青木さん ~4~
元ヤンキーの大学事務員青木さんのお話です!
「そっちはなかなか大変みたいね?」
そんな私の言葉に苦笑しながら、
「まあ・・・別にいいんですけどね。」
そんな回答をする柊君。
「取り巻きさん達はいないの?」
「ええ、皆さん今日の教習は終わったようで。
僕は昼一からもあるから、とりあえず昼ご飯を買いに行こうかと思ってたんです。
ってか、取り巻きさん達って・・・。」
そう言いながら疲れた顔をする柊君をみて、どうやら彼はうんざりしているようで
ちょっとだけ私の中で好感度が上がった。
喜んでやっているわけではないんだな・・・
「あれは完全に取り巻きさんでしょう?
・・・まあ、どうやら柊君は渋々って感なのかもしれないけどね。
そう言えば、まだ受けるの?」
「ええ、受けれるうちにいっぱいれておこうと思って。
平日は大学に行っているから、なかなか時間って取れないんですよね。」
やっぱり・・・
この子って、大学生か!!!
「つかぬことを聞くけど・・・今何歳?」
「僕ですか?19歳です。この間なったばっかりですよ。」
「・・・一回生?」
「はい、そうです。」
「・・・。」
想定通りの年齢であり、あとちょっとで29歳になる私とは、
10歳違うということか・・・
・・・
ないな・・・
柊君の年を聞いて、一緒になったとしても
10歳の年の差を周りに紹介すると・・・
ダメだ・・・
良いイメージがまったく浮かばないや・・・
「・・・どうしたんですか?」
「え!?いや、ちょっと考え事をしてただけよ!!」
そんなバカなことを考えていたため、
急に話しかけられたことに思わずアタフタしてしまう。
「何をぼぉ~としてるんですか?」
「うん、いやいや、ちょっと思い出してさ・・・、あ!ご飯でも食べに行く?
せっかくだし車に乗りたくない?」
慌てて話題を切り替えようと提案すると、目を輝かせる柊君!
「いいんですか!?」
「いいよ、それくらい。何か食べたいモノある?」
「いや、何でもいいですよ。」
そんな回答が一番困るのだが・・・
だけど、今まさに食べ盛りの男子にとってはガッツリ系だろうということで、
教習所の近くにあるとんこつラーメンの店へと行く。
「ラーメン食べれる?」
「食べれますよ。」
「じゃあ、行こうか。」
そう言って、車に案内すると目を輝かせる柊君!
うぅ~ん、可愛らしいね。
正直言って、彼がモテる理由も分かるし、
見た目だけならタイプの範囲だけど・・・
ホント、年齢がね・・・
車に乗ってからもキョロキョロしている柊君に思わず笑ってしまう。
何を見ても嬉しそうにしてくれる。
だいたいの男を乗せた時には、恐る恐るといった感じになり、
そもそも車に対して拒否感を出してくるのに対して、
柊君はまったく拒否感をだしてこないのである。
こういう風に車のことを理解してくれる子が良いんだよね~・・・
私の中では柊君に好印象を持った。
その後の近くにある豚骨ラーメン屋につくまで、
めちゃめちゃ車についての話でいつも以上に盛り上がる!
楽しいな・・・
それが正直な感想であり、たぶん柊君が19歳でなければ、
もっと私の気持ちはワクワクしていたのだろうけど、
年齢と聞いて、そのワクワク感が湧いてこないのなら
きっと恋心は芽生えてないんだろうな~と思う。
「ここの麺は好きな硬さが選べるんだよ。」
私がここに連れてきた理由は量もさることながら、
ラーメン屋としては珍しく、硬さの指定が出来ることである!
どうだ!柊君!驚いたんじゃないか!?
そう思って、柊君をみるのだが・・・
「じゃあ、僕は硬めでお願いします。」
・・・普通に注文してる・・・
何か拍子抜けなんですけど・・・
「硬さはハリガネとか、粉落としとかもあるんだよ?」
「いいえ、そんなに硬くなくても柔らかくなる前に食べきる自信がありますので。」
・・・ハリガネってなんですか?って聞いてこないんだけど・・・
それもちょっと予想外なのだが・・・
付け合わせに明太子ご飯と餃子を頼むけど、
明太子ご飯も珍しいと思うけど、普通だし・・・
何でだろう?
そんな私の心を見透かしたように柊君は、
「僕・・・
九州人なのでご期待には応えられないと思いますよ。」
そう言いながら笑う柊君!!
「九州の人のなの!?それでか・・・。」
納得するけどさ・・・もっと期待通りの言動してよね!!!ちぇ!
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




