水野さん ~7~
芸能活動をする水野さんのお話です!
尾行はかなりの距離をすることになった。
大学周辺から、電車に乗って、街の中心街にまで向かう。
柊さんがとある居酒屋に入って行くのを確認した。
「・・・ここか・・・。」
その光景を固唾を飲んでみてしまう。
この後の行動を考えていなかったからだ。
まあ、普通であれば、ここで張っていればいいだけかもしれないけど、
正直に言って、証拠としては弱い気がする。
ツーショットで出てくればいいけど、
出てこない可能性だってある!!
というか、タレントなら絶対に気を付けるべきことだ!
じゃあ、2人がいる個室?に行くのが正解なのだろうか?
・・・結構なリスクがあるな・・・
そう思うと二の足を踏んでしまっている。
どうしよう・・・
そのまま入り口が見える角度にあるコーヒーショップに入っていき、
居酒屋を見張るのだけど、そこであることに気づいた。
自分はここで小野が来るのを待っているけど、
すでに小野が中にいる可能性があることだ!!
いや、うかつだった!
自分の勝手な判断ですでに後から小野がやってくると推測していたけど
それだけではない可能性だってあるのだ!!
そこに気づいてやっと私は自分の気持ちを奮い立だして
居酒屋に入っていく覚悟を決めるのであった。
・・・そうしないと確認できない・・・
ここまで来て、たぶん中にいるのは分かっているのに
そのチャンスを逃すわけにはいかなかった。
ゆっくりとコーヒーショップを出てから、居酒屋へと向かう。
体には緊張が走る。
まずは入ってバレることはないのだろうか?
その不安が付きまとう。
居酒屋を調べてみるとそこそこ広そうな感じではあるのだけど、
それでも先ほどから見ているとほとんどの人が入っていかない。
私が見ている中では誰もお客さんが行ってないのではないだろうか?
まあ、平日というのもあるけど・・・
一抹の不安を覚えるのだけど、
それ以上に小野と柊さんを落とすネタが欲しいと思っている
だから、私は勇気を出して一歩進むのであった。
「いらっしゃいませ~!何名様ですか?」
明るい店員さんに聞かれるがままに
「1名です。」
「一名様入ります!!」
その店員さんの声掛けを聞きながら、私は席に案内されると・・・
「お、遅かったね。水野さん。」
「・・・え?」
「あれ?お1人じゃないんですか?」
店員さんがそんなことを聞いていると、
「あ、知り合い何ですよ。せっかくだしここにどうぞ。」
「そうですか!かしこまりました!じゃあ、どうぞこちらへ!」
そう言って店員さんが颯爽と私を柊さんの対面席に案内する。
私の体は緊張で固まっており、
思考も停止していたためその言葉に逆らうことなく従い、
私は無言でそのまま柊さんの対面席に座る。
ここから何を尋ねられたのかは分からないけど、
気がついたら、私の飲み物と食べ物がテーブルに並んでいた
そして・・・
「さて・・・乾杯しようか?」
「・・・。」
「乾杯したら、理由を聞くよ、なんで俺を尾行してたのかってね。」
その言葉に心臓を鷲掴みされたような気分になり、
恐怖でいっぱいになるのだけど、
何とかそうなっていることを悟られないように思いながら、
「・・・何のことでしょうか?」
「とりあえず乾杯!」
そういって、グラスを出してきたので、
私はグラスを持って柊さんと杯を交わす。
どうする?どうする?
心の中では不安が一段と高まってくる!
とりあえずは白を切るのがまずは先決だ!!
そう思っていたのだけど、
そんなことを許してくれる人ではなかった!
「で、なんで俺のことを調べてたの?」
「・・・なんのことですかね?」
私は何を言っているのかという顔をするのだけど、
その私について、全く私の言っていることを信じていない顔をする柊さん。
しばらくの沈黙がつづいたが、柊さんは口を開いて、
「まあ、小野のこともあるからね~、狙いはわかるけど・・・。」
そう言いながら、ご飯を突いている柊さん、
私に自白することを勧めてくるのだけど、
私は白を切ると決めているので知らないといいとおすと、
「そっか、じゃあ、まずは俺の後ろをついてきたのは何で?」
「・・・ついてきてませんけど・・・。」
「そっか・・・だけど、人を尾行する時には、
自分も尾行されているって考えた方がいいよ。」
「・・・え?」
私にかけてきた言葉の意味が分からないでいると
柊さんはそのままスマホを操っていたかと思うと、
私に画面を見せてきたのだけど・・・
「俺を尾行している水野さんの動画だけど?」
「え!?」
その映像を見て私は思わず目を見開いてしまう!!
私を後ろから動画撮った映像がそこに写し出されていたのであた・・・
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




