菊池先輩 ~3~
チャラ男の菊池先輩の末路のお話です・・・
それは俺が家に帰って、帰宅途中に買ってきたご飯を食べながら、
テレビを観てくつろいでいた時である。
“プルルルル”
俺のスマホが鳴りだしたのである。
「誰からだ?」
そんなことを独り言でつぶやきながら、スマホに表示された画面を見ると、
そこには先ほどまで一緒にいた生徒の名前が写し出されていたのである。
「ああん?どうしたんだろう?」
何かあったのかな?と思いながら俺は通話をとると、
「どうした?」
そんな俺の呼びかけに答えて来たのは、
「先生・・・お世話になります。」
「あ・・・え!?こ、こちらこそお世話になっております。」
てっきり生徒の方が出てくるのかと思ったら、
出てきたのは生徒の母親の方だったのである!!
俺は慌てて敬語をつかい、挨拶をする。
てっきり生徒の方が俺に電話を掛けて来たのかと思っていたのに・・・
「ちょっと先生にお話がありまして・・・。」
「あ、はい。どうかされました?」
「電話ではなんですので・・・・私の旦那が迎えに行きます。
先生のマンションの入り口に向かわせますので、そちらに来てもらえますか?」
「あ、はい・・・。」
そう言えばここの家には旦那さんがいたな・・・
今まで一度もあったことがない父親。
家にはいつも母親と生徒しかいなかったのだ。
それがここに来て父親の方が会いたいと言ってくるとは・・・
確か、生徒が言うには会社経営をやってるんだったかな?
記憶をたどる、たしかそんな話をした記憶がある・・・。
父親が来たってことは・・・
もしかして倒産したとかかな!?
それで今日で家庭教師は終わりだという話だろうか?
それだと母が食事会に行っていると言っていたのは、
父親とそのことについて話をしていたのか?
頭の中でどんどん推測が成り立って行く。
そっか・・・
時給もいいし、家からも5分ほどの近所で良かったんだけどな・・・
それに・・・
彼女とはこれからだったのにな・・・
先ほどまで一緒に過ごしていたことを思い出していた。
初めてとは思えない彼女の乱れっぷりに思わず思い出し笑いをしてしまう。
最高の二時間だったな・・・
俺は服を着替えながらも思い出していた。
さらに、今後は彼女に家に行けないと・・・と思ったところで、
すでに男女の関係にあるのだから、うちに来させればいいか。
その結論に至るのであった。
それにうちに来たら、時間も関係なく好きなだけ出来るんだしな。
服を着替えて、マンションの入り口に行き、一歩外に出ると、
「菊池ってのはお前か?」
「え!?」
そこにいたのは明らかに堅気ではない男が2人いたのである!!
そして、俺の名前を知っているのだ!?
「お前が菊池かって聞いてんだよ!!」
怒気を込めた声で俺をまるで恫喝するように言ってくる2人組。
そのあまりの剣幕に俺は、慌てて返事をしてしまう。
「は、はい。」
返事をしてしまうのであった。
俺は・・・どうしてこの時に、違うって言えなかったんだろう・・・
「最初からそう言えよ!!こっちだ!」
そう言って、1人に腕を掴まれて、そのまま通りへと引きずられてしまう。
そして引きずられていった先には、黒い車が止まっていた・・・
明らかに高級車で、後部座席にはしっかりとスモークが貼られた車である。
引きずられて、後部座席のドアのままで行くと、
ゆっくりと窓が開いていく。
「こんばんは先生、とりあえず・・・乗ろうか。」
明らかにこの2人組のチンピラの上の人間であろう人間が、
その窓から顔を出してきた。
ぱっと見はインテリジェンスな感じの男性であるが、
その男性に見られてただけで、背筋に寒気が走るのである!!
な、なんだこの人・・・
初めての経験である。
こんなサラリーマン風な男と目があっただけで、寒気を感じてしまうのは。
二人組のうち、俺の腕を掴んでない方が、
後部座席のドアを開ける。
「乗れ!」
そう言って、更には俺の腕を掴んでいた男が、
ぐぃっと俺を引っ張って、乗り込み口のままで連れていく
俺は・・・
その車に乗るのをはばかる!
これに乗ると・・・
俺の人生が終わる・・・
そう感じているのだ!!
そんな俺の心を見透かしているように、
車の中にいる男が、こちらに向かって顔を近づけてきて、
「中に入りな。」
そう短く伝えてくるのである。
その言葉に逆らうこともできずに俺は入って行くのであった・・・。
気づいた点は追加・修正していきます
拙い文章で申し訳ないです。




