青木さん ~2~
元ヤンキーの大学事務員青木さんのお話です!
申し込みを済ませて、いよいよ教習を受ける日!
「はぁ~、億劫だ・・・。」
友達からは、
「気合入れて化粧をしていきなよ!!」
なんて笑いながら言われるし、
そんな友達がうちの母にも出会いを求めてということを伝えているせいか、
「スカート履いていきなさいよ!!
もっと可愛らしくて女の子の格好をして!!」
朝から私の格好にダメ出しをしてくるのだが、
「今から、バイクに乗るんだって!
それなのにスカート何か履けないでしょう?
教習所からもズボンにスニーカーの格好にしてくださいって言われてるの!」
「何よ!それでも可愛らしくしていきなさいよ!!
じゃないと、一生彼氏なんて出来ないわよ!!」
「もう!私の話聞いてた!!ってか、時間もないし、行ってくるから!!」
「ちょっと待ちなさいよ!!まだ・・・。」
そんな大声の母を尻目に私は家を出るのであった。
そして、家の駐車場にある車の元へと向かった。
この車を私が運転しているのを本当に母は快く思ってないよね~。
“こんな車は、女の子に相応しくない!!”
毎回オウムのように私に言ってくる母!
まあ・・・友達も引くけどね・・・
そう思いながら、私は自分の車に乗り込む。
そう!
インプレッサSTI WRX!!
弄りに弄っているこの車に乗って、私は教習所に向かう!
乗っていてもそのエンジンからの振動が体に伝わってきて、
心地よい・・・
子供の頃に父に連れられて、北海道のラリーを観に行ってから、
私はすぐに心を奪われた!
あんな砂利道を飛びながら車がものすごいスピードで走ってくる!!
特にスバルの青い車に私は目を奪われたのだ・・・
あれから、十数年経過して、社会人になってすぐに買った車が
今のインプレッサSTIだ。
買ってすぐに色んなところへと走り回ったりしたけど、
本当に楽しい!!
どこまでも進んでいけるし、どんな坂でも全然気にもせずに上っていく車!!
こんなに車の運転が楽しいモノなんて知らなかったわ・・・
ただ、ラリーを走らしている人達に比べて、
明らかに技量という点では劣るので、いつかはラリーを!と掲げている。
今日も心地よいエンジン音と振動を感じながら教習所へと向かった。
教習所には、入り口付近に駐車場があり、そこに止めて、
車を出た時である、
「おおぉ!インプレッサSTIじゃん!」
通りかかった男の子が私の車を見て、嬉しそうに車を眺めて来たのである!!
色んな角度から眺めていた男の子だったのだが、
ふとした瞬間に運転席にいた私と目が合って、
慌てて頭を下げてくる男の子。
どうやら私が車の中にいるのを知らずに眺めていたようだ。
私が車から出ると、
「すいません、勝手に眺めてしまって。
いやぁ~、すきな車が目の前にあって・・・。」
そういって、私に話かけて来たのである。
まあ、車を褒めてくれる相手に悪い気はしないし、
何よりもこちらに挨拶をした時点では笑顔を向けていたのだが、
今はなしている段階で、車の方を見ており、
私に対してナンパをというわけではなく、
純粋にインプレッサSTIが好きだということが分かるので好感を持てていた。
まあ、まだ20分ほど教習までに時間があるから
もうちょっとだけこの男の子に付き合ってあげるかと思いながら、
話をすると弾む弾む!
自分でいうのもなんだけど、私は愛想がないし、
私に慣れている友達以外には、怖いという印象を与えてしまう。
そんな私にも一歩も引かずに嬉しそうに話してくれる男の子。
そんなのだから、
「ちょっとだけ運転席に乗ってみる?」
「いいんですか!?」
満面の笑みで私の方を向いてきた!!
ああ・・・本当に車が好きなんだな・・・
そう思いながら鍵を開けてあげて、進めると恐る恐る車に乗っていく。
「・・・すごい・・・。」
ハンドルに手をかけて嬉しそうにしている彼を見ていると
同士を見ているようで、こちらまで楽しい気分にしてくれるのだ。
「乗らせてあげてもいいんだけど、私今から教習があるからね。」
「そうなんですか?車持ってるんですよね?
ああ、もしかして大型とかをとるんですか?」」
そう言いながら男の子が運転席から出てくる。
「ううん違う。二輪の免許を取りに来たのよ。」
「そうなんですか!?僕もですよ!!」
「ええ!?」
そんな偶然ってあるの!?
「車の免許も合わせて取ってるんです。
今日は二輪の方で教習受けに来たんですよ。」
「へぇ~。」
「一緒に行きましょうか」
そう言って、男の子に案内してもらって、教習を受ける手続きをして、
二輪の待合室へと向かう。
そこには男子はもちろんのこと、意外と女子が多いのに驚く!
半々とはいかないけど、6:4の割合くらいで
女子がいるのである!
「・・・女子ってこんなにいるの?」
「こんなもんですよ。だいたい。」
そう言ってくる彼に対して、彼が待合室に入った姿を確認した中にいた女の子が、
「柊君~♪」
そう言って猫なで声で近づいてくるのであた。
・・・ちょっとこちらを睨みつけながら・・・
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




