田中さん ~7~
友達思いの田中さんのお話です。
「・・・うん。」
当然私は本山ちゃんの友達なのだから、手伝いはするけど・・・
その先が見えているのに・・・
どうしたらいいんだろうか?
やんわりとでも難しいと本山ちゃんに伝えるべきだよね?
じゃないと本山ちゃんがフラれてしまうことになるんだから・・・
私の中で、結論を出したところで、言おうとした瞬間に
「本山ちゃんならきっと大丈夫だよ!!」
いつも一緒にいるグループの他のメンバーが
根拠もなく本山ちゃんなら大丈夫だよ!っと発言をする!!
全然大丈夫じゃない!!
思わずそう発言仕掛けてしまうが、それを言うわけにはいかない!
私が何とかしないといけないっと思っていたのだけど、
周りのみんなからはどんどん後押しがある中、
本山ちゃんもまた、
「そうだよね。」
どうやら彼女の中でも手ごたえはあるようだ・・・
・・・私が知らないだけなのかな?
柊君に聞いた感じでは脈はなさそうな感じがしたんだけど・・・
・・・どっちが正しいんだろうか?
本山ちゃんと柊君の言葉の間をグラグラと揺らいでいる。
どっちが正しいことを言っているんだろうか・・・
ええいい!!尋ねる方が早い!!
「本山ちゃん、柊君って彼女さんがいるよね?」
「・・・うん。」
ものすごく渋い顔をする本山ちゃん。
当然本山ちゃんも柊君に彼女がいることは知っている。
会ったことがあるとかっていたし・・・。
その渋い顔から、本山ちゃんが快く思っていないことは分かる。
「何か別れそうな感じとか聞いているの?」
向こうが分かれそうなら脈はあると思うけど・・・
その言葉を聞いて、さらに渋い顔をする本山ちゃん。
その顔をするってことは、聞いてないんだよね・・・
そんな私の結論に対して、
「彼女がいるからって、大丈夫だよ!!
本山ちゃんがフラれるなんてないよぉ!!」
・・・根拠もない励ましをする周りの人達。
そしてその言葉を聞いて、明るい顔を取り戻す本山ちゃん。
私だって、柊君の気持ちを知らなければそう言ったかもしれないなと思うけど、
今は私は知っているのだから、その言葉を素直に賛同することは出来なかった。
本山ちゃんを含めてみんなどうやって告白するかの話で
盛り上がっていく。
その光景を見ながら、私は柊君に連絡を取るのを決意するのであった・・・
「もしもし、柊君?」
私は授業を終えて、休み時間の間にすぐに柊君に連絡を入れる。
「はいよ。」
そんな返答がくる中で、私はすぐに用件を切り出す。
ただ、直接的に尋ねるのは出来ないけど・・・
まずは・・・
「柊君!どうやら私と一緒に帰っているところを見られたらしいよ!!」
「へぇ~。」
「そんな平常運転な!!ごめんね、迷惑かかったりしていない?」
「こっちは全然、それにやましいことがあるわけじゃないから
全然気にもしないけどね。」
「いやぁ~、彼女さんに伝わっていたらと心配してさ・・・。」
「ああ、それも気にもしてないよ。
そもそも田中さんと一緒に帰っているのは伝えているしね。
だから、別段気にもしないと思うよ。
・・・そういや、今言われて思い出したけど、
この間一緒に帰った時、コンビニに本山さんいなかった?」
「・・・え!?」
その言葉にものすごく驚いてしまう!
え!?見られていたってこと!?
「どこのコンビニで?」
「ほら、田中さんの家の近くにあるコンビニ。」
・・・あそこで!?
それを見たら本山ちゃんもビックリするよ!!
人伝いに聞いた話って本山ちゃんは言っていたけど、
完全に本山ちゃんに見られていたんだ!!
それを見て、焦ったってところだよね・・・
そりゃ~焦るよね。
柊君はモテる人だし、今回はたまたま私だったけど
他の人の可能性だってあるんだしね!
・・・いや、私だって言うのも問題なのかもしれないな・・・
本山ちゃんの中では私は・・・まあ取り巻きという位置づけかもしれないしね・・・
それもあっての告白か・・・
柊君に尋ねるのはほどほどにして、私はどうしようと思ってしまう。
絶対に私が原因だし!!本山ちゃんが告白するのは!!
どうしよう・・・
必死に考えているとすぐにその日の授業は終わってしまい、
何もいい案が思いつかないままでいると・・・
すでに本山ちゃんは動き出して、告白をしに行ったらしい・・・
そのことを聞いて私は奇跡が起こるのを祈っていた・・・
結果は・・・
ダメだったようで、私達が本山ちゃんと一緒に過ごすのであった。
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




