表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
柊君へ ~Another Story~  作者: Taさん
第三章
172/201

田中さん ~1~

友達思いの田中さんのお話です!

「本山ちゃん、今日はどこの新歓コンパに行くの?」


「ええっとね・・・。」


そう言いながら、本山ちゃんは自分のスマホのスケジュール表を確認してから、


「今日は天文部の新歓コンパにいくよ。」


「へぇ~!?意外だね!

 そんな完全な文化系の部活の新歓コンパに行っちゃうなんて?」

「そうかなぁ?」


「うん!本山ちゃんならもっと華なのあるテニス部やバスケ部みたいなところの

 マネージャーとかがピッタリな気がするよ!」


「そうかなぁ~。」


そう言いながらまんざらでもない顔をする本山ちゃん。


高校時代から本山ちゃんのことを知っている私は、

生徒会長をしたりしてしっかり者のであった本山ちゃんを知っている!


運動は・・・ちょっとマイナスだけど、

それでもマネージャーでしっかりと支えているところとかは昔から見てきたし、

てっきり大学に入ってもそんな感じで過ごして行くものだと思っていたんだけど・・・


・・・天文部か・・・


本当に意外な選択をする本山ちゃん・・・


だけど、どこに行っても本山ちゃんがいるなら華やかになるんじゃないかな?

そう思いながら、ちょっと私も天文部に興味を持ってしまう。



「ねぇ、本山ちゃん!私も飛び込みで行ってもいいと思う?」


「うん?いいと思うよ。友達もいるんなら誘ってって言われてるしね。

 ちょっと待ってね、部長にメールしてみるから。」


そう言って、メールを送って、数分の後に返信が返ってきたようで、



「OKだって!今日の6時からだけど大丈夫、田中ちゃん?」


「うん!今日なら問題ないから!!」


私はこうして天文部の新歓コンパに参加することになったのである!


私の大切な友人が天文部に入ることで、

一気に花が咲いたようになるのかなぁ~と期待しながら、

今日の新歓コンパを楽しみにしていた。




「またここか・・・。」


最近は私もいくつかの新歓コンパに参加しているが、

だいたいどこかの教室か、もしくは自治会室にある会議室での飲み会が多い。

たまにお店でやる部活も中にはあるのだけど、

大学の近くにある居酒屋では個人店が多くて、狭くてギュウギュウになって、

全然楽しめない!!


だから、今日のように自治会室の会議室はある意味ラッキーなんだけど、

料理がスーパーのお惣菜なんだよね・・・


お惣菜が嫌いなわけではない・・・


だって、今のバイト先は近くのお弁当屋さんなのだから!


こちらに引っ越して、すぐにバイト先を探して、

本当に家近くあったのですぐに申し込みをして、一発OKを貰ったのだ!


入学式が始まる前にすでにバイトは始めていたのである!!


お弁当屋さんを決めた理由の一つは、余ったお惣菜を一部持って帰れること!

ヒジキや煮物なんかは大量に朝のうちに仕込むから、

絶対に夜の閉店間際には余ってしまうし、

日によっては、仕込んでいた鶏肉や豚肉も処理しないといけないから、

それを調理して持って帰らしてもくれるしね~♪


完全にご飯狙いでバイトは選びました!!


だから、よく食べているのもあるけど、

スーパーなんかのお惣菜は味付けがうちのお弁当屋さんと違って濃いし、

すでに仕込みなんかは終わっているモノを準備していて

それを詰めているから冷めてしまっていて美味しくないんだよね・・・


はぁ~・・・


ため息が漏れつつ本山ちゃんを待つ。


私は一旦、荷物を置きに帰って、

本山ちゃんの方は、友達とお茶してからということで、

自治会室の前での待ち合わせをしていたんだけど・・・



「もうすぐ新歓コンパが始まっちゃうけどな・・・。」


すでに時間は開始時間の3分前だというのに、

本山ちゃんの姿がない!


どうしようかな~と思っていると、



「天文部の新歓コンパの参加者ですか?」


自治会室の中から声をかけられるのである!!

驚いて後ろを振り返ってみると、そこにはやたらと男前の男子がいた!!



「あ、はい・・・。」


「じゃあ、入ったらどうです?もう始まるみたいですよ。」


「いやぁ~、ちょっと友達を待っていて。」


「ああ、そういうことですか。

 メールでもいれて中で待っちゃってもいいんじゃないですか?」


その言葉にどうしようかと思って、

辺りを見回すのだが・・・本山ちゃんの姿はどこにもない・・・。


スマホにも連絡がないし、私が送ったメッセージにも既読はついていない・・・

しかたない・・・



“先に会場に行っておくね”


そうメッセージを送って、私はその男前の男子と共に会議室内に入る。



「ちょっと閉めますね。」


そういって、会議室内に入って、

どこに行こうかとしていた私をより中へ入るように促してくる。

私が中に入ると、ゆっくりと扉を閉めて、



「先輩!もう一人新歓コンパの参加者がいましたよ!」


「「「「「おぉ!!!」」」」」


みんなからの歓声と共に注目が私に集まってくる!?


こ、こんなの耐えられないんだけど!!


これは絶対に本山ちゃんの役割だよ!!


そんなことを考えていると、1人の男の人が近づいてきて、



「本山ちゃんのお友達でいいのかな?」


「は、はい!!」


良かったぁ~!!


連絡は入れていてくれたんだね!!


安堵のため息が漏れる中、

私の横にいた男前の男子が、



「俺、今年の新入生の柊って言うんだ。宜しくね。」


そう言って何とも爽やかな挨拶を私にしてくれるのであった。



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ