南くん ~1~
以前に出てきた南の話です!
「・・・柊・・・俺達、低学年リレーの同じリレーメンバーじゃないか・・・。」
「そうだな。」
「だから、俺、相談したいんだ・・・。」
「うん?走る順番?」
「いや、それは今のままでいいんだけど・・・。」
「それじゃあ、スタートを切るタイミング?」
「いや、今でバッチリだ。」
「あとは・・・バトンパスの渡す声かけのタイミングか?」
「いや、それもバッチリだ。」
「・・・他に何かあるか?」
「ああ・・・俺、大野さんが好きなんだ!!」
「はぁ!?・・・リレー関係なくないか?」
「だけど、同じリレーメンバーじゃないか!!!」
「いや、同じリレーメンバーだけどさ・・・。」
どうして柊がこんなに呆然としているのか分からないが、
同じリレーメンバーということは、同士ということだ。
そして、同級生である。
そんな仲の俺がどうしても大野さんと付き合いたいんだ!!
「南・・・大野さんと俺、付き合ってるんだけど・・・。」
「えぇ!?」
呆然とする南。
「・・・いつから?」
声を振り絞って聞いてみると、
「ちょっと前だな。」
そのまま俺は膝が崩れ落ちて地面にへたり込んでしまった。
「というか、南。お前、大野先輩と話したことある?」
「・・・ない。」
「・・・どこを好きになったんだ?」
「顔。」
「・・・いっそ清々しいな・・・。」
俺の初恋はこうして幕を閉じたのであった・・・。
ただ、俺はこんなことではへこたれることはない!!
っというか、なかった!!
それは運命の出会いだった。
テニス部に所属しているその子は、まだ俺と同じ一年のため
ずっとコートの傍に立っているのである。
「柊、俺は次の恋に行きたいと思う。」
「・・・いいことだと思うよ。」
「だよな!!」
さすがは柊、俺の意見に同意してくれるとは!!
心の友だよ、柊!!
「それでな、俺が今恋しているのはな・・・。」
「早くね?だって、大野さんの件はまだ2週間くらいしか経っていないんだけど・・・。」
「だけど、この熱はどうしようもないんだ!!」
「・・・まあ、恋は止めようがないとは言うけど・・・。」
「それで柊、頼む!俺に力を貸してくれ!!」
「まあ、出来る範囲であれば・・・。」
「じゃあ、あの子を・・・西尾さんを紹介してくれ!!」
「誰?その人?」
「何で知らないんだよ!!同級生だぞ!!」
「いや、さすがに同級生全員を知っているわけではないからね。」
「残念だ・・・柊・・・。」
「・・・そりゃ~、申し訳ないね。他を当たってくれ。」
そういって、俺の傍から立ち去ろうとするので、俺は慌てて柊の手を掴む!
「俺を見捨てるのか柊!!」
「見捨てると言うか、紹介のしようもないし、手伝ってやることすら不可能だぞ?」
「俺との・・・俺との付き合いの長さじゃないか!!」
「・・・まだ2カ月程度の長さだけどな。
俺と知り合ったのも部活に入って知り合ったばっかりだろ?」
「期間の問題じゃない!!!」
「・・・。」
「俺とお前は・・・ライバルだ!!」
「それは何の?」
「もちろんリレーだ!同じメンバーとして、
そしてそのメンバーの枠を争うんだ俺達は・・・
俺達はライバルだ!!」
「ライバルなら、俺は手伝わない方がいいだろう。」
「そうなるな・・・いや、だけど!俺達はライバルでもあり、親友でもあるじゃないか!!」
「・・・知り合って2カ月の親友はちょっといない。」
「些事を気にするようでは大きな男にはなれないぞ柊!!
「ちなみに、そのこと話したことは?」
「ない!」
「・・・また、顔か?」
「いや、胸だ!!!」
「・・・ああ、お前らしくていいと思うよ・・・。」
「どうすればいい?教えてくれ柊!!」
「とりあえず・・・話しかけたら?テニス部と俺らって近い場所だしね。」
「分かった!俺頑張るよ!!」
俺は柊からの激励を受けて、西尾さんに話しかけるようになった。
俺に笑いかけてくれるようになった西尾さん。
彼女はマジ天使だ!!
あの少し動いただけで、揺れる胸・・・
もう俺の目は釘付けになってしまう・・・
ただ、そんな幸せな時間は長くは続かなかった。
同じ陸上部の女の子の山下から、
「南・・・西尾ちゃんが、気持ち悪いから話しかけて欲しくないみたいだよ・・・。」
その言葉に軽いショックを受ける。
「仲良く話してるよ?」
「・・・本人はそうは思ってないんだよ・・・。」
どうやら俺との思いに乖離差があるようだが・・・
だけど、きっと違う!
今こそ俺の思いを伝えるべきなんだ!!
俺はその日、西尾さんに告白した!!
結果・・・
「ごめん・・・。」
・・・どうやらあと一歩で俺の思いは届かなかったようだ・・・
あの、胸が俺の物にならないのか・・・
非常に残念だが、女の子は星の数ほどいる!!!
俺に相応しい女の子を探しに行こう・・・
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




