柳田くん ~2~
柳田くんの話です!
中間試験が終わり、テスト結果が廊下に貼りだされた。
「柳田君!あそこに名前があったよ~。」
女子から言われて、俺は女子達と一緒に俺の名前が書かれたところへといき、
自分の名前を確認する。
「33位か・・・。」
240人中での33位は、まあいい方だなと思う。
実際に、周りにいる女子達からも
「頭がいいね!」
「今度勉強教えてよ~。」
そう言われて、俺の腕を掴んでくるのであった。
そんな時だった・・・
「ひーいーらーぎーーー!!!」
大声を出して、成績結果を見てその場で崩れ落ちる伊達ちゃんがいた。
どうやら伊達ちゃんのライバルである柊にまた負けたのであろう。
周りのみんなが引いて伊達ちゃんを見ているのだが、
急に立ち上がって、辺りを見回し、突然柊がいるであろう教室へと走り出したのであった。
「な、なにあれ・・・。」
「伊達君って本当に変わってるよね・・・・。」
周りの女子達がそんなことを言いだした。
まあ確かに変わってるしな・・・。
1年生ながら剣道部のエースとして活躍しており、
更にはテストの結果も俺よりも上位にいる。
見た目だって、俺には数段劣るけど、それでも中の上から上の下くらいの容姿だ。
それで人気がないとは思えないのだけど・・・
「まあ、あんな変人だと無理か・・・。」
「なにが~?」
猫撫で声で俺のつぶやきに反応する女子に、
「伊達がモテるようにはなるのはってこと。」
「そうだね~。だって、柳田君みたいに可愛くないしね。」
当然の結論がでたので、俺は女子達と共に教室へと戻っていくのだが・・・
「柊!なぜここで本など読んでいるんだ!!!」
「・・・読みたいから。」
「馬鹿な!!今日はテスト結果が貼りだされる日だぞ!!!
テスト結果を見に行かないのか!!!」
「別に、気にならないし。」
「な、何と!!!」
「間違えたところはしっかり復習したし、後は別にいいんじゃない。」
「・・・ぐはぁ!?
俺のライバルは・・・・何って男なんだ!!!」
「ライバルじゃねえだろう・・・。」
「いいや!お前が何と言おうと俺とお前はライバルだ!!!
そのライバルの順位も気にならないと言うのか??」
「ならない。」
「むむむ!!俺をライバルとも見てないということか!!!
・・・いや、ライバルは自分だけとか言う格好いいことを考えてるのか!!!
さすがだ我がライバル!!それでこそ我がライバルだ!!
だが、忘れるなよ!お前には永遠のライバルのこの俺、伊達がいることを!!」
そして伊達ちゃんの笑い声が廊下にいる俺達にまで響いたのであった。
「ホント、伊達って痛いよね。」
「うん、伊達君ってホントに変な人だよ・・・。」
そんな女子達の声を聞きながら俺は自分の教室へと戻るのであった。
まあ、それでも利用できることもあるんだから
使い分けをしっかりすればいいだけだ・・・
「柳田、お前ってやっぱり藤森と付き合ってるの?」
そんなことを俺に聞いてきたのは、
俺と同じようにモテる今田のイソギンチャクの男子だった。
今田は柔道部で、運動はそこそこできるものの頭は馬鹿。
ただ、ちょっと不良をしているためか女子達にそこそこの人気がある。
「そうだと言ったら?」
「お前、今田君が狙ってるんだからな。藤森は!」
そういって、すごんでは来るものの
俺にそこまで突っかかってくることはできない・・・
「伊達・・・。」
そう呟くだけで、相手は舌打ちをしながら俺のもとから去っていくのであった。
本当に使えるあのバカ。
俺の傍には伊達がいるということは学年でも周知の事実であり、
たまにそれを知らない馬鹿とか、怒り心頭の馬鹿が絡んでくるだけだ。
常に俺の周りには俺を慕う女子達がいるのだが、
飽きもやってくる。
だから、新しいモノが欲しいかと思って俺は学年で一番と評判の藤森に目をつけた。
まあ、彼女ならしばらくは楽しませてもらえるだろう・・・
「今日はみんなでご飯でも行こうか?」
テスト期間で授業が半日であるため俺が一言いつものメンバーに声をかけると、
「いこう!!」
「たのしみ~!今日は何を食べさせてくれるのかな~。」
そういって、俺に腕を絡ませてくる女子達。
そんな中で、俺は隣のクラスに行く。
ここには伊達ちゃんもいるし、更にはもう一人ターゲットがいた。
ターゲットが教室内にいることを確認して、
「伊達ちゃん、ご飯食べに行かない?」
「いいぞ!今日はちょうどお母ちゃんが不在で、
ご飯を自分で準備しなくてはいけなかったからな。」
ついでに誘った伊達ちゃんがついてくることが決定した。
さてと、では本命の・・・
「藤本も一緒にご飯どう?」
ここで俺が微笑む。これで一発だろう・・・
「え?え?・・・わ、私は・・・遠慮しておきます。」
そういって、断ってきたのであった。
「何様なの~。」
「せっかくの柳田ちゃんの誘いなんだよ~。」
取り巻き達が藤森に噛みつくように声を荒げるが、
「残念ながら!先約があるのよ!!」
そういって、藤森といつも一緒にいる子が
藤森と俺達の間に立ちふさがって、藤森と共に帰っていくのであった。
まあ、ここまでは仕方がないと思えるのだが・・・
「さっきの人知り合い?」
「ううん、知らない。」
「だけど、呼び捨てされてなかった?」
「うん・・・どこかで話たことがあったかもしれないと思ったんだけど、
思い当たる節がなくて・・・・。」
そんなセリフを吐いて去っていったのであった。
何で俺のことを知らないんだよ!!!
頭に血が上るのだけど、取り巻き達が
「あんなブスのことなんって気にしなくていいよー。」
「そうそう、あいつって根暗だからね。
ちょっと顔はいいけど、頭が悪いからね。」
俺を落ち着かせてくれるので、徐々に冷静になっていく。
まあ、根暗な女子なら仕方がないか。
二次元好きなのかもしれないしね。
ただ、この屈辱は忘れない
だから、必ず俺のモノにしてやるよ。
そう思いながら学校を出ていきつけのイタリアンに行く。
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




