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柊君へ ~Another Story~  作者: Taさん
第一章
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深田くんと宮本さん ~1~

深田くんと宮本さんのほんわかストーリーです。

俺が引っ越した先の同じマンションには同級生の女の子がいた。


小学校3年生の時に俺は神奈川からこのマンションへと引っ越してきた。


母に連れられて、各家への挨拶をしていると

その子はお母さんの影に隠れてひょっこりと顔をだしてきた。


色白で、小さくて、可愛らしい女の子だ!


俺はチラチラとその女の子を見ながらも

精一杯そのお母さんへと挨拶をする。


“彼女の名前は宮本で同じ年で、同じ学校・・・”


お母さんたちの会話から聞き取る。


そんな彼女はピアノを習いるらしいのだが、

俺からみた彼女にはまさにピッタリだと思う。


何だか恥ずかしくなってしまうので、チラチラとしか見れないが

本当に可愛いくて、人目で俺は好きになっていた。



小学校に行って、初めて入ったクラスには宮本さんはいなかったけど、

その代わりというか・・・かなり個性の強い連中がいた。

だけど、そんな個性よりもまず驚いたのは、


方言がひどいのだ!!


早口でまくし立てるように話してくれるのだが、

正直言って方言が多すぎてイマイチ理解できなかった。

なのに!!!


こっちの連中は標準語を話してると思っているのだ!!


こっちに来て、すぐに仲良くなった柊なんって、


「標準語だろう!?」


と言うが、テレビを観てて自分と同じ話し方をしているのか確認してほしかったくらいだ。


まず俺はこの方言の壁を乗り越えねばならなかったのだけど、

ここで俺は宮本さんと仲良くなっていくきっかけが生まれていく。



マンションの入り口のエレベーターを待っていると、


「あ・・・。」


声がきこえて振り返ると宮本さんがいたのだ。


「あ・・・。」


お互いその言葉をつぶやいたまま無言になってしまう。


話しかければいいんだろうけど、気恥ずかしくて、

何を言っていいのか分からない。

結局そのままエレベーターが来るのを待って、

来たエレベーターに乗り込む。


「7階?」


「うん・・・。」


俺と同じ階に住むのに、他の階に行くこと何ってないだろう!!と思いつつも

何とか話しかけようと思って発した言葉が階数を聞くということだ。


何でそんな当たり前のことを聞いてるんだよ!!


と後悔しながらもチラチラと宮本さんを見ていた。


白のブラウスが本当に良く似合っていた・・・


そんな時だ。


「あ、あの・・・・。」


モジモジしながら俺を見てくる宮本さんに、


見過ぎたか!!!


と思ってしまう。見過ぎて、それがバレて、

向こうから・・・何って恥ずかしいんだよ!!



「深田君、方言は大丈夫?」


「・・・へ?」


「私も去年千葉からこっちに引っ越してきて・・・。」


よかったーーー!!!

バレてない!!

そして、いい話題が来たよ!!


「そうなんだ!方言全然分かんなくってさ、困るよね?」


「うん・・・。大変だよね?」


「そう!大変なんだよ!」


楽しい時間はすぐに終わりエレベーターの扉が開くのだが、

その場には俺の母がいた。


「あらあら、大きな声を出していると思ったら、宮本ちゃんと一緒だったのね。」


笑っている母に言われて気づいたのだが、


俺、めっちゃ大きな声で話していた!!

宮本さんなんて本当に可憐な声だったのに、

一人舞い上がっていた!!


「こんにちは。」


俺の母に可憐な声で挨拶をする宮本さん。

その落ち着いた感じがまた俺を顔を真っ赤にする。


恥ずかしいよ!!


俺は母と一緒に家へと戻り、宮本さんとはバイバイした。


「はぁ~、かわいいな・・・。」


俺は自分の部屋のベッドでさっきの思い出を思い出していた。

最後のバイバイの時の手を振る仕草・・・

もうニヤニヤが止まらない・・・。


ピンポーン!


物思いに更けているとチャイムが鳴る。

母は俺に出てと言ってきたので、俺はそのまま玄関に向かい扉を開けると、


「あ・・・。」


開けた先には宮本さんが立っていたのである。


「あ、あの・・・・。」


そう言って、俺にコピーされた紙を渡してきて、


「こ、これ・・・こっちの方言をまとめたの・・・。私が・・・聞いた方言を・・・。」


「え!?」


俺はその紙を見ると、可愛らしい文字で、方言とその方言の意味が書き記されていた。

すごい嬉しい!けど・・・コピーでなく、手書きだともっと嬉しかったかも・・・


「あらあら、わざわざありがとう。」


母が遅れてきて、お礼を言いつつ、


「今、クッキーを焼いたから上がっていって。」


急に宮本さんを誘うのであった。


母!ナイスだ!!


だけど、宮本さんは、


「これからピアノのレッスンがあるから・・・。」


母の誘いを申し訳なさそうに断っていた。

すると母が、奥に行って、クッキーを袋に入れて、お礼に渡していた。


ああ!!今日は何っていい一日だったんだろう!!!


宮本さんと話せるし、更には手書きの紙まで貰える何って!!!

俺はコッソリと、下敷きに挟んでこの紙を宝物にしていた。


・・・何か甘い匂いがする・・・。



子供会が一緒だと色んなイベントを一緒にこなすことがある。

まあ、基本は男女で別々にイベントをこなしていくのだが、

ただ、バレンタインデーとホワイトデーのイベントは最高だ!!


なぜかうちの子供会では、女の子は同じ子供会の男の子達にチョコレートを配り、

逆に男の子はホワイトデーにはチョコを返さないといけない。


宮本さんは手作りチョコをみんなに配っており、俺は毎年貰うのだが、

正直言ってずっと引き出しにしまっており、最後の最後に毎年食べていた。


一番おいしい!


本当に一番おいしい!


だから、最後にとっておくといいつつも、

本当は食べるのがほんとーにもったいないからだ。

ただ、賞味期限もあるし、食べないといけないので食べるけど・・・


ホワイトデーのお返しは、俺は買って来たものを渡すだけだけど、

あの受け取った時の宮本さんの笑顔が本当にかわいくてたまらないのだ!


この町内に来て、本当に良かったよ!!



気づいた点については修正・追加していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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