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柊君へ ~Another Story~  作者: Taさん
第三章
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本山さん ~6~

外見を気にする本山さんの話です!

しばらくの沈黙が2人の中に流れる。


・・・すぐに言えばいいのに、どうして間を開けるのよ!!


私は、すぐに返事が来るものだと思っていたにも関わらず

柊君は困ったような表情を浮かべるだけで、何も言葉を発してこない。

ただ、それも少しの間であって、ついに口を開こうとするのである!!


いよいよ来るわ!!


私はゆっくりと笑みを浮かべながら柊君からの言葉を待つのであった。



「・・・悪いけど、彼女と別れるつもりはないから。」


「・・・え?」


「ごめんな。」


・・・は?どいう意味?


だって、私だよ?


男子達が振り返るくらいの可愛らしさを持った私だよ?


それに阪大学に合格しているくらいの才女だよ?


・・・なんで?



「・・・別に行ってみただけだから、気にもしなくていいよ。

 本気にしないでよね。」


そう答えるのが精一杯で、どうやってその場から帰ったのかはわからなかった。


気がつけば部活に参加していたし、

しかもマネージャーとしての恰好もしていた。


意識が覚醒というか戻ったのは、部活を終えた時である。



「お疲れさまっす!」


同級生達から声で意識を戻したのである。



「・・・あれ?」


「お疲れさま、本山ちゃん!今日も大変だったね!」


その言葉に目を見開いてしまう!


もしかしてあの場に居たのか!!このマネージャーの先輩は!!


そう思ったのだが、すぐに部活のことだということを悟る。



「そうですね。」


「だよねぇ~、じゃあ、さっさと片付けちゃおうか。」


「はい。」


マネージャー達で後片付けを済ませていく。


その後は、特に何かを話しかけられることもなかったのだから、

記憶にはないかもしれないが、きっと私は何もミスをしていないのだろう。


・・・


帰りの電車にもいつも通りに乗って帰れている。

フラれたというのにいつも通りに帰宅している。


当然ショックもあるのだが、

それよりもどうして私は受け入れられなかったんだろう?という疑問が頭を占めていた。


だって、私だよ?


そこら辺の石ころとは違う!!


何で私が断られてるのよ!!


私とあなたならお似合いじゃないの?


・・・どうしたらいいのよ・・・


また・・・私は平凡な石ころになってしまうの?


そう考えだすと一気に不安にさいなまれ始めるのである・・・


だって、柊君がいなければ、あの視線を浴びることはできないのよ?


みんなから注がれる憧れのような、選ばれた人だけが浴びれる視線を!!


なのに・・・


どうして・・・


どうして・・・


思わず自分の部屋で叫びそうになった時だった。

私のスマホが鳴りだすのであった!



「柊君!?」


さっきの言葉は嘘で、本当の言葉を私に告げようとして

電話を掛けて来たのであろうか?


それならそれで・・・


すぐに自分のスマホを手に取ってディスプレイを観ると

そこには柊君の名前は表示されていなかった・・・


その代わりに表示されていたのは・・・



“菊池先輩”


私は・・・その名前を見てあることを思う・・・


菊池先輩こそが私に相応しいのではないだろうか?


菊池先輩もまた学校でも指折りのイケメンである。


菊池先輩が通れば、必ず女子が振り返る!


・・・というか、柊君なんてめじゃない!


雑誌にも載ったことがある菊池先輩!

こうやって考えると私に相応しいのは、むしろこっちなのではないかな?


頭の良さは、私と変わらない。

だって、同じ大学にいるのだから。


それに聞いた話というか、私も知っているが、

菊池先輩の家もまた父親が貿易商をやっている。


だからだろう、菊池先輩もマンションを与えられている。

それも賃貸ではなくて、大学を入学したのを機に買ってくれたらしい。


それに比べて、みじめな寮で生活している柊君・・・


そっか・・・


悩む必要もないんだな・・・


私は電話を取り、



「もしもし。」


「お!本山ちゃん、元気にしてる?」


「どうしたんですか?」


「いやぁ~、本山ちゃんの声が聞きたくなってさ、思わず電話を掛けちゃんだんよね~。」


・・・ああ・・・


この人は私を必要としてくれているんだ・・・


その言葉が私を熱くしていく・・・


更には・・・



「菊池先輩・・・。」


「どうした?」


「会いたいです・・・。」


「え!?分かった、すぐに行く!!だから、すこし待ってな!」


「え?だけど、もう時間も遅くて、電車で来るのは無理ですよ・・・。」


「何を言ってるんだよ!車を持ってるからさぁ!ちょっと待っててね。」


そう言って、菊池先輩は通話を切るのだが、

私の想像の中で菊池先輩は急いで服を着て、

あの白いカイエンに乗って私を迎えてに来てくれるのだ・・・


どんなわがままも聞いてくれる菊池先輩・・・


彼こそ私には相応しい・・・


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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