橋口さん ~10~
モテる女性は苦労します・・・。
そんな橋口さんのお話です!
「そっか・・・。」
泣きながら柊君に中西君との出来事をすべて話していた。
それはきっと聞きにくかっただろう。
だけど、そんなことは何も言わずにジッと聞いてくれた柊君。
そして、話終えたところで、言葉を発したのであった。
結構な時間話していたのだろう。
すでにアイスコーヒーの氷はすべて溶けていたのだが、
「コーヒー変えますね~。」
そういって、店員さんがコーヒーを取替ようとしてくれたので、
慌てて私はそれを制するのだが、
「いいです!私が飲まなかっただけですから!!」
「いいんですよ~。だって、ここは喫茶店で、あなたはお客様です。
そのお客様の出して欲しいタイミングにこちらが出せなかったので。
こちらの責任なんで、もう一度淹れ直してきますね。」
「で、でも・・・。」
「じゃあ、こうしましょう!これは柊君につけておきますね。」
「ちょっとまった!!ここで俺!?」
慌てて、柊君が私達のやりとり入ってくるのだが、
「そういうことで。」
そういって、ニコリとして店員さんが、アイスコーヒーを回収して立ち去って行くのであった。
「・・・何か、ごめんね。」
思わず柊君に謝ると、
「?別に何も橋口さんが謝ることはないよ。」
「だけど・・・。」
そう言った時だった、ポンと私の頭の上に手が置かれて、
「頑張ったね。」
そういって、柊君が頭を撫でてくれるのであった。
そして私はまた泣き出したのであった・・・
結局2時間以上も喫茶店にいることになった。
だけど、さきほどまでの気持ちが嘘のようにスッキリしていたのは言うまでもない。
「またのお越しをおまちしております!
来月は、抹茶のシフォンケーキですからね!」
そういって、店員さんが満面の笑みでお見送りをしてくれるのであった。
「あそこって柊君はよく行くの?」
「まあ、そこそこ言ってると思うけどね。」
「ふぅ~ん・・・誰とかな?」
「そこは・・・黙秘する。」
「うわぁ~いやらしい!!彼女さんに言おうかな~。」
そんなことを言い合いながら歩いていると目の前にある人影が現れる。
それは・・・すでに私の中で予想が出来ていたのだが、
それでもやはりビクッと驚いてしまう。
「わざわざそこで待たなくても喫茶店の中に入ってきてもよかったんだぜ・・・
中西君。」
柊君がそんな風に目の前に現れた中西君に声をかける。
その顔は・・・何と言っていいのか分からないけど、
不安や嫉妬、そして怒りに満ちた顔を中西君はしていたのであった・・・
私達3人の中に沈黙が走る。
ただその沈黙はものすごい重い空気を持っており、
言葉を発することを許さないような空気になっていた・・・
「・・・ど・・て・・・。」
「え?何?」
その思い空気の中、やっと中西君が言葉を開いたのだが、
その声が突然であったのとあまりに小さかったため聞き取れず、
思わず聞き返してしまう。
「どうして柊君なんだよ!!」
そういって、私に駆け寄ってくる中西君に対して、
柊君が私達の間に入ったと思ったら、
ドグゥ!!
そんな鈍い音が響いたと思ったら中西君と柊君が距離をとる。
その時中西君はお腹の辺りを抑えており、
柊君は拳を握っていることから柊君が中西君を殴ったのが分かる。
「中西君・・・悪いけど、君相手に手加減は出来ないからね。」
そういって、私の前に私を隠すように立つ柊君。
中西君は、柊君の隙間から見えるけど、どうやらこちらを向いているようなのは分かる。
また沈黙が流れるが今度は柊君がその空気を破る。
「悪いけど、中西君・・・君のやっていることはストーカーだぜ。」
そう柊君がハッキリと中西君に告げるのであった。
その言葉に目を見開く中西君。
その顔には驚きが浮かんだかと思うと、キッと顔が締まり、
「そんなことはない!!だって・・・俺は・・・
橋口さんが好きなんだから!!」
その言葉に思わず今度は私が目を見開く。
そんな私の驚きは柊君には伝わっていないのだろう、
すぐに柊君が、
「好きだからって何をしても許されるわけじゃないんだよ!
相手に付きまとうのは、彼氏でも許されないし、
ましてや“ただのクラスメイト”にやられたら
怯えるのは当たり前だろ。」
柊君が言った言葉の中で“ただのクラスメイト”というところが
強調されるように言われたのは気のせいだろうか?
私がそんなことを考えているとワナワナと震える中西君。
顔は紅潮して今にも襲い掛かりそうな顔をしているのである。
柊君の顔はこちらから見えないけど、どんな顔をしているのだろうか?
柊君と中西君は間違いなく友達である。
それなのに柊君にこんなことを言わせてしまう何って・・・
心がギュッとなる。
私も言わなくちゃ・・・
言わなくちゃいけない!!
そう決意を固めて、私は意を決して言葉を発するのであった!!
「ごめん!私は中西君のことは・・・好きじゃないの!!
私の好きなのは彼氏なの!!
だから、ごめん!中西君の気持ちには答えられないの!!」
そう告げるのであった。
その言葉確実に中西君に届いたのだろう。
驚いた顔をして、そして・・・ショックを受けた顔をするのであった。
だけど、更に私は言葉を続ける、
「だから・・・もうこんな付きまとうことは止めて!!」
私はそう中西君に叫ぶのであった・・・
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




