佐藤さん ~1~
勇気の出ない佐藤さんのお話です!
「お疲れさまです。」
私が四回生になって初めての部活に出た時に、
私に向かってさわやかに挨拶をしてくれる男子がいた。
・・・正直に言って、天文部にいる男子と言えば、
メガネをかけた根暗な男子や女子がいる部活である。
世間一般的に言われている部活で何ら変わりがない。
実際のところ、私だって、眼鏡をかけた暗い女子である・・・
部室に目を向ければ、先ほど言ったような男子や女子が中にいる。
これが天文部のメンバーだ!!
・・・そう・・・
今、部室の前の廊下にいる新入生の男子が異質なんだ・・・
本当にメインの部活・・・
バスケットボールや野球何かが本当に似合っている男子だと思われる・・・
そんな男子がどうしてここにいるんだろう・・・
私は困惑の目でその男子を見ていた。
今日は、昨日行われた入学式の反省会と共に、
今度行われる部活動紹介のイベントでどうするかを話あうために
部室に集まっているんだが・・・
「・・・ど、どなたでしょうか?」
そう言うのは私と同じ四回生の新しい部長である。
そんな風にどもってしまうのは分かる・・・
私や部長みたいに完全に学校でのヒエラルキーが低い人間達にとって
こういうヒエラルキーの上位者は例え年下だったとしても
オドオドとしてしまうのだ。
怯えながら部長が尋ねたことに対して、
「ここって天文部の部室であってるんですよね?」
「そ、そうだけど・・・。」
「天文部に入部したいんですけど。」
「「「「「!?」」」」」
部室に居た全員が驚きの表情を浮かべた!
それもそのはずである!
こんなカースト上位の人間が、天文部に入るなんて!?
みんなが彼の言葉を聞いて、みんな揃って絶句してしまう。
・・・
しばらく続いた無言の空気を切り裂いたのも彼であり、
「あれ?新入生の入部って募集してないんですか?」
その言葉を聞いてハッとした顔をした部長が、
「い、いや・・・し、してるよ。」
「じゃあ、入部ということでお願いします。何か書かなきゃいけませんか?」
「う、うん。え、ええっと・・・こ、ここに、か、書いてくれるかな。」
そう言って、入部届けと個人情報を書いてもらう紙を彼に渡す。
それを受け取った彼は記入を開始する。
その姿を私達はジッと見つめているのであった。
部員はすでに私を含めて5人いるのだが、
誰もが言葉を発することなく、彼の行動を見続ける。
部室には彼が書くカツカツという音だけが響く。
「終わりました。」
そう言って、部長に対して紙を差し出すのだが、
それをただただ呆然と見続ける部長。
「ちょ、ちょっと。」
私が思わず声をかけると、やっとその声に反応した部長が動き出して、
「あ、あり、ありがとう。」
彼から差し出された紙を受け取り、
記載された内容を確認していき、不備がないことを確認する。
「大丈夫ですか?」
彼が尋ねてくると部長が、
「だ、大丈夫です。」
その後もまた無言になるのだが、
「今日って何か活動されるんですか?」
「い、いや、今日は新入生の勧誘をどうするかを話し合うだけであって・・・。」
そう!今日の目的は勧誘のイベントの時に
私はどうするかを話あうために来ているため、
今日は活動をする予定はないのである!
「そうですか・・・・。じゃあ、今日は活動がないんですね?」
「そ、そうだよ。」
どうやら彼も納得したようで、
「じゃあ、今日は帰りますね。来週同じ時間くらいに部室にくればいいですか?」
「う、うん。宜しくお願いします。」
「分かりました。じゃあ、失礼します。」
そう言って、立ち去って行く柊君を見送りながら、
私達は一気に空気が弛緩していくのを感じた。
自分達とは違う人種の人が入るだけで、
こんなに緊張してしまうとは・・・
「あの子、九州の人間だって!!」
部長がきにゅうしてもらった個人情報を見ながらそんなことを言いだして、
みんながマジマジと見て行く。
「中学・高校の部活は・・・やっぱり陸上部なんだね~。」
「わかる!完全にカースト上位の気配がするもん!!」
「っていうか、部活の成績が半端ないんだけど!!
何だよジュニアオリンピックって!!
それに九州大会とか出てるってどういうこと??」
「九州大会ってことは関西大会みたいなものなんでしょう?
マジなの・・・・。」
みんながその履歴を見ながら、一喜一憂していくのだが、
ここで、私はあることに気づいた!
「・・・ねえ、新入部員はおごるのが常識じゃないの?
私の言葉にみんながハッとした顔をする!
ただ、そこから行動をする人が誰もいないのが、
カースト下位の人間の性何だろうな・・・
ただ、私は、彼と話したいと・・・彼と一緒にいたいという思いから
私は1人で走って彼を追いかけるのであった。
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




