柳田くん ~5~
柳田君の話です!
「柳田、お前、貢いでるのか?」
次の日に登校した時に柊にあった時に開口一番に言われた。
「・・・何が?」
「昨日、時計店から出るところを見たんだけど。」
どうやら俺が鈴木と一緒にいる処をみられていたようだ。
「別に貢いだりしてないよ。誕生日のプレゼントだよ。」
「そうか・・・。ただ、あまり評判が良くないぞお前。」
「どういうこと?」
「高校生と付き合っているみたいだけど、
色んなものを買っているって聞いたけど。」
「・・・別に俺にとっては普通のことだよ。それにケチをつけるのは止めてもらえるか。」
「ケチをつけるつもりはないけど。」
「じゃあ、余計なことは言わないでくれ。柊、お前、高校生と付き合ったことあるのか?」
「いや、ないけど。」
「なら、わかんないよ。少なくともお前より俺は経験者なんだ。
だから、大人の恋愛ってのがどんなものか知らないお前に
忠告されるのはおかしなことだよ。」
「・・・・。」
「分かったら、気をつけてくれ。」
「伊達とかは知ってるのか?」
「ああ、知ってるよ。まあ、お前と一緒でいらない心配をしてきたけどね。」
そう、伊達ちゃんも俺に高校生と付き合うのはいいけど、
貢いだりするのはやめとけと言ってきた。
・・・俺から言わせれば自分達も俺にこびへつらってきていたくせに
何を言ってるんだと思ってしまうのだが・・・
少し周りから忠告をしてくる連中もいたが、
順調に付き合っている俺にとっては売るさい限りである。
それに俺は健全な交際をしているだけなのだし。
ある時、
「俺の家に来るか?」
そう言ったことがあるのだが、
「・・・私、軽くないから。」
バッサリと断られた。
今まで一度も断られたことがなかったので、この発言には驚いていた。
その後もしばらく誘ったりしたが全く靡くことはなかったのだが、
「今度遊びに来ていいよ。」
何と鈴木の家に遊びに来いと言われたのであった。
ついに俺と・・・そう思うといてもたってもいられずに
部活を休んで俺は鈴木と待ち合わせをして一緒に鈴木の家に行く。
ただ、その前に近所で有名なカラオケボックスへと行くことになったのだが・・・
「楽しい時間はここまでだ。」
俺がカラオケボックスに入るとそこには見知らぬ男女数人いた。
「鈴木さん、どういうこと?」
俺は一緒にきた鈴木に声をかけると、
「どういうことってこういうことだよ。」
そう言って、鈴木は俺から離れていった。
そしてスマホを取り出して、動画を撮影しだしたのであった。
「ここいるのは柳田被害者の会です。」
嬉しそうに、俺に伝えてきた女の顔に俺は見覚えがあってひるんでしまう。
そこで俺は気づいた俺を取り囲んでいる連中を俺は全員知っているのであった!!
「どうやら思い出したみたいね。」
鈴木が真顔で俺に言ってくる。
その視線は恐ろしいほど冷たいモノであった。
「・・・す、すずき?」
「ああ、私の名前じゃないわよ。スズキは偽名。
だけど、覚えてない?あなたがしたことを?鈴木という女性に対してさ。」
そこまで言われるとあることを思い出す。
俺は確かに鈴木という女性を知っていたのであった。
「私の友達だよ。」
そう偽物が俺に教えてくれるのであった。
間違いない!
ここいいる連中は俺を恨んでるんだ!!
「どう・・・裏切られた気分は?」
「・・・。」
「柳田・・・あんたが鈴木ちゃんにしたことを思い出した?」
そう言って冷たい視線を俺に向けてくる偽物。
周りの人間も俺に冷たい視線をぶつけてくるのであった。
そんな時だった。
「ここか!柳田!!」
開いたドアから袴をきた伊達ちゃんが現れたのであった。
「伊達ちゃん!!」
思わず声が上ずってしまうのだが、どうやら俺はこの窮地を乗り越えれる予感がした。
「助けにきたぞ!!お前たちどけ!!」
そういって、竹刀で手前の男子の小手を狙い、道を切り開く。
「どうして邪魔するの!!」
「そいつが何をしたのか知ってるのか!!」
その声に伊達ちゃんは、
「友達を救うだけだ!」
その声すべてを一蹴するのであった。
その後すぐに警察官も現れて、カラオケボックスが騒然としたのであった。
その頃には柊も来ており、どうやら柊が警察に電話をしてくれたらしい。
警察署に連れられて行き、事情聴取を終えた時、
入り口では伊達ちゃんが待っていた。
「何で助けにきた?」
「友達を助けるのに理由何っているのか?」
あいも変わらずウザいくらいの男である。
「助けてとは言ってないのに・・・。」
「どれだけ言われようと俺は何度でも助けに行くぞ!」
本当にウザい・・・だけど、本当にいい奴だ。
俺は高校、大学、社会人を経てからいくつもの問題を起こしてしまうのだが、
そのたびに伊達ちゃんだけはいつも傍にいてくれた。
そして、俺の傍にいるだけで被害を受けてしまうことも多々あったのに
それでも当然のように傍にいたのは伊達ちゃんだった。
これからもまた迷惑をかけてしまうかもしれないけど、
いつまでも一緒にいてくれたら嬉しいな・・・
宜しくお願いします伊達ちゃん
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




