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柊君へ ~Another Story~  作者: Taさん
第三章
179/201

田中さん ~8~

友達思いの田中さんの最終話です。

本山ちゃんは柊君にフラれはしたものの、

すぐに別の男性とお付き合いするようになっていた。


私も顔をしていたいる人だったのだが・・・


あまり評判のいい人ではなかったので、ものすごく気になっていた。



「本山ちゃん・・・どう菊池先輩とは?」


本当に心配して本山ちゃんに声をかけているのだが、

本山ちゃんの中では私の言葉は届かないようで、



「大丈夫だよ。本当に私のことを大切にしてくれているから。」


そういって、これ以上私に、菊池先輩についての話題に

触れてほしくないと思っているのはよくわかる。


だけど・・・


私があと一言言おうとしたところで、



「大丈夫だから。」


そう言って、ニッコリと微笑んできて、

完全なる拒絶を示す本山ちゃんに・・・私は口を閉じるのであった。


それから一カ月ほど経過した頃までは、毎日のように笑顔を浮かべていたのだが・・・


少し不満を浮かべだす本山ちゃん。



「毎日一緒にいたいのに、バイト何か入れてさ・・・。」


そんな発言をする本山ちゃんに私は、以前に付き合っていた彼氏のことを思い出していた。


・・・ああ、本山ちゃんも束縛がきつい方なんだな・・・


その後は、何かあることでグチグチと言い始めて、

付き合い始めた頃のはじけるような笑顔は鳴りを潜めていた。


そしてそこから1カ月ほどで菊池先輩と別れたらしい。


原因は菊池先輩の浮気らしいのだが、

私が別の人から聞いた話では、本山ちゃんが浮気相手だったということだ。


ようは本山ちゃんが弄ばれていたということだ・・・


それに私が聞いた情報源は、本命の彼女からリソースらしくて、

本山ちゃんを貶めるために遊び相手、浮気相手として

本山ちゃんの名前を学校に流しているらしい。


本山ちゃんは本気だったのに・・・


慰めるために私は本山ちゃんに何度も電話をしたり、

会いにもいったりして、励ましてきた!


まあ、結局、いい所は新しい彼氏に取られてしまったが、

それでも本山ちゃんが元気になったことは良かったと思っている。



私の方は、これと言っていい出会いもなかったのだけど・・・



「どうして私に彼氏が出来ないと思う?」


「・・・どうしてって・・・。」


いつものバイトの帰り道で、柊君に送ってもらっている時に尋ねたのだが、

柊君の回答にはどうにも言い難そうな雰囲気を醸し出していた・・・。



「何かいいたいことがあるのなら、言ってもらっていいんだけど?」


「・・・いいの?」


「だから、いいって言ってるんじゃん!!」


私が言ってもいいというのに、言い難そうにする柊君に詰め寄ると

柊君は何かを覚悟したような顔をして、



「田中さん・・・


 酒癖悪いからじゃない?」


「・・・。」


「この間の飲み会でも男子に絡んで、服をひん剥いていたよね?」


「・・・。」


「そして、その光景をゲラゲラ大声で笑いながら見てたよね?」


「・・・記憶にない・・・。」


「ですよね・・・。まあ、いつものことだけど・・・。

 それがいつものことって言うのが問題なんだけどさ。」


「・・・気がついたら記憶がないんだよね・・・。」


「知ってる。」


そう言いながら苦笑している柊君。


・・・どうやら私に彼氏が出来ないのは酒癖の悪さが問題らしい・・・。


それを柊君に告げられて反省はしているのだけど・・・



「だけど・・・


 お酒を止めることはできない・・・かなぁ~・・・。」


「ですよね・・・。」


呆れたような顔をして、こちらを見てくる柊君だが、



「まあ、それくらいお酒が好きな男性がいれば、いいんじゃないかな。」


「じゃあ、そんな人をちょっと紹介してください。」


「いや、俺の手持ちで田中さんより飲める人はいないし、

 記憶をなくすような人もいないよ。」


「・・・ちょっと友人が少ないんじゃないかな?」


「俺に問題が!?そっち!?」


笑いながら、驚いている柊君に、私は「そっちだよ!」と告げる。


正直に言って、私はこの2人で話している時間を楽しんでいる。


はぁ~・・・だから、私に彼氏が出来ないんだよね・・・


そう実感しているのだが、この時間を無くすことは私には出来ないな。


永遠には続かないことは分かっている。


せめて、一年・・・いや、私が卒業するまでは、

この幸せな時間が続くことを願っている。


もし、神様から、



「お酒を断つのなら。」


そう告げられられたとしたのなら、

私はきっとお酒を断つ道を選ぶだろう・・・たぶん・・・



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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