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柊君へ ~Another Story~  作者: Taさん
第三章
154/201

佐藤さん ~5~

勇気の出ない佐藤さんのお話です!

これは若さなのか、それとも彼女の性格なのかはわからないけど、

さっきまで落ち込んでいたのが嘘のように今は柊君の傍にいる。


天文台の職員から頼まれた仕事を二手に分かれてすることになったのだが、

その二手に分かれた時にもしっかりと柊君の横をキープする彼女。


仕事が終わった後でも柊君の横に必ずいる。

・・・いやぁ~すごいな・・・


正直な感想である。

私が同じことをしろと言われてもできないだろうし・・・


そして、天文台の手伝いが終わった帰り道、

私はみんなを送りながら帰っていく。


そして、残るは彼女と柊君になったのだが・・・



「私の家までいいんですか?」


「うん、いいよ。どうせ私の家の近くだしね。」


彼女は自宅から通っており、その自宅も大学の近くにある。


まずは大学の寮に住んでいる柊君を置いて、

そのまま彼女の家へと向かうのだが・・・



「佐藤先輩!!」


「・・・どうしたの?」


ちらっと助手席に座っている彼女に視線を向けるのだが、

その視線が私を見ていることに私はその時になって気づいた!


その目が鋭い目になっており、私は怖さを感じてしまう。


目が合ったとはいえ、私は車を運転をしているため

すぐに視線を前に戻して運転を続ける。


・・・何でそんな目で私をみてるのよ!!


そんな思いが頭の中を駆け巡るのだが、その答えはすぐに出てくる。



「佐藤先輩って・・・


 柊君のことをどう思ってますか?」


「・・・へ?」


間抜けな返事をしてしまったが、

すぐに彼女が何を考えているのかを察する。


ああ・・・


そういうことね。それでさっきの目を私に向けていたと・・・


私があなたにとって敵なのか味方なのかを確認したかったと・・・


ちょっとほっとしながら、彼女に、



「どうも思ってないから安心して。

 すくなくとも本山さんがどう思っているかは分からないけど、

 あなたの邪魔をするなんってことはないから。」


彼女・・・本山さんにそう告げると、

急に顔を手で覆って、助手席でクネクネしだす本山さん。



・・・車の中でそんな行動取られても・・・


しかも結構激しく動くから、何か、変に車が左右に揺れるだけですが・・・



「ど、どうして私が柊君のことを好きってわかったんですか!?」


・・・本気でこの子はいってるんだろうか?


あなの行動を見て、わからいでか!!


完全に柊君に対して好意を体を使って示していたじゃない!!


それに気づかないってことはないでしょうに!!


言おうか言うまいか相当迷ったが、

結局言わずに何も言わずにそのまま車の運転をする・・・


だって、ここで何か言ったら、

私に手伝ってとか言ってきそうで・・・


私が無言のままでいると

本山さんはどうして柊君が好きになったのかを話しだしてくれる。


・・・聞いてはいないけど・・・


その後も柊君の話題を自分で話しながら、

そんな話にテレている本山さん。


そんな彼女の話を聞きながら、私はあることを言おうか言うまいか考えていた。

それは・・・


柊君に彼女がいることを!


部活にいる間はそんな話題になっていない可能性もある。

だから、彼女はしらないんじゃないだろうか?と思っていて、

だったら、まだ告白もしていない今のうちに彼女に伝えるべきではないかと思ってしまう。


ちょっと悶々と考えてしまったが、意を決して本山さんに伝える。



「もしかしてだけど、本山さん・・・。」


「はい?何ですか?」


「柊君に・・・彼女がいることを知らないの?」


「・・・知ってます。」


分かり易いほど凹んでいく本山さんに私は地雷を踏んでしまったことに気づく!


何とか彼女を励まさないと!!


そう思った矢先に、彼女がスッと体を起こして、



「知ってます!!だけど・・・私だって可愛いし、絶対に負けてるとは思ってないんです!!」


・・・はい?


本山さん・・・自分で自分のことを可愛いって言ったのかな?


どこまで自分に自信があるんだろうこの子は・・・


私は本山さんの発言に呆然としながら、

どうしようかと考えていると、



「だから・・・私は柊君を奪おうと思うんです!」


決意表明をする本山ちゃん。


ああ・・・もうそこまで決めてるのなら何も言えないな。

私は、ただ、



「頑張ってね。」


「はい!」


そう伝えるのが精いっぱいだった。


凄いなぁ~本山さん・・・私は彼女がいることを知って、諦めたのに

彼女は諦めるという選択肢を選ぶのではなくて、奪うという選択肢を選ぶなんて・・・


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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