表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
柊君へ ~Another Story~  作者: Taさん
第三章
176/201

田中さん ~5~

友達思いの田中さんのお話です。

「・・・なかなか笑えないエピソードをありがとう。」


「いやぁ~、こちらこそ聞いてくれてありがとう。」


ニッコリと柊君に笑みを浮かべながら、出来上がったお弁当を渡す。

柊君はお代を私に渡してくれながら、



「また何か問題があったら、遠慮なく頼ってもらっていいよ。

 なかなか油断できそうに元カレさんみたいだしね。」


「ないことを・・・願ってるんだけどね。

 あ!!それじゃあ、それでは早速なんだけど・・・。」


「何?もう何かあるの?」


「バイトがもうすぐ終わりそうなので、

 私の家まで送ってもらえると助かります!」


「・・・頼るのが早いなぁ~・・・まあ、それくらいいいよ。」


「お弁当はあの一画で食べててよ!

 あとは厨房の掃除と残り物の処理をしたら今日は終わりで、

 だいたい閉店時間にすぐに帰れると思うからさ!」


そう言って、私がバイトが終わるまで待ってもらう。


柊君は苦笑しているけれど、そのお詫びとして

お弁当はご飯大盛に無料でしているし、更にはおばちゃま達から、



「柊君いっぱい食べてね!」


そう言われて、柊君の唐揚げ弁当には入り切れないほどの唐揚げが入っているのだから!

それだけもらえれば十分なお礼になっていると思うんですけど・・・


更に、私が掃除を終えて、ごみ出しも終えて、帰る間際には、



「柊君、田中ちゃん、これ持って帰って食べてねー!」


そういって、唐揚げの残りや他にもすでに調理しているおかずを

お弁当に詰めて渡してくれるのであった!

それを貰った柊君が満面の笑みを浮かべている!

当然、私も「いいんですか!?」といいながらも内心では、

「ラッキー♪」と叫ぶのであった。


私と柊君はそれを受け取ってから、



「ほら!私を待っているとこんな幸運なことがあるんだよ♪」


その私のセリフに柊君は笑いながら、



「そうだね。ありがたいことだよ。

 これだけの量だと明日の食費が浮くね。」


そう満面の笑みで答えてくれるのであった。


それからというもの柊君にはバイト終わりに送ってもらうようになった。


基本的には柊君に送っておらうのは木曜日だけで、

他の日は、一緒に帰ってくれるバイトのおばちゃんと一緒に帰っている。


木曜日はこのおばちゃんが休みなだけなのと、

柊君のバイトが私のバイト先の近くで、なおかつ時間が閉店に近い時間に

いつも柊君が来るからってことであって、

決して!そう!決して下心があったわけではないんだけどな~・・・




「ねぇ、田中ちゃん。」


ある月曜日の朝、いつものように本山ちゃんと教室で会った時だった。

私が挨拶をしようとしたのを遮るように本山ちゃんから声をかけられる。



「どうしたの、本山ちゃん?」


本山ちゃんの顔にはちょっとした怖さを感じていた。

何かを思いつめたような感じに見えるので、不安になるのだけど・・・


しばらくは無言のままであったのだが、

意を決したような顔をになると本山ちゃんは重そうに口を開いて、



「田中ちゃんって・・・柊君と付き合ってるの?」


「・・・え?」


全然予想だにしていない質問に目を見開いて驚いてしまう!


どうして私が柊君と付き合っていることになってるんだろうか?

そんなに仲がいいように見られているのかな?



「・・・何か、噂で柊君と田中ちゃんが一緒に夜歩いていたって話があるんだけど・・・。」


そう言って、睨んでくるような感じで見てくる本山ちゃん!


そう言われて、私は理解する!

いつも送っているのを見られたんだ!!

すぐに私はそれが誤解であることを本山ちゃんに告げる、



「いやいや違うよ!たまにうちのバイト先に柊君が来るって話をしたよね!?」


慌てて弁明に入る!

そんな私にものすごく真剣な表情でこちらを見てくる本山ちゃん!



「・・・うん・・・。」


「それでその時間がちょうど私が帰る時間とかぶったんだよ!

 それだけ!

 それだけだからね!!」


「・・・そっか・・・。」


そう言いながらもこちらを見たままの本山ちゃん・・・


私の心境は猫に睨まれたネズミの気持ちである・・・


それにたまたまと言っているけど、

毎週送ってもらっているとは言っていない後ろめたさもある・・・



「・・・本当に付き合ってないんだよね?」


「そ、そうだよ!だから、安心してね!

 私は本山ちゃんを応援してるんだからね!」


応援しているということを伝えると先ほどまでの怖い目から、

安堵な表情に変わっていく。



「・・・うん、ありがとう。」


そう言って、いつも通り話すのだけど・・・


本山ちゃんの私達に隠していた本性を知ってしまって、

内心ドキドキしているのは言うまでもない・・・



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ