曽田くん ~3~
曽田君の話です!
俺はある決意をして、柊に相談する。
「俺の名誉を挽回したい!!」
「自分で名誉を捨てた奴がいうセリフじゃないな。」
鋭い切り返しをしてきた柊は、また本を読みだすのであった。
だから、
「頼むよ~!お前の力が必要なんだよ!!」
俺は懇願しながら柊の足にしがみつくのであった。
ウルウル目をして柊を見上げるのだが・・・
「・・・上目遣いをしても男は気持ち悪いだけだぞ。」
そういって、簡単に一蹴するのであった。
そんなやり取りをしばらく続けていくと・・・
「・・・で、何かやるつもりなのか?」
どうやら柊も陥落したようだ!
これはチャンスだ!!!
「俺、実は・・・
漫才をやりたいんだ!!」
「却下。」
即断即決の柊ステキ!!
じゃなかった。
「ちょっとまて、俺の話の続きを聞いてくれ。」
「・・・なに?」
「この混沌とした時代に、救世主が必要なんだよ!!」
「・・・スケールがでかくないか?」
「その救世主に・・・俺はなる!」
「・・・何かワンピースからパクったセリフぽいけど・・・。」
「俺は覗き魔のレッテルを貼られてから、
俺を慕ってくれてる子供達が泣くんだよ!!」
「自業自得だな。」
「だけどな、その子供達が俺に助けてって言うんだ・・・」
「・・・何を?」
「子供に 泣いて助けてって言われたら!!
もう背中向けられないじゃない!!」
「・・・それはどこからパクった?」
「・・・ナミ。」
「お前のセリフ元ネタ全部ワンピースじゃねえかよ!!」
「だって、名台詞なんだよ!
それを俺は声を大にして言いたいんだ!!!」
こんな会話を柊としていると周りのクラスメイト達が大笑いするのであった。
そして、俺はこの会話を元にして文化祭の舞台で
柊と共に漫才をやったのであった。
文化祭は、うちのクラスは朗読劇をし、
漫才は学校の中庭で行われるフリーの出し物で
俺達はやってのけたのである!!
数百人のいる中で・・・
5分間の漫才は・・・
まあ、受けた?程度であった・・・
何でそんなことになったのかは明白であった。
「曽田、お前何であんなに噛んでるんだよ?」
会ったみんなからそう言われるのであった。
結局、俺達の言葉で笑うより、
噛んでいることへの笑いが起きてしまったのであった・・・。
俺の初舞台はこうして散ってしまうのであった・・・。
「柊、来年も頑張ろうな!」
「・・・絶対イヤだ。」
ちょっと、柊に冷たく対応されてしまったのだが・・・。
うちの中学校では伝統文化を学ぶという行事で、
餅つき大会を学校で行っている。
これは各学年ごとに同じ月に行われるのだが、バラバラに行われている。
この餅つき大会はもち米の下準備から
生徒が主体となって行っていく。
前日の夕方
その日はクラスから参加できる者だけが集まってもち米を洗って、
一晩水に晒す工程をする。
俺はもちろんのこと、柊もそこにいたのだが、
「コメの研ぎ方分かる奴いるかぁ?」
村西先生がそう言ってみんなに尋ねるのだが、
なかなか出来る人間はいないのであろう。
誰も手をあげなかったのだが、
「わかります。」
何とそこで柊が手を挙げたのである!!
女子ではなく、男子の柊である!!
そして、もち米を必要量ボールに入れて、水を入れて米を研ぎだしたのであった。
「お前、何でも出来るな!」
村西先生が驚きながら感心している。
柊の手つきも慣れたもので、コメを研いでは水を捨てて、また水を入れは研いでいく。
皆も柊の動きを手本にしながら、ドンドン米を研ぎだしたのだが、
「柊君って何でも出来るんだね。」
そう俺に言ってきたのは、門真というクラスメイトの女子であった。
俺、この子と話したことはなかったはずなんだが・・・
「すごいよな。俺、家でコメ研ぎ何ってやったことないし。」
「私もよ。」
柊に見とれている門真を見ていると、
1人の女子が近づいてくるのを感じた。
その子のことを俺は良く知っている。
小学校の頃、別のクラスであったのだが、
彼女を見て、人目で好きになったからだ。
「門真ちゃん、終わった?」
そういって、竹林さんが門真に近づいてきたのであった。
ちょっと門真に話しかけられたときに
竹林さんと門真が仲がいいので期待したことであったが、
本当にこうなる何って!!!
「終わらない~、っていうか、こんなのやったことないし。」
そう言いながら研いだ米の水をドボドボと捨てていると、
竹林が慌てて門真に、
「門真ちゃん、水捨てる口の部分に手を当てて!
米がこぼれないようにして!!」
慌てて、門真に注意をするのであった。
その後は、門真に代わって水をすて、コメを研ぎ始めた竹林さん。
・・・いい奥さんになりそうだ・・・
どうやら竹林さんも日頃から料理の手伝いをしているようで
手慣れた感じでコメ研ぎを終えるのであった。
「すごーい!竹林ちゃん!」
「ホントすごいな~。」
門真の言葉に俺も同意する。
「これくらい誰でも出来るよ。」
そう言って、謙遜する竹林さんが可愛らしい。
ちょっと見とれていたのだが、
「そんなことよりも曽田君みたいに漫才をみんなの前で出来るのが凄いよー。」
「え?見てくれたの?」
「うん!門真ちゃんと一緒に見てたよ。」
ものすごーく照れてしまう。
ちょっとニヤニヤしてしまったところで、
「覗きのことも知ってるけどね。」
門真が意地悪な一言を俺に告げるのであった・・・
「ま、まあ、そんなこともあったね。」
そういって、何とか話題を終えようとする竹林さんに対して、
「私、覗かれたもん!それに竹林ちゃんもだよ!もっと根に持ってもいいよー!」
・・・門真、確かにおっしゃる通り正論です。
だけど、君達、きっちりと体操着を着て着替えてたから
何も見えなかったよね!!
・・・・ゴホン!
いや、たまたま目に入っただけだよ!
決して、竹林さんがいるから覗きに行ったわけではないからね・・・
その後も厳しい声をかけてくる門真に、
俺をかばってくれる竹林さん。
いい子だ・・・
俺の心の中ではその株がドンドン上がっていっていた。
そんな彼女ではあったのだが、
「古谷は許せないけどね!」
門真のいうことに、かばい立てすることなく、うなづく竹林さん。
どうやら、古谷は前にもウソをついたこともあったらしくて、
2人の中ではかなりの低評価らしい。
・・・詳しい内容を聞きたいが、藪蛇だったら嫌なので聞かないけど・・・
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




