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柊君へ ~Another Story~  作者: Taさん
第三章
139/201

橋口さん ~7~

モテる女性は苦労します・・・。

そんな橋口さんのお話です!

朝から変な事件に巻き込まれて、ぐったりと一日を過ごして、

やっと今日の授業を終えて、帰ろうとした時のことであった。


私は土井ちゃんと日暮ちゃん達と別れて、

駅に向かって1人で歩いて行こうとした時に、



「お、今から帰るん橋口さん?」


そういって、急にどこからともなく中西君が目の前に現れるのであった。



「うん、今から帰りだよ。」


そう答えながら、私の中ではこの言葉の後に、

“じゃあね”という言葉を言おうとした時のことである。



「お、俺も帰るから・・・い、一緒に帰ろうかな~・・・。」


「え?部活は?」


中西君は普段は部活があって、一緒に帰ることなんかはないはずなのに

急にそんなことを言ってくるのでビックリした!!


そして、さらに頭の中では、なんで・・・


“一緒に帰ろうかな~”


何だろう?

“一緒に帰ろう!”って言わないところが・・・

また、男らしくない言葉を・・・と思ってしまう・・・。

それを口に出すとちょっと危険な感じがしたので、

その言葉を口に出すことはないのだけど。



「今日は部活はちょっと休もうかと思って・・・。」


「そうなんだ・・・。」


ここでしばしの沈黙が流れる。


当然、こんなタイミングで現れたのだから部活を休んだのは

私と一緒に帰りたいためなんだろう。

けど・・・そんなことは私は一つも頼んでないのだが・・・


それにここまで言っておいて、

どうして一緒に帰らない?とかを言ってこないのかな~・・・

私からは、言うつもりもないから沈黙になってしまう。


・・・


・・・


どのくらいの沈黙が流れたのかが分からないけど、

結局中西君からは誘いの言葉は来なかったので、



「じゃあ、帰るね。」


「お、おう。」


そういって、中西君に手を挙げて駅に歩いて行くのだが、

まあ想定通りだけど・・・中西君が後ろをついてきた。


さっきの“私の帰るね”は、“じゃあ、帰ろうか”にでも

変換されたんだろうかな中西君の中では・・・


私の中では、1人で帰るからって意味で、帰るねって言ったのに

しかもそれで手を挙げて、しかも振ってかえったんだけどな~。

普通、そうされるとさようならってことで、そのまま別れるの一般的だと思うんだけどな~・・・


まあ、仕方がないかと思っていながら、電車に乗って帰っていたのだが・・・


電車に乗っても特に中西君から話かけてくることはない。

まあ、私も何かを話す気にもならないから

話しかけていないのだけどね。


そのまま無言のまま、中西君が降りる駅に電車が到着したので、



「じゃあ、お疲れさま。」


私が中西君に挨拶をするのだが、それに対して中西君が、



「きょ、今日はもう少し乗っていようかと思ってるんだ。」


「・・・は?」


思わず間抜けな返事になってしまうのだが、

そんな返事になるのは仕方がない。


だって、予想していなかった返しが中西君から返ってきたのだから!!

どういうこと?

っていうか、どこまで乗るつもりなんだろう・・・



「じゃあ、どこまでいくつもりなの?」


「うん、まあ・・・。」


そう言って、言葉を濁す中西君だが、考えていることは分かる。


・・・私の降りる駅までくるつもりなんだろうな~・・・


中西君の考えてくることがわかる自分に何とも言えない気分になるのだが・・・


これ以上、この話をするつもりがないので、私はこれ以上の質問をしなかった。

するとちょっとほっとしたような顔をする中西君。

そんな顔をするくらいなら、どこに行くとかの回答は事前に用意していたらどうなのかな?

付いてくるつもりなんだったら、私からそんな質問がくるのでは?って

予想がつくよね?

・・何と言うか、頭があんまりよくないよね・・・


結局そのまま私の降りる駅まで無言で私の横に座る中西君。

私も特段話すこともなく、ついに私の降りる駅になったので、



「じゃあ、私はここだから。」


「え!?あ、え!?」


私は意図して自分が降りる駅を中西君には伝えていなかった。

何か、降りてくるって言いそうだし・・・


戸惑う中西君に手を振って私は降りていった。

そして中西君は電車の中で私を呆然と見送るのであった。


ただ・・・


ここでの失敗は、私が降りる駅を別の駅にしておけば良かったのだ・・・


この時は、どこの駅で降りるかを伝えないことで

事を得たとと思っていたのだが・・・


次の日の朝、いつもの電車に乗ろうと駅に向かい、

ホームに行くと・・・



「何で・・・。」


思わずそんな言葉が漏れてしまう・・・。

私の目の先にはなぜか・・・


いや、なぜかはもう分かっているけど・・・


中西君がいたのであった!!


そして、私に気づいた中西君は嬉しそうな顔をして手を振ってくるのである。

私は・・・その笑みにただただ恐怖するのであった・・・



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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