水野さん ~4~
芸能活動をする水野さんのお話です!
話はその後も盛り上がっていく・・・
いや、先輩としてはきっといい先輩なのはわかるけど・・・
それでもこれだけあからさまに言い寄られているのが分かったのなら、
その後の対応を考えてくれてもいいんじゃないかな?
周りにいる人達・・・藤本さんを除く・・・いや、もう一人菊池さんものぞく、
他の人達は、先ほどから、
「あれ・・・水野さんって・・・。」
「・・・狙ってるよな?」
「やっぱり・・・そう思うよな?」
そんな声がコソコソと話されているのが聞こえてくる。
・・・周りは気づいているというのに、
柊さんは全然そんな気配を微塵もだしていない。
・・・気づいているけど、気づいてないフリをしているだけだろうけどさ・・・
私が体を当てると、微妙に座り位置を変えて、
私の体に触れないような位置へと動く。
ある程度の距離は許してくれるけど、
それ以上の距離に関しては一定の距離をとろうとするのである。
・・・なかなか手ごわい相手かもしれないな・・・
そんなことを頭の中をかすめるのであった。
気がつけば1時間以上が経過しており、
この場で私は落とすことが難しいことを悟る。
だけど、それなら・・・
「柊さん!これからも教えて欲しいから・・・・。」
そこまで言いかけたところで、
「柊君!こっち!こっち!!」
何と柊さんは他の天文部の先輩に呼ばれてしまい、
「ちょっとごめんね。」
そう言い残して、その場から去って行ったのであった!!
・・・って、私の言葉を聞いてからでもよくない?
明らかに私が連絡先を聞こうとしたのを察していたでしょう!?
それなら、私の連絡先を交換してから
向こうに行けばいいのに!!
・・・うまく逃げられたな・・・
上手く逃げられたのはまるわかりである。
そんなことを思っていると、
「水野ちゃん、俺と連絡先を・・・・。」
「俺と連絡先を!!さっき約束したじゃないか!?」
そう言って、詰め寄ってくる菊池さんと藤本さん。
・・・こいつらの何かどうでもいいのに・・・
なぜ本命には逃げられて、こんなのに詰め寄られないとダメなのよ!!
軽薄な男達なんて、いらないでしょうに?
その後、柊さんが私のいる席に戻って来るかと思ったら、
まったく戻って来ることもなく、変わりにと言えば・・・
「水野さんって、どんな人と遊んでいるの?」
「サインもらっていいかな?」
「ねえねえ、今度飲みに行かない?」
先ほどの二人に加えて、更にめんどくさそうな人達が
私の周りを取り囲んでいるのであった・・・
結局新歓コンパが終わるまで、その包囲網を突破することはできず、
私はずっと愛想笑いを浮かべ続けるのであった。
ただ、最後に本当に最後になって柊さんと話す機会が
めぐってきたのだけど・・・
「お疲れさまでした。」
笑顔で私に挨拶をしてくれる柊さん。
今は、新歓コンパに参加した一回生を見送っているさなかであり、
周りに人もいるのも知っていたけど、
このチャンスを逃すわけにはいかない!!
「柊さん!」
「うん?」
何?という顔を浮かべる柊さんだけど、
ここにくれば私の用事なんて簡単に分かるだろうに・・・
ちょっとイラつきを覚えてしまうが、それでも
このチャンスを逃すわけにはいかないと思い、
「これからも相談することがあるので・・・
連絡先を教えてくれますか?」
その声に周りにいた人達が先に反応する!
それもそうだろう!
さきほどまで私が効かれても誰にも教えていないのに
ここにきて、逆に私の方が尋ねているのだから。
さぁ!!
教えてください!!
そんな私に対して、
「芸能人って連絡先を知られるのもまずいんでしょう?」
「・・・え?」
「小野がそんなことを言っていたからね。
気を付けないとダメだよ。」
そう言って話が終わる・・・
私は呆然としてしまうのだが、
「じゃあ、俺の連絡先だけでも受け取って!!」
そう言って、菊池さんが紙に書いて、私に紙を握らせてきた、
するとその行動を見ていた、他の人達も同じように紙を渡してくる。
・・・・柊さんのはないけど ・・・
・・・何なのこの人?
正直なそれが感想だ。
だって、芸能人と友達になれるってことだけで
みんな嬉しそうにするのに、どうしてこの人は
まったく平常心で、しかも・・・私に見向きもしないのよぉ!!!
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




