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柊君へ ~Another Story~  作者: Taさん
第三章
129/201

谷川さん ~2~

イジメっ子の谷川さんのお話です!

「じゃあ、スジってやつを見せてよ!」


「え?・・・いいよ。ってか、それなら、今日授業終わったら、

 うちにおでんを取りに来いよ。分けてあげるよ。

 どうせおでん自体食べたことなかったりするんじゃないの?」


「あるわよ!うちの家政婦が作るもの!!」


「・・・家政婦かよ・・・。」


呆れるようなまなざしを向けてくる柊をキッと睨む。

それをヘラヘラ笑いながら受け流す柊にイラっとしながらも、



「そこまで言うなら、もらってあげるわよ。」


「じゃあ、また放課後に。」


そう言ったところで先生が入ってきてのたで、授業を真剣に受けだす柊。

そして放課後を迎えると・・・



「・・・遅くない?」


「あんたが早いのよ!何で、あんなに早く実験終わらせてんのよ!」


柊のいた班は断トツで実験を終わらせていた。


・・・それに対して私達の班は手際の悪いこと悪いこと・・・

思い出しただけでもイラっとする。



「日頃の行いじゃない?」


「私が悪いみたいに言わないでよね!私はいいわよ!」


「へぇ~・・・・。」


そう言いながら、もの言いたげな目を向けてくる柊。

絶対にこいつはそんなことを思っていない目をしている。


・・・こいつめ・・・


ちょっとムカッと来るのだけど、ここは私の方が大人だからグッと我慢する。

それにこいつは口が達者だからめんどくさいし・・・


そう思いながら、柊と一緒に歩くのだが・・・


そこでアッとあることに気づいた!


このまま一緒に行くと、柊の家に行くことになるんじゃないの!?


そのことを考えると身構えてしまう!


だって、男の家に行くって・・・危ないじゃない!?


そんなことを思っていると、



「あ、ここだよ。」


そう言って、指さした先にはボロボロの建物があり、

その建物は構内にあったのだ!!



「え!?このボロ小屋、なに?」


「俺、寮に住んでんだよ。」


「寮!?え!?だって、マンションに住んでんじゃないの!?」


「?何でマンションなんだよ?」


「いや、だって・・・。」


柊の恰好や普段の態度なんかを見ていると

育ちの良さがうかがえるし、そこそこ金持ちだと思っていた。


それがこんなボロボロの建物に住んでいるなんて・・・



「寮内は女子入寮禁止だから、ここで待っててよ。」


「ええ・・・。」


寮の玄関の部分で待っててと言われて待つことにする。


っというか、何か汗?何の匂いかは分からないけど、

変な匂いがするためこれ以上入るのをためらわせるものがあるので

むしろかえって好都合だ。


辺りを見回すとボロボロの下駄箱があったり、

床も汚れいていたりと、正直清潔とは程遠い場所である・・・

気がつけばわずハンカチで口を隠してしまっていた。


しばらくしてやっと柊が来たと思ったら、

大きな鍋を抱えてやってくるのだ!



「好きな具材が分かんなくってさ、好きなの取ってよ。」


そういって、鍋をテーブルの上に置いて、ふたを開けて選ばせてくれる。



「・・・タコがいい。」


「・・・タコ入れるの?」


「ないの?」


「少なくとも俺の地元のおでんにタコは入らないけど。」


「え!?本当に!?」


「ウソついてどうするんだよ・・・。

 スジとか、大根とかもおいしいけど、餃子巻とかもいれてあるから

 遠慮なく持って帰ってよ。」


「・・・何?餃子巻って?」


「マジか!?」


何で知らないのって顔を向けてくる柊だが、

そんなの知るわけがない!

そんな外道みたいなおでん知るわけがない!



「じゃあ、スジと餃子巻は取っといて。」


「分かったわよ・・・。」


柊が進めるスジと餃子巻をタッパーに移す。

その後、ちくわやウィンナーなんかもいれてくれる。



「・・・ウィンナーのおでんてあうの?」


「食べたことないの?」


「ないから聞いてんじゃん!」


「美味しいから食べてみてよ。」


そう言いながら、7,8品を入れてくれたタッパーを閉じて、

ナイロン袋に入れて、更には用意していた紙袋に手際よく入れてくれる。



「・・・いいの貰って?」


「別にいいんだよ。明らかに大量に作ったんだしさ。

 他にも人に分けなきゃ腐らせてしまうからね。」


苦笑して言う柊の手元にある鍋を見ると確かに納得してしまう。

こいつはこんなに大量にどうして作ったのかと疑問がわく大きさだ。

そんな私の疑問に柊は・・・



「だって、初めておでんを作ったんだけど、めっちゃ膨らむんだよおでんってさ!

 最初はこれだけだとすくないよなぁ~って思って、入れてたんだけど・・・

 出来上がりには倍以上の大きさになっていたよ~。」


「ホント、計画性がないわね。」


「まさにね。」


失敗したことを嬉しそうに笑う柊。

私は思わず呆れてしまう。


その後は、貰うものを貰ったので帰ったのだが、

家に帰ってレンジで温めて貰い、おでんを食べると・・・



「・・・美味しい。」


「美味しいですね~。」


私と家政婦が一緒に食べて、おでんのおいしさに驚くのであった。


特に餃子巻は美味しかった・・・。


それとスジは家政婦の作ってくれるおでんにも入っていたようだが、

私が食べずに気づいていないことを聞かされたのであった・・・


その後も、



「ウィンナーも合いますね~。」


家政婦がそんなことを言いながら、

今度のおでんにはウィンナーを入れてみますと言っていた。


ま、まあ、おでんも美味しかったし、ちょっとは柊のことを

許してやってもいいかな~と思ったのであった。



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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