土井さん ~1~
ちょっとモテる土井さんのお話です!
大学に入学して、一週間ほどが経過した時だった。
「土井さん!!好きです!だから付き合ってください!!」
そういって、私に告白してきたクラスメイトがいた。
「え?だけど、私、貴方と話したのって今日が初めてじゃない?」
私の記憶の中では確かに同じクラスでは見たことがあると思うのだが、
まともに喋った記憶は全くなかった相手である。
というか、そもそも今日もここで同じ授業を受けて、
近くの席に座っているから、同じクラスメイトだという認識をする程度で、
それがなければ同じクラスだということも分からなかったと思う相手である。
そんな相手から告白されてもな・・・
正直、今、目の前にいる彼を見ても全然興味が湧かないけど・・・
顔は普通
身長も普通
そんな彼と付き合っている自分がいまいち想像ができなかった。
だから、
「ごめん、よく知らないし、付き合うとかはないから。」
そう言って、その場を立ち去ろうとするのだが、
そこで彼も食い下がってくる。
「確かにまだ一週間しか経ってないし!!その気持ちはわかるよ!」
「一週間というか・・・まだ話したこともないの状況でしょう?
知り合ってもいないからね。」
「だけど!そんなの関係ない!だって、土井さんが好きなんだもん!!」
・・・・
全然私の言葉が彼には伝わっていない気がするのは
気のせいなんだろうかな・・・
「・・・じゃあ、どこが好きなの?」
「え?・・・土井さんが好きなんだよ!どこって言えないよ!!」
「・・・だけど、私の性格も知らないよね?」
「そ、それは・・・。」
「どんなのが好きとか、どんなものが嫌いとかも知らないよね?」
「・・・。」
「そもそも私の出身がどこかは知ってる?」
「・・・し、知らないけど、1人暮らししてるよね!
それは知ってるよ!!」
「何で?そんなこと知ってるの・・・。」
思わず身を一歩引いてしまう・・・
こいつはもしかして付きまとってるんじゃ・・・
そんな私を見て察してくれたのだろう、慌てて、
「いやいや、たまたまあそこのスーパーで見かけたんただよ!
そこで買い物をしてるってことは1人暮らしをしているってことだよね?
だから、1人暮らしをしていると思っていたんだよ!!」
一応、話としては分かる。
実際にあそこのスーパーで買い物をしているのは事実だし、
その姿を見たのならひとり暮らしをしていると理解できるのだけど・・・
それでも私の警戒感は外れることはない。
実際に、高校時代には付きまとわれたこともある。
放課後何度も私の後ろをついてくる男子がいた。
そして、ついには家まで付きまとわれたために
先生に言って止めさせたのだが・・・
その後の復習がひどかった。
学校に行くと、机が荒らされていたり、
下駄箱の上靴がなかったりしたのもたびたびある。
犯人はその男子しかいないのに証拠がないといって何もしない先生・・・
結局何とか自分達でしなくてはいけなくなったのだ・・・
そんな困っている私に手を貸してくれたのが橋口達であった。
放課後みんなが帰った後で、コッソリとトイレに身を隠して教室を見張っていたり、
他のメンバーは階段付近に隠れて様子を伺っていた。
一時間くらいが経過してきた頃であろうか、
私達もこんなことをいつまでしなくちゃいけないんだろうかと思っていた時だった。
あの男子が・・・私に告白してきた男子がきょろきょろと辺りを見回しながら
教室に戻って来たのであった。
私達はSNSでメッセージをやり取りしながら男子を追いながら、
ゆっくりとそして静かに教室に近づいていくのである。
教室の前側の入り口、更には後ろ側の入り口にそれぞれ移動して、
教室の中を撮影するのだが・・・
そこにはおぞましいほどの姿があったのだ!!
目標としている男子はまさに私の机の所に居た。
そして、ズボンを下げて・・・
自慰をしているのである!!
思いっきり吐きそうになる光景があった。
そして、どのくらいか経過したかはわからないが、その動きを止める男子に対して、
みんなが一斉に詰めよるのである!
「ちょっと何してるんのよ!!」
私達の声に慌てて振り返るのだが、
そこはズボンを下げていたせいで、足がもつれてその場に倒れ込む男子。
「先生呼んでくる!」
そういって、先生を呼びに行ってくれた友達と
まだ教室に残ってくれる友達。
「な、なんで!?」
驚いた表情で私達がここにいるのを尋ねてくるのだが、
「いっつも私の机で・・・そんなことしてたの!!」
私が怒気を込めた声に顔を赤らめて明らかに動揺した顔をする男子。
「あんたが今までの犯人だんの!!」
更に問い詰めるのだが、
「ち、違う!俺じゃない!!」
「何が違うのよ!!その手に持ってるものやポケットから出てる物は何よ!!」
そういって、男子のポケットから見えている私の手帳を指さす!
この手帳も数日前から無くなっていたのである!!
「こ、これは拾って・・・か、返そうと思ったんだよ!」
「ウソつかないでよ!こんなことして、そんなウソが通じると思ってるの!!」
私が先ほど撮影した動画を男子に見せると
顔面蒼白になっていく・・・
その頃になるとやっと先生が教室に現れるのであった・・・
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




