伊達くんと島田さん ~4~
伊達くんと島田さんの話です!
文化祭では俺のクラスの出し物は順当に逆コスプレとなり、
10時と15時には俺と男子達によるセーラームーンの踊りを
披露するイベントが開催されるようになったのである。
順調に文化祭をこなしていった時であった、
「島田あんた何やってんの?」
うちのクラスに来た外部の人間がどううやら島田の知り合いだったようで
島田を見つけて声をかけてきたのであった。
「これは先輩、お元気そうで。」
島田はコスプレはしていないので、お店には立っておらず裏方で
レジや飲み物の準備をする係をしていた。
ちょっとガラの悪そうな先輩達だったので、
島田が代わりに接客を申し出たのだが・・・
「うちらは元気よ。だけど、あんたはどうなのよ?」
「元気にやってますよ。」
「そうなの?そんな似合わない格好しているのに?」
そう言って、先輩達5人が大笑いをするのであった。
「あんたいつからそんな恰好してんのよ?」
「そんな恰好ってなんですか?」
「はん!今更真面目なふりしても無駄よ。
無い胸誇張するように胸元開けて、
ギリギリまで短くしてたスカートはどうしたの?
キッチリとめて、スカートも膝丈ってありえないっしょ?」
大笑いをする5人の先輩に冷静に接客をする島田。
どうやらそれが気にいらないんだろう・・・
「化粧もいつものメイクでもないしね!!
前まで嬉しそうに私のマネしてたじゃない!!」
立ち上がりながら、島田の髪を引っ張りだす先輩達に
俺は思わず動き出す・・・
「島田に何をしてるんだ。」
島田を掴んでる手を俺が逆につかみ、全力でその腕を握ると、
「いったーい!!はなせよ!このバカ!!離せって言ってんだろう!!」
俺に罵声を浴びせてくるが、俺は止めることはない。
するとすぐにこいつの仲間連中が俺に向かってきたのである。
ただ、5人中2人しか男はいないため
大人しくさせるのには容易なものであった。
すぐに事体は沈静化するのだが・・・
すぐに先生たちがクラスに来ることで、もう一度騒動が起きてしまう。
「伊達!お前、何をやってるんだ!」
そう言われるのだが、俺は自分の行動に恥じることは何もやっていない。
だから・・・
「俺はいつだって平和や正義のために戦っているんじゃない・・・
大切な人のために・・・
大事な人のために・・・
戦っているのだ!!!」
そう言い切ったところで、先生から拳骨をもらうことになり、
そのまま職員室へと連れ去れることになったのであった。
俺が職員室で怒られようとしたところに、
「先生!まってください!!伊達が悪くないんです!私を助けてくれたんです!!」
そう言って、職員室に島田が来たのであった。
「まあ、待て島田。話を聞いてからだ。それから・・・。」
先生が何かを言おうとしたのだが・・・
島田が・・・
先生の前で土下座をしていたのである。
「本当に、本当に伊達は悪くないんです!
だから、だからお願いします。伊達を許してください!!
私なら何でも罰を受けます!だから、お願いします!!」
結局このお願いのおかげなのか、俺が起こしたことについては不問になったのである。
「島田・・・。」
俺がやっと解放された時には島田はまだ俺を待っていたようで
職員室の前で体操座りでうずくまていたのだ。
俺の声でやっと反応して、俺をめがけて走ってくるのであった。
その走りは俺の前で止まることなく、俺に抱き着いてくるのであた。
しばしの間、その状態でいると・・・
「どこもケガしてない?」
「ああ、何もしてないぞ。それより島田は大丈夫か?」
「私は何でもないよ・・・。」
そう言って、一段と強く俺に抱き着いてくるのであった。
「・・・島田・・・」
「・・・何?」
「・・・いい匂いがするな。」
「・・・何でこのタイミングなのよ?」
「いや、こんなに近くにいること何って一度もなかっただろう?
それとやたらと柔らかいモノなんだな。」
「・・・空気読みなさいよバカ!
今、そんなセリフいうところじゃないでしょう?」
「いや、柔らかくてな・・・気持ちがいいものだな・・・。」
「はぁ~、ホントセクハラだからねそのセリフ。」
そう言って、島田が離れていってしまった・・・
もうちょっと堪能していたかったのだが・・・
「・・・ねえ・・・。」
「なんだ?」
「先生に向かって啖呵きったセリフって何?」
「何とは?」
「あれ、私のことを言ってるの?」
「・・・ああ、その通りだ。俺にとっては大事だからな島田は。
やっぱり島田の心にも響いたか・・・。」
「・・・え?」
「あれはセーラームーンの名台詞なんだが、やっぱり人の心に響くよな・・・。」
「・・・バカ・・・。」
いきなり怒り出すと島田は俺の前から消えたのであった。
何で怒り出したんだろう???
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




