山口さん ~3~
巨乳のお姉さん山口さんのお話です。
「私は山口っていうの。」
「俺は・・・。」
そこまで言ったところで、私が遮るように、
「柊君でしょう。」
「・・・よく知ってるね。」
「君はめちゃめちゃ噂されてるからね~。
知らないのはもぐりみたいなものだよ。」
そのセリフに苦笑を浮かべる柊君に対して、
「あれ?信じてない?」
「いや、信じてないわけじゃないけどさ。
周りの人間からも言われるけど、全然その自覚がないから
思わずそう言われると笑ってしまうんだよ。」
「自分で自分のことがカッコイイとか思わない?」
「まったく。」
「・・・本気で?」
「本気だって。」
「・・・目が悪い?」
「・・・まあまあ失礼なことを言うねぇ~。」
「いや、自覚した方がいいと思うよ。
さっきみたいに助けたりしたら、間違いなく女の子は目がハートになるからね。
柊君みたいな人に助けられたらさ。」
「・・・別に俺じゃなくても、危険な時に助けられたら・・・。」
「そもそも、助けることをするかどうかも怪しいでしょう?
さっきのだって、周りにいたのはいつも一緒にいる男子達なのに
それでも私を助けるようなことはしなかったからね。」
「・・・まあ、先輩に対してだと一歩引いてしまうかもね。」
「柊君は引かなかったけど?」
「俺は・・・まあ、慣れもあるよ。
ああいう場面にどれだけ慣れてるかで、
一歩踏み出せるか踏み出せないかってあるけどね。」
「そう?勇気がある人はそんなの気にせずに一歩踏み出すと思うよ?
それが出来なかったあの人達に問題があるんだよ。
柊君、庇いたい気持ちはわかるけど、
明確にしていた方がいいことは明確にしないとだめでしょう。」
「・・・なかなか厳しいな・・・。」
柊君は苦笑するけど、
「私だって、このなりだからね。
色々と言われるし、このなりに寄ってくる虫がいっぱいいるから
それによって来る虫を区別する必要に迫られるのよ。」
「・・・確かにね・・・。で、俺は駆除される?」
そう言いながら、頼んでいたモノが届いたので、
からあげには「レモンをかけていい?」とか、
シーザーサラダには「混ぜていい?」とかを尋ねてくる。
それにこうやって面と向かって座っているのに対して、
私の目を見て話してくれる。
胸に視線がいかない・・・わけではないけど、
ほとんど自然にしか行っていないのだから、
柊君の紳士的な対応はよくわかる。
「柊君は駆除しないよ。
益虫には寄ってきてもらわないと困るからね。」
ニッコリと微笑むと、
「・・・捕らわれないように気を付けないとね。」
「へぇ~、私を見捨てたりするのかな?」
「しないけど・・・なかなか毒がありそうだからさ。」
「ふふふ、その分いい想いが出来るってことでいいんじゃない?
私だって、利用し続けるためにって考えてるわけじゃないし、
私だってギブアンドテイクって思ってるもの。」
「それはそれは、じゃあ、今度何かあった時には助けてもらわないとね。」
「ただ、助ける分だけお値段は張るけどね♪」
「・・・やっぱり辞退しときます。」
「うそうそ、今日は本当にありがとう。」
「どういたしまして、結局あの部活には入るの?」
「ううん、あんな部活には入らないかな~。
今日ので十二分に分かったからさ。」
「まあ、そうだろうね・・・。
じゃあ、他の部活に入る予定?」
「え?うん、今はテニスサークルに入ろうかと思ってるけど。」
「・・・は?・・・え?だってテニスサークルって・・・。」
「あれ?知ってるの?ヤリサーってこと?」
「知ってるよ。その言い方だと山口さんも知ってるんじゃないの?」
「山口でいいよ。さん付けはよそよそしいから止めてよね。」
「・・・むしろ“さん”づけして、距離を採りたいくらいだけど?」
「知ってる!だから、止めてよねって言ってるのよ。」
「・・・で、山口も知ってるんだろう?」
「もちろん。だけど、テニスサークルに入ると、
他校に行ってる同級生や高校の時の先輩とかに会えるからさ
せっかくなら入っておこうと思ってね。
それに先輩達は真面目にやっている一派にいるみたいだし。」
「・・・気をつけてとしか言いようがないけどね。」
「そうだね。まあ、割と私こう見えてガードは固いんだよ。」
「・・・そ、そう。」
「・・・完全に信じてないよね?」
「・・・。」
「よーし!とことん今日は話そうじゃない!」
そう言って、この日はひたすら柊君と話していたのであった、
これをきっかけに柊君とは仲良くなった。
めっちゃ紳士ってのがまたよかったからか、
その後もめっちゃ仲良くさせてもらっていたけどね。
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




