水野さん ~5~
芸能活動をする水野さんのお話です!
「これってどうなんですか?」
そこから数日後に来たチャンス!!
図書館で勉強している柊さんを見つけてて、
私はすぐに声をかけた。
天文部に入るという選択肢もあったけど、
仕事の都合上、天文部に入っても行くこともできないので
入部することはなかった、
こうなると校内で出会うしかないのだが、
そのチャンスもなかなかなくて、数日が過ぎていた時である。
図書館ではおしゃべりしているとすぐに司書が来て、
注意されてしまうし、それが3回ほど続くようなら
図書館を追い出されてしまうのである。
だから、みんな声を発することもないのだけど・・・
柊さんを見つけたのなら、怒られてもかまわない!!
その決意がすぐに固まって柊さんへと声をかける。
すると柊さんは私に気づいて、
すぐに図書館の外の談話スペースに一緒に来てくれた。
声をかけたもののこれと言って、話をする内容もないため
柊さんに新歓コンパで教わった授業についての相談をするフリをする。
懇切丁寧に教えてくれる柊さんなのだが、
それ以上のことに話は膨らむ気配がない・・・
このままだと・・・ここを教えてもらったら終わりになるのでは?
そんな一抹の不安が頭をよぎる。
何とか何か話の話題になることはないのかと必死に考えるのだけど・・・
思いつくものもない。
そして、案の定・・・
「じゃあ、がんばってね。」
そういって、図書館に戻って行く柊さん・・・
・・・な・・・
なんなのあいつ!!!
芸能人である私に声をかけられて、
これっぽっちも反応しないあいつ!!
柊さんに立ち去られて、談話スペースで一人たたずんでいると、
「み、水野さんですよね?」
そう言って、おずおずと近づいてくる女の子がいた。
自分と同級生か、一つ上くらいの女の子は、
「そうですよ。」
私の返事に花が咲いたような笑みを浮かべる女の子。
・・・これが当然の反応よね・・・
そう思いながら、
「さ、サインもらっていいですか?あと写真も・・・。」
そういって、手帳を差し出してくる彼女に快くサインをして、
更には一緒の写真を撮る。
「頑張ってください!」
そう言って、笑みが絶やされることなく、
談話スペースから去っていく彼女。
これが普通の反応だろう・・・
そう思うのだけど・・・
あいつの反応はどうしてなんだろうか?
完全に私を理解していてない!
私は芸能人であり、あなたとは階層が違う人間だということを!!
そんな私から声をかけたのに・・・
そんな思いに駆られていたのだけど、
そんな思いも露知らずに彼はいつまでも対応を変えてくることはない。
3カ月ほど経過する間に、
やはり同じ大学ということもあって、
何度も会うことがあり、その都度話しかけたのだが・・・
「この近くに美味しい所ありますか?」
とか、
「今日も暑いですし、アイスコーヒーとか飲みたくないですか?」
などなどの糸を垂らしたというのに、
その意図に食いつくことは一向になかった。
「なんで・・・こんなに・・・。」
私の中ではフラストレーションがどんどんたまっていく。
だってそうでしょう?
私が街を歩けば声をかけてくる人がいっぱいいる!!
どこにいてもだ!!
サインを求められたり、写真を一緒に撮ったりもする!!
そんな私が何でこんなにアピールしているのに
それをスルーするかな?あいつは!!
・・・だけど、それが分かったのなら
私の目的は次の案に移行するだけだ!!
あいつもそして・・・
「今日も可愛いですね小野さんは!」
そういって、テレビに映っている小野を観ながら私はお腹の底から湧いてくる
どす黒いオーラで、頭に血が上っている。
・・・じゃあ・・・
こいつを落とすのに使わせてもらうか・・・
ちょくちょく会っていると話を聞いていいるのだ。
そのスキャンダルを使えば、この女を蹴落とすことが出来る!
その餌に柊さんを使えばいいのだ。
私は今までの目的であった、柊さんを落とすという発想から、
柊さんを利用するという目的へと代えたのであった。
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




