南くん ~2~
南くんの話です!
「柊!聞いてるのか!!」
「聞いてる。聞いてる。」
そう言いながら、雑誌を見ながらこちらも向かずに柊が応える。
下を向いたまま・・か・・・
「バトン落としたの・・・やっぱりショックか?」
「うん?いや。」
「いいんだぞ・・・。本音で話してくれ!!俺とお前の仲だろ!!」
「いや、本当にショックには思ってないから。」
「そうか、それならいい・・・。バトンは落とすものだからな。」
「・・・なあ、バトンを落としたのお前だからな?
俺が落としたみたいな体ではなしてるけど。」
「ああ、そうだな。」
「しかも、バトンパスの時なら分かるけど、
走ってる最中に落としたんだからな?」
「そんな些末なこと忘れたわ!!」
「いや、覚えとけ!!そして、反省しろよ!!」
「男がクヨクヨしてても仕方がないだろう!!」
「いや、反省しろ!反省しないと次の試合では使ってもらえないぞ!!」
「ああ・・・やっぱりお前は良い奴だな・・・。」
「???」
「俺の心配を・・・こんなに心配してくれるなんって!!!感動で涙が・・・。」
「出てない!出てないぞ!!それにその指の隙間から俺を覗うな!!」
柊が俺をジト目で見てくる。
場も温まっただろうから俺は本題に入る。
「まあ、そんなことよりも大事なことがある。」
そう言いながら、俺は柊の手から雑誌を取り上げる。
これから大事な話な話をするのだから・・・
「・・・またホレたか?」
「ああ・・・。天使がいた・・・。」
「それで誰だ?」
「柊、お前の幼馴染の磯野だ。」
「ああ、磯野か・・・。あれ?南、話したことあったっけ?」
「ない。」
「また、見た目か?」
「ああ・・・マジで顔が好みだ・・・。」
「なあ、南・・・。」
「おう!」
「磯野をお前に・・・」
「おう!!」
「紹介はしないぞ。」
「おう!!!・・おう!?な、なんでだよ!!」
「お前に紹介して、磯野が幸せになるイメージがないからだよ!
もっとまじめな奴なら俺も紹介するのを嫌がらないけど、
お前、今年に入って何人目だ?好きになった人。
それに顔って、毎回毎回最低な意見だからな!好きになった理由!!」
「・・・学内だと17名だ。」
「・・・まだ一年経ってないけどな・・・。
それと・・・
学内ってなんだ?
学校外にも好きになった子がいるのか?」
「ああ、だけど、安心してくれ!12名だ!学内より少ないからな!!」
「・・・結構多いじゃんか・・・。
しかも何が安心してくれなのかが、全然わかんねえし・・・。」
「何と磯野は記念すべき30人目なんだ!
だから、うまくいくと思うんだきっと!」
「・・・いや、全然うまくいくとは思えないんだけど・・・。」
「最低だぞ!!・・・友人の幸せを願えないなんって・・・最低だぞ!!」
「いや、お前よりも磯野の方が付き合い長いし、
俺は磯野の幸せを願ってるだけだ。」
「俺は!?」
「知らん!!」
「見損なったぞ柊!これからは、お前と口はきかないからな!!」
俺はそのまま柊の部屋から飛び出して、
自分の家へと走って帰る。
「何で、俺の思いを受け止めてくれないんだーーーーー!!」
見事に磯野にフラれた俺・・・
中学1年生の通算成績
30戦 0勝 30敗 (学校内18名、学校外12名)
「・・・0勝の表記いるか?」
「いる!!敗だけだと勝ちがないみたいじゃないか!!」
「・・・ないだろ?実際。」
「勝ちそうになったことはあった!!」
「いや、だけど勝ってないんだろう?」
「・・・。」
結局、中学3年間の通算成績は、
196戦 0勝 196敗 (学校内124名、学校外72名)
「なあ、うちの学校の女子って全校合わせて320名しかいないんだけど?」
「甘いな柊!先生や事務員さんを入れて338名だ!!」
「・・・そんなことを言いたいんじゃない。
すでに全校生徒の1/3・・・教職員を加えてもいくか・・・。」
「ああ、意外と生徒の数って少ないのに驚いたよ!」
「・・・そんな目で見る人がいることに驚いたよ。
良かった、お前と同じ高校じゃなくて・・・・。」
「ああ、次会う時は彼女と一緒に柊の前に現れるよ!!」
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




