伊達くんと島田さん ~3~
伊達くんと島田さんの話です!
「ありがとうございます!」
小学生2人からお礼を言われて、
「ふ、気にする必要なんかない。当然のことをしたまでだ。」
そう言って立ち去ろうとするのだが、
「ちょっと待ってもらえるかな。」
そう言って、警察官に捕まってしまうのであった。
すでに島田の姿も傍にはない・・・
この日はこってりと警察官に怒られた。
なぜ・・・人助けをしただけなのに・・・
まあいい・・・
自分の信念で動いたことだ!
これくらい問題ないわ!!
「あんたわよくやった!!!」
お母ちゃんとお父ちゃんが2人して、迎えに来たと同時に俺を抱きしめてくれたしな・・・
そんな2人に警察官が注意するのだが、
「何の問題があるんだ!!」
「うちの方針には何の問題もないわ!!」
今にも飛びかかりそうな勢いで両親が警察官と睨めっこをしていたのであった。
いい両親だ・・・本当に・・・
次の日に柳田と会った時、その傍にはいつも通り島田がおり、
「何であんな無謀なことをしてんのよ。」
「無謀?俺には余裕があったからな。そして、優れた人間は人を救う義務があるのだ!」
「・・・で、警察に説教をうけるの?」
「あれは・・・まあ・・・だが、小学生を助けれたのだから甘んじて俺は受け入れよう!!」
「バッカじゃないの・・・・。」
なぜか、今日はいつもと違って、いちいち俺の行動にダメ出しをしてくる島田。
・・・まあ、確かに駄目なのは分かるのだが・・・
「まずさ、矢田さんに迫るのやめなよ。」
「・・・何でだ?」
朝、昇降口で矢田さんを待とうとした時に、
いつもよりずいぶん早く島田が登校してきて
俺に忠告をしてきた。
「朝から、話しかけられてもウザいだけよ。」
「・・・だが、俺の・・・。」
そこまで言ったところで島田に止められて、
「いい。私は女子であんたは男子!どっちが矢田さんの気持ちを分かると思うの?」
「むむむ・・・、それは島田だろうな・・・。」
「でしょう?なら、今日はこのまま教室にあがりなさいよ。
本気で矢田さんと付き合いたいなら私も協力してあげるし、
言うことききなさい。」
「!?何っと!手を貸してくれるのか!?」
「ま、まあ、仕方ないからね・・・
あんたのやり方じゃ、100年経っても思いは伝わらないわよ。」
「な、何って事だ!!!」
島田の言葉にショックを受ける。
だが、同じ同性なのだ。
きっと矢田さんの気持ちは良く分かるだろう・・・
その島田が無理と言っているのなら、やり方を変える必要がある・・・
「わかった・・・。俺はこれからどうすればいい?」
「・・・じゃあ、まずはあのへんなお面捨てたら?」
「駄目だ!!あれは俺のバイブルだ!!」
「何であんなお面がバイブルになるのよ!!」
「アレをかぶってないとバレるだろう?」
「かぶっていようが、いまいがすでにバレてるわよ!!」
「まじか!?」
「・・・伊達・・・本気で言ってるの?」
「し、知らなかった・・・・。」
「・・・何でそんなにあんたは馬鹿なのよ・・・。」
島田の呆れるような声が頭を流れていったのであった・・・
「文化祭でセーラームーンの踊りを披露したい。」
2年生になった時、文化祭の出し物で何かしたいものがありますかと言われたので
俺が提案したのだが・・・
「バッカじゃねえの!!
そう言われてクラス中から笑われたのであった。
「な、なぜ笑う!?」
「本気でバカじゃン!伊達って!!」
一段大きな笑いが起きたところで、同じクラスになっていた島田が、
「じゃあ、逆コスプレ喫茶とかどう?」
皆にそう提案したのであった。
そこからはトントン拍子で決まっていくのだが・・・
「解せん。」
「何がよ?」
「俺はセーラームーンの踊りをみんなに披露したかったのに・・・。」
「だけど、セーラームーンの服装はあんた出来るじゃない?」
「それは感謝しているのだ・・・。
だが、せっかくなのだからより良さを分かってもらうために
セーラームーンの踊りを見せたいのだ。」
「・・・じゃあ、時間を決めて芸を披露するようにすれば?
そうすれば集客もアップするだろうとか何とか言ってさ。」
「さすだが!!島田!!」
そう言って、俺は思わず島田の手を握ってしまうのだった。
「す、すまん!!」
慌てて手を離すのだが、「別にいいのに・・・。」と
小声が聞こえたような聞こえなかったような・・・
「・・・何でそんなにセーラームーンが好きなの?」
「ああ、それはな・・・。俺は昔、体が強くてな・・・。」
「強いんかい!!そこは体が弱かったとかの話じゃないの??」
「いや、ウソはつけない。体は強かった。」
「・・・分かったわよ。それで?」
「うむ・・・。ケンカも強かったのだが、同時にむなしくもあったのだ。」
「何で?」
「ケンカが強いってことは、それだけで皆を怖がらせてしまうからな。
当然周りの人間も俺を怖がってしまっていた。
すると俺の周りから人がいなくなったんだよ・・・。」
「へぇ~、そんなことがあったのね。」
「うむ。その時に、セーラームーンと出会ってな、
彼女の周りには常に人がいる、仲間がいるんだよ!」
「・・・そりゃ~、アニメだし、人気もあるしね。」
「それがうらやましかった・・・。
だから、俺もああなればきっと周りに人が集まるのではと思ったんだ!」
「もしかして・・・それでセーラームーンをまねてるの?」
「ああ!」
俺がうなづくと本当に呆れたような顔をする島田。
深い深いため息をついて、
「あんたがとことん馬鹿だということが分かったわよ。」
「何をいう!!テストでは常に俺の方が上じゃないか!!」
「・・・。」
俺に可哀想な視線を送ってきながら、
「テストが出来ても、それがそのまま頭がいいとは言わないのよ。」
「・・・本当か!?」
「はぁ~、なんであんたはこんなに残念なんだろうね・・・。」
その後は本当に哀れなモノを見るような目で俺を見てくる島田だった。
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




