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柊君へ ~Another Story~  作者: Taさん
第三章
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佐藤さん ~4~

勇気の出ない佐藤さんのお話です!

柊君に送ってもらった日から数日は相当憂鬱な日々を過ごしたのだが、

それでも柊君に出会えると思うとまた気持ちが持ち返してきて、

金曜日が待ち遠しくなってくる。


金曜日には柊君に出会えて、その日に話せる日もあれば、

たくさんの部員がいる中では話せない日もあるのだけれど、

それでも見れるだけで私は幸せでいた・・・。


それに・・・


柊君には彼女がいるから・・・


そんなことを考えていた。


だから、私は今のままでいいと思っていたけど、

それでもやっぱり一歩でも二歩でも柊君の傍にいたいと思っていた。


だからだろう。


うちの天文部では毎日少し離れたところにある天文台のお手伝いをしている

そこに平日何人かというか、車に乗れる人数である4,5人が行って、

手伝いをして帰ってくることをしていた。


・・・まあ、天文部として活動であり、これくらいしか活動として学校に認めてもらえないので

存続のためにはやらなくてはいけないことなのだが・・・


車を持っている者が部活内には8人ほどいる。

私もそのうちの1人であり・・・



「それじゃあ、この8人でどの日の担当になるか決めましょう。」


部長がそういうや否や、私はある曜日を指して、



「私はこの日がいいな。」


「ああ、他の人がいなければ・・・。」


そういって、部長が他のメンバーを見回すが、誰もそれに対して

反論することもなかったので、私の希望した日に担当になった。


“水曜日”


それは、柊君が行く日である。


だから、私は水曜日を選んだのである!


私はすぐに決まったのだが、その後の曜日決めでは四苦八苦しているようで、

一応、3人が土日の担当になって、ローテーションで回していくことになって、

正式に全員がどの曜日かがきまったのであった。




「あれ?佐藤先輩なんですか?」


「そう、私よ。」


車を部室の前まで回すと、そこには水曜日の担当の天文部員がすでに待っていた。

その中にすぐに柊君を見つけて、スッと柊君の傍によって、



「っていうか、さすがは佐藤先輩ですね。」


そういって、私の乗ってきた車をマジマジと見る柊君。

まあ・・・そこそこのお金持ちなので、入学祝いとして

父から買ってもらったのがこの車である。


まあ、学生が乗るには・・・ちょっと不相応な外車ではあるけど・・・



「父からの入学祝いだからね。」


苦笑しながら柊君に説明をして、ちょっとだけ話したのだが、

それを遮るように他の天文部員・・・女子の天文部員が、



「早く行きましょう!佐藤先輩!」


そういって、私と柊君の間に体を入れてくるのであった。

その行動だけで私はすぐに察する。


・・・この子は柊君が好きなんだね・・・


それで水曜日を選んだんだと理解するのであった・・・


体が大きいという理由で柊君は助手席に座ってくれて、

甲斐甲斐しくも私に飲み物を渡してくれたりする。


・・・普通は逆なんだけどね・・・


そんなことを思うのだけど、その車が私の車なのだから仕方がない。

それに・・・



「柊君って関西じゃないんだね~。」


後ろから身を乗り出してきて、柊君に話かける女子もいる・・・


柊君と同じ一回生の彼女からしたら、

私が話していることはムカムカするんだろうな・・・


私を見る目がちょっときつい気がするんだけど・・・


そんなことを思いながら車を運転していると、

しまいにはシートベルトを外してまで、前に身を乗り出して来ようとするので、

注意をしようとしたところで、



「そんなに身を乗り出すと危ないよ。」


柊君がやんわりと注意をするのであった。



「だけど・・・。」


・・・そうだよね・・・柊君と話したいからだよね・・・

それに私が横にいるのがいやんだよね・・・


それを私は察するのだけど、



「佐藤先輩に乗せてきてもらってるんだから、

 迷惑をかけたらダメだろう?」


そう言われると彼女も渋々従ってくれて、

そのまま後ろへと戻っていく。


さすがに柊君に言われたらもどるよね~・・・


心の中でそんなことを思いながら運転に意識を戻していく。

これで事故でもしたら、目も当てらないし。


その後も何度か柊君が後ろの女の子に注意をしてくれて

無事に目的地の天文台にたどり着くことができたのだ

着いた頃にはしょんぼりしている女の子。


・・・そうなよね・・・


こんな場合にはどんな風に励ましたらいいのかがさっぱりわからず。


結局一緒に来ていた二回生や三回生の子達が

女の子に話かけていて、徐々に最初の元気にまで戻っていった。


その光景を見ながら、私は女の子のことを観察していた。


私からみて、男子にチヤホヤされることで元気になっていたのは分かるし、

そのチヤホヤしてくれる男子達の扱いに慣れている感じは否めない。


っというか、柊君と一緒で、なんでこんなレベルの女の子がここにいるのか?と

疑問に思うレベルの女の子である。


根暗でもなく、むしろ社交的な女の子。


実際に他の部活と兼部でここの部活に来てくれている。


その部でもチヤホヤされているだろうに、どうしてここに来て、柊君を狙うのだろうか?


私も彼女が兼部先である格闘技系の部活のことを知っているし、

あそこにいるメンバーの中にはイケメンの子もいたはずだ。


そっちを狙えばいいだけでは?と思ってしまうのだが・・・


そんなことを私が思っているなど露知らずに

元気になった彼女は、また柊君に話かけていくのであった。


・・・あの逞しさがすごいな・・・


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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