谷川さん ~1~
イジメっ子の谷川さんのお話です!
私は昔から可愛かったからか、
私の人生はイージーモードな人生だと理解するのに時間はかからなかった。
それに私の容姿だけではなく、家も所謂億ションと言われるマンションに住んでおり、
父は会社経営を、母はエステを経営していた。
富にも恵まれて、毎年父の部下を連れて行うパーティーでは
入れ替わり立ち代わり私に挨拶をしてきた。
小学生の私に必死におべっかをする姿は滑稽でしかなかったのを覚えている。
だから、私は当然、小・中・高の一貫の大学では、
私はカーストトップの人間であった。
常に私の傍には誰かがいる。
それは女子も男子もである。
そして、何かがあればすぐに周りの子達が解決してくれるのだ・・・。
当然誰も私に逆らう人間何っていなかった。
そう・・・
柊って男に出会うまで・・・
出会いからして最悪であった。
私と同じ学校の武田と一緒にいる時に、私達に絡んできたのだ!
そして、あろうことか私に大学合格を辞退しろなんってことを言ってきた!!
私だってこんな大学になんか来たくなかったわよ!!
それなのにパパの出身大学だからということで、
この大学を選ぶことなったんだから・・・
当然希望は、そのままエスカレーターで大学に上がるか、
むしろ関東に行って1人暮らしをしたいと思っていたくらいよ!
だけど、それはパパもママも許してくれなかったし、
少なくとも実家から通える範囲の大学以外は選ばせてももらえなかった。
だから、私はこの大学に行くしか選択肢がなかったのよ!
それなのに何も知らないあいつは・・・
それに一緒にいたあいつらもあいつらよ!
何で私があんた達のために辞退なんかしなきゃいけないのよ!
勝手についてきて、勝手に落ちたのに何でそんなあんた達のために
私が辞退しなきゃいけないのよ!
辞退するなら柊と武田以外いないでしょうに!!
もの言いたげな目で見てきたあいつらの目・・・
気持ちが悪い・・・
そして、入学早々に柊に絡まれてしまって、
学年中に私がイジメていたなんて言いがかりが流れてしまったじゃない!!
おかげで、みんなからの視線が・・・
ああ・・・考えただけで苛立ってしまう・・・
そのせいで、クラスごとの授業で私に話かけてくる人間なんていない。
・・・いいえ、1人いたわね・・・。
どうしてあの 柊 は私に話かけてくるのかしらね・・・
今朝も学校に行ったら、
「おはよう。」
「・・・おはよう。」
私を見かけて挨拶をしてくる柊。
私は返事を返してあげていると、何も言わずに私の前の席に座る柊。
「今日も暑いね~。歩いてくると汗がひどい。」
「・・・私は学校まで車で送り迎えしてもらってるからたいして暑くないわよ。」
「まじか!?暑い日とか寒い日、雨の時なんか良いね。」
「それはそうよ。ただ、構内まで入れないから、その点が不便だけど。」
「高校でもそうじゃないの?」
「別にそんなことないわよ。
高校は昇降口まで許可された車なら入って良かったのよ。
だから、車を降りる時には、もう屋根のある所だったわよ。」
「・・・マジかよ・・・。
俺なんか、雨の中でも自転車で帰ったりしたことあるのに・・・。
おかげでグッチョりと濡れてしまったりすることが、
多々あったんだよね~。」
「あんたにはお似合いじゃないの?」
「・・・水も滴るイイ男っていう意味?」
いやぁ~、自分でいうのは恥ずかしいんだけど。」
「・・・全然違う。」
「・・・さいですか・・・。」
そんな会話をしている最中にもこっちを向かずに
授業を受ける準備をしている柊に思わずしかめっ面をしてしまう。
・・・こいつは人と話すときには目と目を見て話すってのを習わなかったのかしらね?
ちょっとムッとしていたのだが、
よくよくカバンの中を漁っていた柊のカバンの中を見ると、
「・・・ねえ、あなたってお弁当持ってきてるの?」
ふと気になったのだが、お弁当箱らしきものが入っていることに気づいたのだ。
え?ああ・・・
「もしかして彼女から?」
「いいや違うよ。昨日、晩ごはんを大量に作ったから、
今日のお昼もお弁当に詰めて食べようかと思って、詰めてきた。」
「何を作ったの?」
「おでん。」
「・・・あんたバカ?」
「・・・何でいきなりバカ呼ばわりされなきゃいけないんだよ・・・。」
「じゃあ、なんで汁物をお弁当に詰めてきてるのよ?」
「タッパーだから大丈夫かと思って・・・。」
「傾けた瞬間アウトでしょう。」
「一応、気にしてカバンを扱ってきたんだけど・・・。」
「絶対にこぼれてるわよ。それになんでもうすぐ夏になろうかって季節に
おでん何か作ってるのよ?」
「いやぁ~、おでんセットを大量に貰ってさ。
消費させなきゃいけないな~って思ってね。
それに俺、おでん好きだし。」
「あんなのどこがいいのよ?」
「味が染みた大根とかおいしいじゃん!」
「・・・まるでおじいさんね。」
「あははは!ちょっと嗜好の年齢が高めなだけだって!
けど、おでんのスジとか美味しいけどね~。」
「・・・スジって何?」
「マジか!?・・・さすがはお嬢様・・・庶民の食べ物をしらないかぁ~。」
クスクスと笑いながらいう柊に、私はムッとしたのは言うまでもない。
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




