伊達くんと島田さん ~7~
伊達くんと島田さんの話です!
その事件は体育祭を終えた時に起こった。
な、なぜだ・・・
どうしてこうなった・・・
昨晩、部活を終えていざ帰ろうとした時である。
俺は何気に自転車乗り場に行った時に、
あ!矢田さん!
矢田さんの姿をそこに見かけたのであった。
ただ、ここで疑問が湧いてくるのであった。
何で矢田さんがここに?
矢田さんは自転車通学ではなく、バス通学である。
ならばここに居るのはおかしいのでは?
そう思っていると・・・・
矢田さんに見知らぬ男が近づいて行ったのである。
そして、矢田さんは男の後ろに乗って、一緒に帰っていったのである・・・
俺はその光景を呆然と見守っていたのであった・・・
「島田・・・矢田さんが男と一緒に帰っていた・・・。」
俺が朝一で島田に告げると島田は悲痛な顔をする。
そして、黙ってしまうのであった。
「あれは・・・やっぱり彼氏なのかな?」
俺の言葉に島田は答えなかったのだが、
しばらくして、
「たぶん・・・彼氏だと思うよ・・・。」
消え入るような声で俺にそう告げてくるのであった。
「そうか・・・。」
俺はそう答える。
ただ、俺の中ではずいぶん冷静でいたような気がする。
しかし、島田はすごく悲痛な顔をしていたのであった。
「島田!」
俺はこの日の授業を終えて、島田に話しかける。
「うん・・・。」
困ったよな顔を浮かべているが、俺を励まそうとしているだろう。
とりあえず教室から出て、売店に一緒に向かう。
その間にも、ずっと島田は俺を励ましてくれる。
「ほらさ!伊達の良い所ってわかりにくいじゃない!だけど、私は知ってるよ!」
「伊達ってすごい優しいじゃん!その優しさが他の人にも伝われたば全然違うのに印象が!」
ずっとそんなことを言っている島田に、
ジュースを買って俺は島田に渡す。
「ありがとう、島田。」
「・・・ごめんね・・・。」
「?何で謝るんだ?」
「だって・・・矢田さんのこと私に任せておいてっていったのに・・・。」
「何を言ってるんだ!島田のおかげで普通に話せるようになったし、
島田には感謝しかしてないぞ!」
「・・・だけど・・・・。」
「別にここに呼んだのは咎めるためじゃないんだぞ?」
「それは分かってるよ・・・伊達はそんな奴じゃないじゃん!
私は責められても仕方がないと思ってるけど・・・責めないじゃん!」
「そりゃ~そうだ!島田は何も悪くないんだからな。」
「そんなことない!私がもっと頑張れば!!」
「いいや!島田は悪くないんだ!」
「・・・。」
そこには涙ぐむ島田がいた。
「俺はな、島田に謝らないといけないことがあるんだ。」
「・・・え?」
「昨日の晩、矢田さんが男と帰っているところを見た時なんだが・・・
俺はな・・・
島田の横に男がいる光景じゃなくて良かったと思ったんだ。」
「・・・へ?」
「俺は矢田さんが好きだと思っていたんだが、
そんな思いはすでに俺の中では消えていたんだよ。」
「・・・。」
呆然とする島田に、俺はゆっくりとそしてハッキリと伝える。
「俺は島田が好きなんだ。」
「!!!」
目を見開いて驚く島田。
「どうだろう?島田、俺と付き合ってくれないか?」
俺の言葉に肩を震わす島田。
「・・・いやか?」
「・・・いやじゃないよ・・。」
「ホントか!?」
「本当だよ!!」
そう言って、島田が俺に抱き着いてきたのであった。
「私はずっと伊達のことが好きだったんだよ!」
「そうなのか!?」
「この鈍感!唐変木!この変態男!!」
「・・・変態男ってのはちょっと違わないか?」
「変態じゃん!セーラームーン好きって!!」
「むむむ・・・そうなのか?」
「そうだよ!だけど・・・。」
「だけど?」
「私は許してあげるよ!だって、それもまた伊達だもん!!」
そう言って満面の笑みを俺に向けてくれるのであった。
俺がいつも見たかったものがこれであったことを確信するのであった。
今はお互いを抱きしめたまま離しをしている。
「今度セーラームーンの恰好をしてくれ!」
「・・・やっぱり変態じゃん・・・。」
「島田なら似合うだろ?俺が着ると・・・。」
「自分でも着るつもりなの!?それは止めてよね!・・・それなら・・・私が着るわよ。」
「ホントか!?それならポーズの練習も!!」
「どんどん追加されていくんですけど・・・。」
「だって、島田なら可愛いじゃないか。」
「・・・ずるいよ・・・。」
「俺のセリフだよ。その可愛らしさで言われてもな。」
「・・・バカ・・・。」
「子供が生まれたら“うさぎ”だからな。」
「はぁ~!?何の宣言よ!」
「いや、だから子供が・・・。」
「私達高校生よ!」
「大丈夫だ!」
「何がよ?」
「俺は島田を一生離すつもりはないからな。」
「・・・バカ・・・変態・・・。」
「どうして俺がなじられないといけないんだ?」
「知らないわよ!!」
俺と島田はこの日はずっとこうやって過ごしたのであった。
「どこ行った?」
俺は声をかけるがどこからも声が返ってこない。
家の中を探すがどこからも返事が返ってこない。
「いた?」
島田が俺に声をかけてくる。
「いや、いないな。」
「どこに行ったのかしらね・・。」
俺達は部屋のカーテンに透けている小柄なシルエットに気づきながら、
どこに行ったのかとつぶやいていると・・・
「ばぁ!!ここでした!!」
そういって、小柄な女の子がカーテンから飛び出してきたのであった。
「うさぎ!ここに居たのか!パパ分からなかったぞ!!」
そう言って、俺はうさぎを抱き抱える。
そして、うさぎを島田の方に渡して、
「ママと一緒に待っててくれよ。」
そう言いながらうさぎの頭をなでるのであった。
「じゃあ、行ってくるよ。」
そうママに伝えて、俺は仕事へと向かうのであった。
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです




