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柊君へ ~Another Story~  作者: Taさん
第三章
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橋口さん ~11~

モテる女性は苦労します・・・。

そんな橋口さんのお話です!

「橋口さんは帰っていいよ。あとは・・・まあこっちで何とかするからさ。」


私の言葉を聞いた中西君が崩れ落ちた後、

柊君が私にそんなことを言ってきたのである。



「で、でも・・・私のせいだから。」


「今はそんな優しさいらないよ。

 まあ、ここは男同士で話をするからさ。」


そういって、私に気をつけて帰ってねっと告げてきたので

私はその言葉に従うことにしたのであった。


家に帰る途中もずっとそのことが気になってしまっていた。

あの後どうなったのか・・・


柊君にメッセージを送ったり、しばらくしてから電話を掛けたのだが、

一度も返事はない。


不安で寝ることが出来ずにスマホをジッと見つめていると



“ピロリン”


柊君からメッセージが返ってきたのである!

私はすぐにメッセージを開いて中身を確認すると、



“今って電話して大丈夫?”


そのメッセージを読むや否やすぐに私は電話を掛けるのであった。

電話を掛けて数秒後には電話がつながり、



「もしもし!」


「お疲れさま。」


柊君の声が返ってきたのであった。


その言葉を聞いて安堵する。あの後、殴り合いや下手すれば・・・と不安に駆られていたため

いつもの調子の声が返ってきたことで安堵したのである。



「橋口さんは無事に帰れた?」


「う、うん・・・。」


こっちの心配をまずしてくれる柊君にやっぱり柊君ってと思ってしまう。



「まあ、こっちは・・・ボチボチと慰めているところだよ。」


「そうなんだ・・・。」


「うん、今は北谷とかと共にみんなで集まってパーティーをやってるかな。」


笑いながらそんなことを言う柊君に私もつられて笑ってしまう。

柊君と話しているとこっちまで楽しくさせられている実感がある。



「まあ、中西君がやったことは、道から外れてしまったけど、

 男同士だからね、今は慰め中なんだよ。

 橋口さんにとっては・・・辛いことだったから申し訳ないけど。」


「ううん・・・今は大丈夫だよ。」


「そっか・・・。

 ただ、中西君にはしっかりと自分のしたことには

 反省をしてもらわないといけないから

 ちょっと長めに説教をさせてもらったよ。」


「・・・そうなの?」


「そうだよ。だって、俺が橋口さんの立場だったら、

 本気で恐怖を感じてるはずだからね。

 だから、そこのところはあやふやにしちゃ駄目じゃん。

 だから、そこはハッキリとさせてもらいました。」


「・・・うん。」


「まあ、ここからは橋口さんにとっては、難しかったら、聞き流してもらっていいけど、

 もし、明日中西君が挨拶をして来たら、挨拶を返してあげてね。」


「・・・え?」


「もしくは橋口さんが中西君を見かけたら、

 挨拶をしてあげて欲しいなと思ってるんだよ。

 ただ・・・それは、今後も中西君と友達でいる場合を選択するならね。」


「・・・。」


「きっと今回の件で、2人の中でわだかまりが出来ると思うんだ。

 だから、挨拶をするってことが大事なんだよ。

 そのきっかけがあれば、友達として成立できるとも思うんだよね。」


「・・・それは柊君の経験談?」


「あ、やっぱりバレる?そう、経験談。

 話すきっかけがあれば、どこかで影を落とすのは落としてしまって今まで通りとはいかないけど、

 それでも会えば話せるし、会話ができるんだよ。

 だけど、そのきっかけがなければそこで断絶してしまって、

 もうそこから交わることってなかなか難しくなってしまうんだ・・・。

 俺もそんなことが過去にあって、その学校にいる間には一度も話すこともなく、

 交わることもなかったよ。」


「・・・そっか・・・。」


「そう。だから、まあ、どうするかは橋口さんが決めるといいよ。

 ただ、今後はこんなことが起きないように中西君には釘を刺しておくけどね。」


「うん・・・。」


その後も少し柊君と話をして、電話を切った。

そして、今後のことを考えだす。


私は・・・中西君と友達でいたいのかな・・・


中西君との出会いから考え始めて、どんな風にして出会ったか、

そして、その後、そして今までどんな風に接していたのかを・・・


当然楽しいこともあったし、イラっとしたこともあった。

そんなことを思い出しながら私はゆっくりと眠りにつくのであった・・・


次の日の朝になっても昨晩柊君から言われた回答は見いだせてはいなかった。

私はどうしたいか・・・


いつもの時間になって、いつもの電車に乗って学校へと行く。

その間にも考えているが、その間にも答えは見つけ出せなかった。


見つけ出せないといっても時間は経過していき、

気がつけばいつも中西君が乗ってくる駅についた。


・・・乗ってくるのかな?


期待と不安が入り混じった気持ちになりながら、

乗車口を見るのだが、やっぱりというか、


今日はそこから中西君が乗りこんでくることはなかった。


そこで、私はホッとした気持ちと共にちょっと寂しい気持ちになるのであった・・・


気がつけばすでに学校に行くために下りる駅に到着して

私はそのまま学校に向かって歩いて行く。


その道中で寮の方から歩いてくる一団を私は見かけた。

そこには柊君や北谷君・・・そして、中西君がいた。


そう言えば、昨日はパーティーとか言っていたな・・・

それで中西君は寮に泊まったから、あちらから来たのかもしれない。


そんなことを思いながら、一団に目をやっていると

ふと中西君がこちらを見たのだが、

その視線はすぐに違う方向へと向かってしまう。


あ、反らされた!!


そう直感するには十分であった。

そして、その行為が、


ズキ


っと心を傷つけたのを感じたと同時に

私は動き出したのである。



「柊君、おはよう!そして・・・


 中西君、おはよう!」


私の言葉に動揺したような顔をする中西君だったが、

すぐにその動揺をおさめて、



「おはよう、橋口さん。昨日は・・・というか、今までごめん。」


「ううん。気にしなくていいんだよ。」


そう私は中西君の言葉に返すのであった。

返しながら思ったのは、昨日柊君が言ったように、

ここで挨拶ができなければ、きっと中西君とは

これからずっと話すことはなかっただろうということだ・・・


今はすでに一団からも笑い声が響いており、

中西君も苦笑ではあるが笑っている。


きっと、ただの挨拶ではあるけど、

それがなければこんなことにはならなかっただろうな・・・


柊君には感謝だよ・・・


ただ・・・


少し駆け足で駆け寄っていた間に、柊君とも目が合っていて、

その時に、少しニヤリと笑った柊君を見て、

私がどんな行動をとるのかが分かっているような顔をしたのがちょっと癪だけど・・・


だけど、まあ、今日のところは柊君に感謝だな・・・


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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