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柊君へ ~Another Story~  作者: Taさん
第三章
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橋口さん ~9~

モテる女性は苦労します・・・。

そんな橋口さんのお話です!

「こっちは実験終わったよぉ。」


結局実験が終わった時に私は柊君に連絡を入れた。


さっきまで中西君が近くにいたせいで、苦しかったのが、

今電話を掛けているだけなのに、ドキドキとして、

憂鬱な気分が嘘のように晴れていた。



「お疲れさま。今、売店の所にいるから・・・。

 裏門の方に集合でどう?」


「え?裏門?ピラフ屋さんなら正門の方が近いんじゃない?」


「ピラフは軽食じゃないって言われたからね~。予定変更で!」


「・・・もしかして根に持ってる?」


「・・・若干。」


「そんなウソだって!」


「まあ、自宅生じゃん橋口さんって。だったら、ガッツリ食べたらまずいだろう。」


「・・・もうガッツリって言ってるじゃん!」


「あ!?」


「いやいや、バレバレだからね!ピラフって言った時点でさ!!

 まだ騙せるとか思ってたわけかな?」


「・・・記憶にございません。」


「ほんのついさっきのことじゃん!絶対に記憶にあるでしょう!!」


そんな会話をしていると柊君の姿が目に入ってきたので、

スマホを耳から外して、柊君の方へと手を振ると、

柊君も同じような行動をしてこちらに向かって手を振ってくれた。



「思ったより早かったね。」


「何が?」


「いや、この間、橋口さん達がした実験を俺らもやったんだけど、

 その時はもうちょいかかったんだよ。」


「そうなの?けど、べつにうちの班だけではなくて

 他の班も同じくらいに終わっていたけどね~。」


「・・・4組全体が遅かったのかな?」


「じゃない?だって、そんなに時間がかかるような実験じゃないでしょう?」


「・・・まあ、俺達は慎重に進めていく質だからね。」


「・・・その言い方だと私達は慎重じゃないって言っているように聞こえるけど?」


「・・・思い切りがいいって褒めてんだよ。」


「絶対におもってないよね?なんか悪意を感じるのは気のせいかな?」


「・・・。」


「ちょっと!!否定するなり、何か言ってよね!!」


「そ、そんな怒らないでくださいよぉ~。」


笑いながら、そんなことを言ってくる柊君に思わずポコッと拳でたたく!



「う、腕が~!!」


「そんな折れるわけないじゃん!!こんなか弱い女子が叩いたくらい!!

 しかも結構手加減して叩いたし!」


「犯人はそういうんだって!私じゃないってさ・・・。」


「犯人とかじゃないし!!」


「あ、着いた!ここ!」


「え!?ここ?」


話が急に折られて驚いたのと、更には目的地に思ったよりも早く着いたのに驚いた。

というか、こんな所にカフェがあったことを知らなかったわよ・・・


目の前には、アイビーに囲まれた壁で、

ちょっと不思議な感じがあるカフェ・・・というか、喫茶店って言う感じかな?



「はい、入った入った。」


そういって、先に扉を開けて中に入っていた柊君がひょっこりと戻ってきて、

私の手を取って中へと連れて行ってくれるのであった・・・


そこに広がる光景はまさに映画とかに出そうな光景である。


カウンターの中には、髭を生やしているマスターらしき人がいて、

そこにアルバイトの子であろう女の子が1人、満面の笑みで

こちらに、



「いらっしゃいませ!」


そう挨拶をしてくれるのであった。



「2人なんですが・・・あっちの席はいいですか?」


そういって、奥の二人席を指さす柊君に



「いいですよぉー!だけど、いちゃいちゃしちゃだめですよ!」


「しないから大丈夫です!」


柊君とこの店員さんとのやり取りを見ていると2人の仲がうかがえる。

ここって柊君、結構着ていたりするんだろうな・・・


私は柊君に続いて、奥の席へと向かって行く。

本当に映画や小説に出てきそうなお店であり、少し薄暗く感じてしまうお店であった。



「ここのおすすめは季節のシフォンケーキだよ。」


「え?どんなの?」


柊君に言われて私はメニューを見るのだが、

どこにもシフォンケーキを取り扱っているとは書いていない。



「メニューには載ってない裏メニューだよ。」


そういって、ニヤリと笑って、先ほどの店員さんを呼ぶ柊君。



「俺はアイスコーヒーで、橋口さんは?」


「あ、じゃあ、私も一緒ので。」


「アイスコーヒー2つとシフォンケーキも2つください。」


「ええ~?どうしようかな~。」


「いやいや、そこはかしこまりましたのでいいでしょう!!

 シフォンケーキを注文してお店の売り上げにも貢献してるんだしさ!!」


「・・・仕方がない・・・かしこまりました。。」


完全にふてぶてしい感じでいう店員さんに私は思わず苦笑してしまうのであった。


しばらくすると、ブルーベリーヨーグルトのシフォンケーキと飲み物を持ってきてくれて、



「じゃあ・・・泣かすのはほどほどにね。」


そんなことを言って立ち去って行く店員さんに、



「失礼な!!」


と怒る柊君の姿に私は笑うのであった。


ああ・・・


本当に楽しくて笑えたな~・・・


昨日も笑ったはずなのに、そこから今笑うまで異常に長く感じていたのであった。

そして・・・


笑みを浮かべたと思ったら、本当に意識もなく目から涙が流れ出したのであった・・・


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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