伊達くんと島田さん ~2~
伊達くんと島田さんの話です!
「伊達ちゃん、ご飯食べに行かない?」
柳田が俺の教室に来てまで俺を誘ってきた。
テスト期間中であり、すぐに帰って勉強をしたいが、
幼馴染の誘いなら無下に断るのも悪い。
それに今日はお母ちゃんがママ友と食事に行くらしいから、
お昼代を貰っている。
「いいぞ!今日はちょうどお母ちゃんが不在で、
ご飯を自分で準備しなくちゃいけなかったからな。」
俺は柳田の申し出を素直に受けて、一緒に行く。
メンバーはいつも柳田といる島田と園田がいるのだが、
俺はこの2人があまり得意ではない。
恥じらいもなく、胸元のボタンを開けて、短いスカートを履いている。
何度注意しても直さない2人であるし、向こうもあまりに言われ過ぎているようで、
お互いがあまりいい印象を持っていないのだ。
だが、あの姿は・・・レディとしていただけない・・・。
お昼に選ばれた店なのだが、何とこじゃれたイタリアンのお店だった。
てっきり牛丼だと思っていたのに・・・
男なら黙って牛丼だろう!!!
女子もいるので、その声を面に出すことはなかった。
むしろ、女子と来るときにはこのようなハイカラな店に来るのが
いいということを学べたと思っている。
イタリアンと言ってもスパゲッティの店なので
たいして対応には困らないはずだ、俺がいつも家で食べているしな。
「ナポリタンで!」
店員に頼むのだが、蔑むような視線を俺に向けてきて、
「申し訳ございません。当店ではナポリタンは扱っておりません。」
「マジですか!?あんなに美味しいのに・・・。」
「申し訳ございません。ただ、ナポリタンは日本発祥でございます。
そのためイタリア料理店では他店でも取り扱いはないと思います。」
何とそうなのか!!
し、知らなかった・・・・
また一つ俺は賢くなったのだな・・・
これで矢田さんと一緒に来た時に恥をかくことはないだろう。
食事を終えた後で珈琲を出されたのだが、
「ニガ!!!こんな苦いコーヒーは飲めないぞ!!」
俺の反応をみるように席の傍に立っていた店員に、
「イタリアのカッフェにございますが、
少々苦くなっておりますので。」
そう俺に告げて立ち去っていたのであった。
まるで、俺が苦いと叫ぶのを予見したような行動である。
・・・あいつ・・・できるな・・・
一流の店には店員もなかなか出来る店員を配置しているのだなと
納得して、俺は何とかカッフェなるものを飲み干していくのであった。
食事を終えて、店から出るとマンションとマンションの間で
小学生2人が高校生4人に囲まれている光景が目に飛び込んでくるのであった!!
「あれ・・・タカられてるんじゃない?」
島田が俺にそう告げる。
「な・・・何って事だ!!」
俺はすぐに小学生たちのもとへと向かおうとするのだが、
「ちょ、ちょっと!相手高校生だよ!?」
そんな慌て声をだす島田に、
「それがどうした?」
「それがどうしたって!?ありえないでしょう!高校生なんかに勝てないでしょう!
ちょっと考えたらわかるじゃん!」
「だからと言って小学生たちを見捨てていいことにはならないぞ。」
「じゃあ、そこら辺の大人に助けを求めればいいじゃん!」
「それは島田、お前に任せる。
俺は今すぐに行かないとあの子達が怪我をするかもしれないんだ!
それを見捨てる男じゃない!!」
そういって、俺は一気に駆け出して、彼らの元へと向かうのであった。
その後ろで島田は警察に電話をしてくれているようだった・・・
俺がまずそこに着いたと同時に、高校生の視線を俺に集めるために・・・
「愛と・・・
正義の・・・
学生服美男子戦士!!!
セーラームーン!!!
月に代わってお仕置きよ!」
見事にアニメのポーズをバッチリ決める。
「なんだてめえ?」
そういって、俺に近づくよりも早く俺は一歩前へと動き出すのであった。
まずはワンパンチを加えて・・・
た、倒れない!?
「いってえーな!!」
そういって、逆に殴られるのであった。
「ぐはぁ!!!」
思わず口から痛みの声が漏れる。
こいつらなかなかケンカ慣れしてるじゃないか・・・
「き、貴様!やるな!!」
素直に相手のいいところは褒めるが。
だからと言って俺が負けていい理由は・・・ない!!!
「だが!!これで終わると思うなよ!!」
そう言いながら、俺はその場でくるくると回って、
「ムーン・・・
プリズムパワー!!
メイクアップ!!!」
そう!
俺には必殺の武器があるのだ!!
俺は回転しながらカバンに入っている折りたたみ傘を取り出す。
更にはカバンを1人の男に投げつけて、
俺への視線を切った瞬間に・・・
「これが俺の本気だ!!!」
そして、みぞおち付近に突きを繰り出すのであった。
一瞬のことで何もできない相手は無造作に俺の突きを食らい、
1人がそのまま地面に倒れ込んだのであった。
決まった!!!
「どうだ!俺のムーン・ティアラ・アクションは!!」
決めポーズをとっていると、なぜか島田が俺の傍にまで来ていて、
「いやいや!ただ腹に突きを入れただけだし!!」
「な!?俺の超人的な動きが見えたのか!!」
「普通に見えてるわよ。」
「なるほど・・・だが1点違うぞ!」
「何が?」
「俺の突きによって、風が起きて、その風が当たって倒れ込んだんだ!!」
「・・・あんた頭大丈夫?」
呆れたような顔をする島田に俺は、更に説明をしようとしたのだが、
それよりも先に動き出そうとした高校生がいたので、
「空手マンよ。剣道三倍段って言葉しっているか?」
そう言いながら俺は火の構えをする。
俺が最も得意とする剣道の上段の構えだ。
俺はこれで一回戦敗退のうちの部内でも有数の実力者であるのだ!!!
「てめぇ~。」
空手マンは構えてはいるもののなかなか攻めてくることができないようで、
その場でじりじりしていると、
パトーカーが道路から急にこっちに向かって現れて、
「そこの高校生、動くな!!」
スピーカーで叫ぶのであった。
その声を聞いた瞬間高校生たちは逃げ出すのだが、
残念ながら一人が地べたを這いずっていたためその一人はあえなく御用となった。
他の3人は見事に逃げったようだが・・・
「まあ、これなら他の3人のも捕まるんじゃない?」
島田の言葉に、俺もうなづきながら、
「悪が栄えたためしなし!」
う~ん、決まったな・・・
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




