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柊君へ ~Another Story~  作者: Taさん
第三章
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佐藤さん ~2~

勇気の出ない佐藤さんのお話です!

「ひ、柊君!」


彼が食堂に入ろうとしているところでやっと追いついて、私は声をかける。



「はい?」


そんな返事と共に後ろを振り返ってくるのだが・・・


ああ・・・


何かキラキラしてるよぉ~・・・


すでに夕方で少し暗がりになっているにも関わらず

私は自分の目の上に手をもってきて太陽からまぶしさを遮るようなしぐさをする。


まあ、だけど、それで柊君のまぶしさを遮ることはできないけど・・・


だって、勝手に私がキラキラしていると思っているだけだし・・・


そんな行動を不思議そうな目でこちらを見てくる柊君。

ただ、それでもこちらに向かって話しかけて来てくれる。



「さっき・・・天文部の部室におられましたよね?」


「う、うん!」


覚えていてくれたんだ!!

そのことだけで私は嬉しくなっていた。


だって、5人も人がいた中で、しかもさっき全然話しもしてないのに

私のことを覚えていてくれるなんて・・・


思わずジーンとなっていると、



「・・・大丈夫ですか?」


そういって、私のすぐ傍まで近寄ってきてくれていたのに気づいた時には

思わず後ろに後ずさりしてしまうのであった・・・。


こんな近くに柊君の顔があるなんって・・・



「だ、大丈夫!」


そういって、何とか呼吸と気持ちを落ち着かせようとした後、

私は目の前にいる柊君に意を決して話かける。



「私は、天文部の四回生の佐藤です。」


「宜しくお願いします。」


そう言って深々と挨拶をしてくれる柊君。

うわぁ~・・・ここら辺が体育会系の人間だなと思ってしまう。



「今日はわざわざ来てくれてありがとう。

 それでね、一応新入部員にはご飯をご馳走しなくちゃいけないんだけど・・・。」


私は自分の後ろを見るのだが、誰も来ていない・・・

ってことは、私が1人で奢るのだろうか?


そんな私の空気を察してか、



「それは今度、新しく新入部員が揃った時でいいですよ。

 度々と奢ってもらっていたら、こちらも申し訳ないですから。」


「いやいや、いいのよ。

 全然そんなこと気にしなくてね!」


柊君が優しいことがよくわかる。

ああ・・・本当にイイ子なんだな・・・


まあ、私一人でも柊君1人をご馳走することくらいなんでもないので、



「せっかくだし、何でもおごるよ。何か食べたいものはある?」


「いえいえ、イイんですよ。」


そう言って、私の申し出を断ってくるのだが、

結局私の申し出を最終的には受け入れてくれて、



「じゃあ、ここの食堂で。」


「ええ!?もっと高いところでいいのよ!?」


「ここの食堂には来たことがなかったんで。」


そう言って、食堂で食べることからは妥協はしてくれなかったので

食堂で食べることにしたのだ。


二人合わせて700円にも届かない食事・・・

というか、柊君に至っては280円のカレーを選ぶ始末だ・・・


絶対に遠慮してるし!!



「ご馳走さまです、佐藤先輩!」


「いいのよ・・・。っていうか、本当にこれで良かったの?」


「全然問題ないです!カレーって手間がかかりますし、

 なかなか作らないじゃないですか!」


嬉しそうに席に着くと、すぐにカレーを食べ始める柊君。


まあ・・・柊君が喜んでくれるなら別にいいけどさ・・・


美味しそうに食べている柊君を見ていて、私の気持ちまでもが嬉しくなってくる。



「・・・そんなジッと見ないでくださいよ。」


柊君からの指摘を受けて思わずハッとする!

自分でも気がつかないうちに柊君をジッと見てしまっていたのだ!!



「ご、ごめんね・・・。」


そう言いながら、なんて言い訳をしようかと必死に考えていると、



「どうして天文部に入ったのかなぁ~って不思議に思って。」


我ながらセーフだろう!

柊君の容姿に見惚れていたとは口が裂けてもいえないし、

この言い訳ならいいはずだし!!



「星が好きだからですけど・・・他になにかあるんですか?」


「いや、まあ、天文部に入るのはみんな星が好きだからってのはあるけど・・・。

 だって、陸上をしてたんでしょう?」


「ああ、そういうことですか。

 僕はケガをしていて、まあ、本気ではできないんですよ。

 手術してまで陸上部には入りたいとは思わないですしね。」


「ご、ごめん。」


入らなかった理由が思った以上に重い話であったため思わず謝る。


だけど、それに苦笑しながら、そんなことは気にしないでくださいと言って、

その後は2人で談笑をしながら食事をするのである。


1時間ほど食堂で話していると、



「そろそろ閉めますよー。」


と食堂のおばちゃんから言われたため、

私達は帰りの支度をしながら食堂を後にした。



「佐藤先輩はこれから帰宅ですか?」


「うん。そうだよ。」


「じゃあ、送りましょうか?」


その言葉を聞いて思わず驚いていしまうのであった!

だって、そんなこと今まで言われたことないから!!


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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