秦野君 ~4~
なかなかのクズの秦野君のお話です!
「じゃあ、私との関係もしっかり切ってよね。」
「・・・え?」
予想だにしない言葉が日暮の口から聞こえて来た!
え?
こいつは今何って言った?
俺との関係もしっかりと切って欲しいといったのか?
・・・どうして・・・
どうしてだ!?
なぜそんな選択肢を選ぶんだこの女は!?
「な、なんでだよ!!」
思わず怒気を込めて言葉を発してしまうのだが、
そんな俺に淡々と、そして冷たい視線を送ってきながら、
「別れたいからに決まっているじゃない。
秦野君のことはこれっぽっちも考えたくないの。
だから、もうこれで私に話かけて来ないでね。」
そう俺に告げるとそのまま立ち去ろうとする日暮に
俺は慌てて肩を掴むのだが、
「触れないでよね。」
そういって、俺の手を振り払うのであった!
「な、なんでだよ・・・俺のことを好きじゃないのかよ!?」
「別に好きじゃない。」
その声には何も籠ってもいない声である。
淡々と直情のない声で俺に伝えてくるのであった・・・
そんな日暮が「あ!?」と声を漏らしたかと思ったら、
自分の右手の薬指に付けていた指輪を外して、
「これ要らないから、返すね。」
そう言って、俺に渡そうとしてくるのであった!!
俺の心の中は激しく動揺をしている!
これまで外されると本当に日暮との関係が終わってしまうと感じたのだ!!
だから俺は、
「ゆ、指輪は付けていてくれよ!!」
「何で?」
「このままじゃ、俺とお前のつながりが完全に断たれるだろう?
お前が俺に気持ちが戻ってくる可能性を完全に閉じてしまうことになるじゃないか!!
だから、俺はつながっていたいんだ。
だから、その指輪をつけていて欲しい・・・」
そう言葉にして告げながら、俺は心の中で、
“その指輪があれば、他の男が寄り付くこともなくって、
俺の所有物であることを誇示できるのだから・・・”
そう呟いていた・・・
「いらないから。」
そんな言葉をかけたにもかかわらず、
あっさりと俺にはいらないと言ってくる日暮。
そのまま俺に指輪を渡してくると俺の前から立ち去っていたのであった・・・
どうして・・・
どうしてこうなった?
俺はただただ、去っていく日暮を見送ることしかできなかったのである。
俺が打ちひしがれていると俺に電話がかかってきた。
俺はすぐに電話を取り出して、表示を確認する!
もしかして日暮からっと思っていたのだが、
そこに表示されていたのはセフレの1人からだった。
電話に出る気分でもなく、すぐに切ったのだが、
また電話がかかってくる。
・・・よっぽどの緊急の電話なんだろうか?
俺はその電話に出ることにしたのだが・・・
「もしもし?」
「もしもしじゃない!!私の写真、どうしてなの!!!」
「?何を言ってるんだ?」
明らかに動揺しているようで的を得た会話ができない。
俺はイライラが込み上げてきて、
「ハッキリっと喋れ!!じゃないと分からないだろうが!!」
そういうとさっきまで話していた言葉が途切れて、
今度は鳴き声へと変わるのであった。
「ちぃい!!」
思いっきり舌打ちをして、俺はこの女の家へと向かう。
この女の家は俺達の大学からすぐ近くにのマンションだから
すぐにこのおんなの家にたどり着いた。
そして、部屋にまで行くと・・・
「・・・どうしたんだ・・・これ?」
女は床でうずくまって泣いている。
その周りには・・・いろんな男との写真がバラまかれていたのであった・・・
当然俺のもその写真の中の1人としているのだが・・・
っていうか、この女、俺以外にも男がいたって事か?
・・・ありえね・・・こんな女が!!!
俺が怒気を覚えている中で、女が、
「この写真が・・・学校にも・・・実家にもバラまかれた・・・。」
「・・・は?」
いや、家に送り付けてくるのは分かるけど、
学校にもってどういうことだ?
それに実家にもって・・・・
その言葉を聞いて俺がただただ呆然としていると、
俺のスマホがまた鳴り出した。
そこには他のセフレの名前が表示されているのである・・・
も、もしかして・・・
俺は3人のセフレと、あともう1人の遊び相手それぞれから電話を受ける。
結果は・・・全員が同じことをされていたのだ・・・
やった相手は誰かが分かる・・・
日暮・・・
そして、俺だけはやられていない・・・
確実に俺の写真も撮られているだろう。
そしてそれを大学にも実家にも送らないってことは・・・・
俺が今後何かをしたら、間違いないくこの写真が俺の周り・・・
大学や実家に送り付けられたりバラまかれたりするのだろう・・・
こ、こんなに恐ろしい女だったとは・・・
俺は恐怖のあまり震えて、その場に蹲るのであった・・・
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




