あ~はいはい!そんな細かいことを気にしない!

 結果は変わらないんだから。はいはい、飲んで。

 そろそろ人も出てきたし、紛れ込んで帰ろうよ。」


平静を装いながら、柊に進めている・・・のだけど!

内心はバクバクしまくっていた。

何気に初のキスだからか、柊にしてしまったのか、

どちらかは分からないけど、心臓がバクバクしています!!


その後は何か言いたそうだったけど、柊はおしるこを飲み終えて、

ごみ箱に捨てて、立ち上がる。

それにつられて、私も立ち上がりながら、


「じゃあ、帰りますかね。」


私と柊は一緒に帰っていったのであった。



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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