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柊君へ ~Another Story~  作者: Taさん
第一章
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深田くんと宮本さん ~2~

深田くんと宮本さんのほんわかストーリーです。

小学校5,6年生になっても宮本さんとは同じクラスにはなれなかったけど、

この時、俺の3組と宮本さんのいた1組はなぜか、よく一緒に体育をするようになっていた。


まずはドッチボールの試合をしたり、

バスケットボール大会に向けて、お互い練習をした。


バスケットボール大会の選手発表を体育の時間に行われて、

その時も1組と3組は一緒の時であって、


「深田!!」


そう呼ばれた時は思わず宮本さんの方を向いて、ガッツポーズを決めてしまった・・・


この時は本当に柊と同じクラスで、更に友達で良かったと心底思った。

俺は正直言って、まあ、平均的な選手であったけど、

柊が一緒に組んで、同じチームにいたから、選出があったと思う。


柊がいるから、無理してドリブルやシュートを撃つ必要もなくて

柊にパスを渡せばいい。そしたら後は柊が何とかしてくれるというパターンだ。


「おめでとう深田君!」


宮本さんが笑顔で俺が選ばれたことを祝ってくれる。


「おう!だけど、残念だったね宮本さんは。・・・。」


「私は運動神経よくないから・・・。初めから選べれるとは思ってなかったよ。」


この頃になると、お互いの距離も近くなっているのを感じていた。

前みたいに戸惑いながら話をすることもなく、自然と話せる。

もちろん緊張はしているけど・・・



試合当日、試合会場に行く前に同級生からの送り出しがあったのだが、


「カッコいいよ深田君!頑張ってね。」


多くの人が俺達に声をかけてくれるのだが、

宮本さんのその一言は格別で、


「まかせといて!絶対に勝ってくるよ!!」


そう誓って、試合会場へと向かったのだ。


試合は、俺達が全勝して優勝という形で幕を閉じた。

それを次の日にみんなの前で報告するときは本当に胸を張って、みんなの声援に応えたが、

その視線は申し訳ないけど、俺は宮本さんに注がれていたのは間違いない。



小学校の卒業式では俺の両親が来て、一緒に写真を撮っていく。

その時にどうやら宮本さんの両親と共に一緒に来ていたためか、

俺と宮本さんも家族との写真はもちろんのこと、2人での写真も撮ることができたのだ!!


両親、グッジョブ!!


その後、卒業式に2人で参加する。


うちの小学校では、それぞれのクラスで一人一言ずつ言葉を発していく送る言葉があり、

各クラスとも色々な言葉を用意していた。更に、その贈る言葉に合わせて、卒業生が

生のピアノ演奏をしていくのだが、俺達のクラスの時には1組の宮本さんがピアノを弾くのである。


母親に絶対に俺のクラスの時にはビデオを撮っておいて!


と念押しをした。


俺たちのクラスの番になった時に、宮本さんが立ち上がって、ピアノへと向かう。

傍から見て分かるのだが、ものすごく緊張しているのだ・・・


ああ、代わってあげたい!!


俺が傍にいてあげたい!!


そんな思いに駆られるのだが、そんなことは出来るはずもない。


俺はジッと宮本さんが歩いている姿をみていたのだが、

ある瞬間、


“え!?宮本さん、こっちをみた!?微笑んだ!?”


気のせいかもしれないけど、宮本さんがこっちを見たように思えたのだ。

その後の足取りも軽くなったように思えるし・・・


宮本さんが弾くピアノを聞きながら、俺のクラスの送る言葉が始まった。

俺はしっかり言えた。

その後もみんな滞りなく進んでいき、宮本さんの伴奏が終わるのであった。



俺はこの卒業式の映像を本当に何度見たか分からないくらい再生した。

だけど、何度見ても宮本さんの可愛らしさに目を奪われてしまって、

自分の送る言葉や柊達友達の送る言葉の部分を聞き逃してしまったのだ・・・。



中学に入学してからは、俺はテニス部に、宮本さんは茶道部に入部した。

クラスも違って話す接点もなかったけど、それでも廊下ですれ違えば

少しだけ会話をしたり、挨拶をする。



文化祭で茶道部がお茶をふるまうとのことで、

俺はいの一番に参加したいと宮本さんに伝えた!


「そんなに深田君、抹茶好きなの?」


「好き好き!俺大好きなんだよ抹茶!!」


横に柊がいたのだが・・・



笑いが漏れてるぞ柊!!!


柊を肘でつつきながら、宮本さんに1枚の券を貰い、お代を払う。


「そんなに好きなら、今度抹茶のケーキを差し入れしようか?」


そんな提案をしてくれた宮本さんにすぐに返事をする。


「是非!!超楽しみだよ!!」


クスクスと宮本さんに笑われてしまうが、

美味しそうだな宮本さんの作った抹茶のケーキ何って・・・。

もう口元が締まらないくらいに笑みがこぼれていた。


「口元締めろよ、だらしがない。」


柊の冷淡なツッコミも今は全然許せるぞ!!



文化祭当日は、宮本さんは浴衣を着て、俺達にお茶をたててくれた。

すっと動く、宮本さんに見とれてしまい、

作法を教えてくれたはずなのに全く頭には入っていなかった。


俺の隣で先にお茶を飲んでいた柊の動作をみとけばよかった!!!


だけど、そうすると浴衣姿の宮本さんの動作を見逃してたし・・・



「右手で茶碗を正面にして。」


目の前に控えていた宮本さんが小声で俺に指示をしてくれたのだ!!


言われた通り、右手で茶碗を正面にする。


「「お手前、頂戴します。」って言ってから、茶碗を手にとって。」


「お手前、頂戴します。」


そう言って俺は茶碗を手に取り、


「茶碗を右手で、二回時計回りに回して。」


言われた通りに二回回す。


「3、4回に分けて抹茶を飲み干して、最後は音を立てて飲むの。」


言われた通りに3回に分けて飲み干した。


「飲み終わったら、飲み口を指で拭いて、拭いた指はそこにおいてある紙で拭いて。」


飲み口を拭きとり、その指を紙でふく。


「最後に茶碗を二回、今度は反時計回りに回してから、出された位置に戻して。」


言われた通りに二回反時計回りに回して元の位置に戻したのである。



「ちゃんと聞いてよ深田君!」


ちょっと困った口調で言う宮本さん。


「いや~、助かったよ!」


苦笑しながら、応える。


「本当にもう・・・。」


その口調も笑みを含んだものになった宮本さん。

どうやら怒ってはいないようだ。


「それにしても柊君、完璧に出来てたね。」


宮本さんが柊に話をふる。

俺は全然見てなかったけど、どうやら柊は完璧にこなしていたようだ。

だけど、こいつが茶道何ってやっていたとは聞いていないけどな・・・


「私の仕込みは完璧よ!!」


そう言って、宮本さんの隣に竹中さんが現れたのだ。

驚いた顔をすると、どうやらそれに満足したような笑みを浮かべる竹中さん。


「ええっと、竹中さんは実は茶道部の部員なの。

 それとは別に茶道を習ってて、うちの茶道部は竹中さんが教えてるんだよ。」


説明をしてくれる宮本さんに、思わず驚いてしまう。


「まじで?・・・こいつが?」


そう呟いた瞬間に、俺はしまった!!と思うのだが、すでに時遅し!

横にいた柊はすでに横を向いて、こっちを見ない!!


ドン!!


見事なくらいに腰の入った良いパンチを俺は受けることになったのだ・・・


慌てている宮本さんに、笑っている柊、更に追撃をしようとする竹中さん。

俺の茶道部体験はこうして終えることになったのだった・・・



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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