竹中さん ~3~
竹中さんの話です!
「とりあえずは、俺が来た用事を先に済ませるよ。」
「しゃーなしだよ。」
「それはそれはすいませんね。」
苦笑しながら案内する柊の横を私が一緒に歩く。
「まずは雑貨屋で。」
そういって、雑貨屋のお店に入るとノートを手に取り、次にはチョコシューを手に取っていた。」
「へぇ~、チョコシューとか食べるんだ。」
「何か、うちの学校で流行ってない?美味しいって聞いたから、ついでに買ってみようかと思って。」
「ああ~そう言えば言ってたね。」
うちの学校の派手な3年生が美味しいと言って、広めたとか何とか言っていたのを思い出した。
「へ~、こんなボールペンもあるんだね。」
そう言って私はボールペンを手に取って書いてみると、
思った以上に書きやすいペンで、コレ買おう・・・
そう思って2本の赤ペンを取ってレジへと向かったのであった。
「で、次はどちらに向かうので?」
「あとは本を買いに、この隣の建物に・・・。」
そういって、柊に連れられて隣の建物に入るとそこは大きな本屋になっていた。
「雑誌とかは1階、地下には文具が、2階は専門書や問題集があるから。
見たいものがあったら、見てていいよ。」
「柊はどこに行くの?」
「俺は2階、陸上の専門書が売ってるらしいから、それをちょっと見てくる。」
「そう。じゃあ、私はここで雑誌を読んでるよ。」
「おう。じゃあ、終わったら下りてくるよ。そっちが先だったら、上に。」
「はーい。」
私はこうして柊と別れて雑誌のコーナーに行って、どんな雑誌があるかなどを見て回る。
・・・思った以上にというか、ものすごい充実しているのにちょっと驚いていた。
本当に田舎という認識を改めないといけないな・・・
「ちょっと道を教えてくれよ。」
その声は入り口付近で聞こえてきた。
そっちの方を見ると、中学生くらいの子が、
高校生くらい2人に腕を掴まれて建物の外へと連れ出されいたのであった。
こんな人目がある中で堂々と!?
驚きのあまり、思わず声が出そうになったのだが、何とか我慢をする。
周りを見るとみんなその行動を確認しているのに・・・誰もが動かいないのである・・・
「お待たせ!」
何ってちょうどいいタイミング現れる男だ!!
柊が紙袋を持って、私の元に現れたのだ。
私は柊の腕を引っ張って、先ほど出ていった扉へと向かいながら、
「今も、子供がたかられて、連れ去られた。」
「はぁ!?」
一瞬目を見開くが、すぐにその目が鋭くなり、前を向いた。
扉をでて、辺りを見回すと・・・
「あそこ!あいつら!!」
私が子供の腕を掴んでどこかへと向かおうとする2人組をすぐに見つけて、
柊に教えると、
「竹中、お前ここで待ってろ。」
そう言って私を置いて向こうへと向かおうとしたので、
その腕を掴んで、
「大丈夫。まあ、役に立つから。」
そういって、2人でその男達の後を追ったのであった。
その男たちはすぐに犯行に及んだ。
路地を一本入ったらすぐにその子供を殴ったのである。
そして、財布を出させていた。
その瞬間、柊の飛び蹴りがヒットするのである。
1人が派手に飛んで、転がる。もう一人はその光景を呆然と見ていると、
「ぐぇ!!」
柊に片手でのどを掴まれていた。
「さてと、大人しくしていてくださいね。」
柊が優しく告げるのだが、まったくそこには笑みはなかった。
私はその間に警察に電話をしていた。
「て、手前!!」
やっと転がった男が立ち上がったかと思ったら、
柊の光景を見て絶句していた。
片手でのどを掴まれて、更には持ち上げられている連れを見たのだから
恐怖を感じるのは仕方がない・・・
それとも柊にすごまれて、その恐怖心で動けなくなったのだろうか?
その後警察が来るまで何もできずにただ呆然としていたのであった。
「・・・何でまた君なんだ・・・。」
警察官にジト目で見られている柊は苦笑してしまう。
「何ででしょうね。僕が聞きたいですよ。」
「確かに君は素晴らしいことをしたのは分かる。
この子を助けてくれたし。」
そういって、警察官の傍で泣きわめいている男の子を指さすが、
「ただ!こんな危険なことはしない方がいいよ!!
相手が刃物を持っている場合もある。
場合によっては拳銃を持っている者もいるんだからね。」
そう言って、近くのベンチに座らせて懇々と柊に説教をする警察官。
その言葉にうなだれるように頭を柊は下げていた。
ただ・・・
まったく柊には響いてないんだろうな・・・
だって・・・
舟をこいでますから!!!
自分の言葉に熱くなっている警官には寝ている柊の姿は
たまたま目に入っていないのだろう。
ずっとウトウトしている柊・・・
こいつ・・・
どんだけ神経が図太いんだよ!!!
さすがに私は笑いそうになるのは堪えている。
だって、ここで声を上げようものならきっと更に説教が追加されるだろうから・・・
「・・・ただ、君の勇気ある行動は尊敬しているんだ。
だけど、勇気ある行動と無謀な行動を履き違えてはいけないよ。
・・・いいね?」
「・・・はい。」
・・・何って絶妙なタイミング起きるんだよ柊!!!
ちょうと終わる直前のタイミング目をさまして、
あくびを必死にかみ殺していた。
きっとその光景は上から見ている警察官にとっては、
肩を震わせていて、泣いていると思っているのだろう。
面を上げた柊の目には涙が見えていたからね!
それに気づいて、言い過ぎたと思ったのだろう。
さっきといい言葉を警察官が投げかけていた。
・・・私は、真実を知ってしまっているが・・・
「・・・あんた・・・きっと大物になるよ。」
やっと解放されて二人っきりになったところで私は柊に告げる。
「何でまた突然?」
「・・・警察官に説教されている中、寝れるような人間をそうそう見たことないからね。」
「・・・バレた?」
「バレバレよ!ああ、いつ気づかれるか、見てるこっちがドキドキしたわよ!!
このバツとして、帰りにアイス買ってよね!それにこのせいでもう夕方になっちゃったから、
帰らないといけなくなったしさー!!」
「俺のせいなの!?」
「そうよ!柊のせいじゃん!!」
「・・・く、仕方がない・・・。」
私達はバスに乗って、地元に戻って、地元の美味しいソフトクリームを
おごってもらって1日が終わったのであった!
やっぱりあいつというと面白い日常になりそうだ。
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




