水野さん ~2~
芸能活動をする水野さんのお話です!
・・・小野さんって・・・あの小野か!?
私は藤本さんの声に思わず反応してしまう!
それもそうだ!!
小野と言われて、私が思い当たる節があるのは一人で、
今私よりも一歩・・・いや、少しだけ前を言っているタレントがいる・・・
思わず柊さんの方をみると、私と目があうと苦笑する柊さん。
否定しないってことはホントなの!?私はそのまま尋ねる、
「もしかして、小野さんって、あのテレビに出ている人ですか?」
「そうだよ!!あの小野さんがこいつと幼馴染なんだよ!!」
なぜか胸を張って、私は柊さんに尋ねたにも関わらず
返事をする藤本さん・・・
・・・あなたには聞いてないのだけど?
その後もなぜか雄弁に語りだす藤本さんをほっておいて、
私は柊さんんい詰め寄りながら、
「・・・どういうことなんですか?」
「いや・・・そんなものすごく詰め寄られても・・・。」
柊さんの言葉で思わずハッとなる!
気がつけば私は柊さんに思いっきり詰め寄っていたのである。
慌てて、自分の席にまで戻って、一息入れてから、
「どういうことですか?」
「いや、あいつの言う通りで、俺と小野は幼馴染なんだよ。」
「・・・仲がいいんですか?」
その質問に対して、なぜか嬉しそうに藤本さんが応える。
「仲が良いってものじゃないよ!!
結構な頻度で遊びにくるからね~!
だって、今は小野さんの方は東京にいるっていうのに
2カ月に一度?
それよりも頻度が多いかな?
結構来てるよな!!」
「・・・何でお前が知ってるんだよ。
だいたいお前があったのは一度だけじゃないか?」
「何を言ってるんだ!!
名探偵藤本だ!
お前の部屋に東京土産がある時は、間違いなく小野さんが
こっちに来ている証拠じゃないか!!」
「・・・変なところは察しがいいな・・・。
だけど、藤本、お前は探偵は探偵でも
“名”ではなく、“迷”の方がまさにぴったりと思うけどね。」
「何で迷子になる方が!?」
「あ、言葉だけなのに伝わるんだ・・・。」
「分かるわ!!俺を侮辱しようとしたことくらい・・・。」
「・・・その察する力を普段から発揮してもらいたいんだけどね・・・。
そうすればもっと人と上手に付き合えると思えるけど・・・。」
その後も何かを柊さんは藤本さんに伝えようとするのだけど、
そんなのはお構いなしで、
「で、次はいつくるんだ?」
「・・・お前には絶対に教えるつもりはない。」
そんな風にバッサリと切る柊さんに対して、
その柊さんの足元にしがみついてから、
「頼むよぉ~!!もう一度会いたいんだよ!!」
そんな風にこびへつらうのであった・・・
「・・・ええい!うっとおしい!!だいたい会ってどうするんだ?」
「連絡先を交換する!!」
「・・・絶対に教えない・・・。」
「いや、だから頼むからさぁ~!!」
それでも懇願する藤本さんを振り払って、
私の方へと向き直る柊さん。
「・・・まあ、そんなわけです。」
「・・・そうですか・・・。」
そう返事をしながら私の頭の中では、
もしかして・・・小野さんってこの柊さんを狙っているの?
そんな疑問が頭の中に湧いてくる。
だって、そうじゃない?
わざわざ東京からこの関西までくる?
それも一カ月とか二か月とかに一度?
・・・間違いなく、そこには恋心があるわよね・・・
・・・その小野が狙っている柊さんを私が落としたら?
どんな表情をするんだろうか・・・
体がゾクゾクと震えだす・・・
・・・面白い・・・
あの・・・小野に私が勝つっていうことだよね?
もし・・・万が一・・・いや、ないだろうけど、
ダメだった場合には、こいつと小野との写真でも
流してしまえば、小野が終わるのではないだろうか?
・・・そこに私が入る・・・
どっちに転んでも美味しいじゃない!!
そう思うと、こんな男でも落とす価値があるってことになるわよね!
猛烈に心の底から湧き上がってくるやる気を感じながら、
私は柊さんの方を振り向く。
先ほどまでの距離感からはうってかわって、
私と柊さんは肩が触れ合うほどの距離感に変わる。
というか、詰める!!
この柊さんを逃してなるものですか!!
ここで絶対に落として見せるわよ!!
「あ、柊さん、コップ開いてますけど、何か飲まれますか?」
「いいよ、今日は君ら一回生が主役なんだから
俺のことは気にしなくていいからね。」
「いいえ、そんなわけにはいきませんよ・・・。」
そういいながら、コップに飲み物を次ながら、
『私の踏み台になってもらうのですから』
そう心の中でつぶやきながら、コップを飲み物で満たすのであった。
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




