本山さん ~3~
外見を気にする本山さんの話です!
確かに・・・
私クラスとつり合いが取れるレベルだよね~・・・
部活動中も部長に投げかけられた言葉を頭の中で反芻していた。
そして、一つ一つ検証をしていく。
柊君のマイナス点は、寮に入る必要があるんだから、
きっとお金持ちではない点だろうな・・・
ただ、容姿・頭脳を考えれば、両親が貧乏であったとしても
本人はしっかりと稼いでくれるだろう。
私の中での判定結果は、
・・・優良物件だ・・・
彼と一緒に歩いても何ら恥ずかしいことはない
むしろみんなから羨ましがられるのでは?と思うレベルである。
実際に次の週に同じ学部の友達に聞いてみると、
「うちの部活に柊君って子がいるんだけど・・・。」
その言葉を聞いただけなのに、いつも一緒にいるメンバーが食いつくように私を見てきた!!
そして、私に一斉に尋ねてくる!
「本当に!?」
「柊君って天文部なの!?」
どうやら私の周りの友達も学部が違うにも関わらず知っているようだ・・・
へぇ~、やっぱりあのレベルだと他学部の人間もチェックするんだね~。
「どう?どんな人なの?」
「え?うぅ~ん・・・結構面白い人かな?」
「「へぇ~!!」」
2人から私に注がれる目は、私を羨ましがるような目であり、
ちょっと優越感に浸れる目をしていた。
その後も2人からは柊君についての話を色々と聞かれる。
その2人に私が説明するのだけど、それがまた気持ちがいい・・・。
「私も天文部に入ろうかな~。」
「だけど、夜中に活動するんでしょう?」
「そうだよぉ~。」
「うぅ~ん・・・耐えれる自信がないな~。」
「だよね・・・、柊君とは仲良くなりたいけど、部活が苦痛でしかないよ・・・。」
そんなことを言いながらも2人が真剣に天文部に入るかどうかを悩んでいるのは伝わってくる。
そんなに柊君って人気があるんだね~・・・
まあ、結局は2人ともそれぞれ部活に入っており、
とうぜん金曜日に活動がある天文部に入るのは無理という結論になっていた。
ただまあ・・・
「機会があれば紹介して!!」
「絶対に!!」
2人からそんなことを懇願されるのであった。
私は『分かったよ』と答えながらも、きっと彼女達に柊君を紹介することはない。
だって・・・彼女達には相応しくはないから・・・
みんなの話を踏まえて考えてみると、
彼と一緒に入れるということで、私にメリットが浮かんでくる。
このメリットを私が放す?そんなことはしない!
それに見た目で言っても、彼女達には悪いけど、
柊君と釣り合うとは思わない!
釣り合うのは・・・私よね・・・
彼の横に並んでもおかしくないレベルなのは私しかいないんじゃない?
だから、部長も私と柊君が一緒にいる時に、
『お似合いだね』と言ったんだもの!
私の出した結論は、柊君と付き合えるのは私しかいないという結論である。
そう結論が出たのなら、私はすぐに行動に移す。
どうしてそんなにすぐに行動に移すかって?
それは柊君の傍には、すでに色んな女性が言い寄っているのを
私は知っているからだ!
すくなくとも部活にいる佐藤先輩なんかは、柊君に好意をいだいている。
だから、佐藤先輩にはキッチリと牽制を・・・しておかなくちゃいけない。
それと天文部に入ってきた同級生の女子部員たちも
柊君に対して目を輝かせていたけど、あなた達には相応しくないのよ!
だから、彼女達にもキッチリと分からせる必要がある・・・。
すぐに私は彼女達に私が柊君に相応しいことを伝える。
そして、彼女達に牽制をするのである!
その中で、みんなからは、
“柊君は彼女がいる”
だから、狙っても無駄だと言われるのだけど、
それはあなた達の場合でしょう?
私の場合にはそんなの何の障害にもならないわ!
天文部の他大学との合同合宿の時にも
色々と柊君にちょっかいを掛けてくる女子達が居た!
なかなか、見張るのも本当に大変である。
ちょっと目を話したすきにワラワラと湧いてきて・・
柊君にはこちらから色々とアプローチはしているものの
全然向こうから反応してくれることはない・・・
意外と鈍感なのかしら?
ちょっと自分の決心が揺らいでしまうのだが、
それでもここまで狙っていて撤退するのはプライドにも関わる!
それに柊君に対しては、すでに周りの人からある種ブランド化している。
彼と話せる女子となるだけで、ちょっと上から友達と話せるし、
一緒に歩いているところを見られただけで、
相当なレスポンスが周りからある・・・
今の私には絶対に必要なものだ!!
柊君がいなければ、私はまた埋没した人間になってしまう!!
今まで、自分が告白されたことはあってもしたことは一度もない・・・
だけど、そんなことを言っている場合じゃない!!
噂では看護大学の天文部の先輩が柊君に告白したと聞いている!!
何とか、それは柊君が断ったと聞いているけど、
これ以上後れをとるとどんな人から告白されるか分かったものではない!!
だから、私は告白をすることにした!!
絶対に柊君を彼氏にしてみせる!!
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




