矢田さん ~9~
そんな中で、ある事件が私の身に発生するのであった・・・
故意かどうかは・・・分からないけど・・・
・・・今後も続くことであって、故意だということに気づいたこと・・・
バレー部で遅くなった私は、同級生達と別れの挨拶をして
自分の自転車が止められている駐輪場へと向かう。
もう夜も遅いためほとんどの自転車はそこにはなく、
残っているのは数台しかなかった。
歩いている途中に柊の自転車を見つけて、
「やっぱり陸上部は遅いんだね~。」
と独り言を言いながら、柊のチャリの横を私通過していった。
そして自分の自転車の所に行って、荷物をカゴに入れて、
自転車を駐輪場から出そうとした時であった。
・・・何か変な手ごたえがあるんだけど・・・
ハンドルを曲げた時に一方向に引っ張られる感覚があった・・・
更には引っ張り出すのにも抵抗がある・・・
・・・なんだろうか?
ジッと自転車を観るのだが、特に何があるわけでもない。
だけど自転車を押すと、重い抵抗がある。
ギアの確認をしてもいつも通りのギアであった・・・
・・・何で?
不思議に思って、ジッと自転車を観ていて、やっと気づいた!!
パンクしてる!?
完全に後ろのタイヤがパンクしていたのであった・・・
どうしようか・・・
さすがにこんな遅い時間なので、
どこかの自転車屋さんが開いてる何てことはないから、
どこかに持って行くことも出来ないし・・・
どうしようかと途方に暮れていると、
「どうしたのそんなところで自転車を睨んで?」
・・・こいつは狙ったようにやってくるな~・・・
そんな思いもあるけど、
こんなに頼もしいタイミングで現れると
思わずグッとくるのは・・・仕方がないことだよね・・・
「柊、自転車のタイヤがパンクしちゃって・・・。」
「まじで!?」
柊と共に陸上部の子も一緒にいて、私の自転車を観てくれるのだが、
「完全にパンクだな~。」
柊の意見も私と一緒である。
「自転車を置いて帰らないといけないね。」
「そうだな・・・。明日で良かったら、パンク修理の道具一式を家から持って来ようか?」
「・・・え?」
「いや、うち、新聞配達店だから、バイクや自転車のパンク修理の道具は
一通りそろってるから、明日の昼休みにでも直しちゃうよ。」
「本当に!?」
「まあ、今日は無理だけどね。」
「そうだよね~。・・・今からだとバスも無くなってきてるし、
うう・・・本当に帰るのがおそくなっちゃうなぁ~・・・。」
私は思わずため息をついてしまう。
ここから家まで帰るのに、2時間近く、この時間帯だとありえるからだ・・・。
「なんだそんなこと・・・
じゃあ、後ろに乗りなよ。バスが多い所か、家まで送るわ。」
「・・・え!?」
「はいはい、カバンを俺の自転車に入れて。」
そういって、私の自転車に載せていたカバンを受け取って、
カバンを入れてくれて、2人の利用の足場を自分の自転車に付けだす柊。
付け終わるとすぐにこっちをむいて、
「よし!じゃあ、帰ろう。」
「・・・本当にいいの?」
「別にいいよ。20分くらいの我慢だと、あのバスの多い通りまで行けるし、
30分我慢できるなら家までだよ。どっちにする?」
「・・・家まで。」
「・・・遠慮がないね。」
苦笑しながら、了解と言ってくれて柊の肩に手を当てて、
2人乗りで家へと帰るのであった。
いつもに比べればゆっくりであったが、
歩道も通学・通勤している人もいなくって、安全に帰れるのであった。
「そう言えば、大賀さんってどんな人?」
「ああ、うちのマネージャー?
・・・何とも言えないな・・・。」
苦笑して私の質問に答える柊。
どうやら、柊も彼女の本性に気づいているようで、
何と言っていいのか困っているようだ。
「何かあった?」
「ううん、同じクラスで、いつも笑顔だからねぇ~。
男子に人気があるんだよ。
だから、陸上部のマネージャーの彼女を見て、
柊が鼻を伸ばしてるんじゃないかな?って思ってね。」
「そうなの?・・・まあ、そんなもんなのかね。
全然興味がないから、鼻は伸ばしてませーん!」
その言い方で確信に変わるのであった。
お互いの最近のことを話しながら自転車に乗っていると
あっというまに家の近所にまで到着する。
「あとちょっとだから、もうちょいの我慢だよ。」
「うん・・。」
そう言われるが、私の中では全然我慢ではないし、
むしろもっと長い時間、ここに乗っていたいとさえ思っていたのだが・・・
そこで私はあることを思い出した!
この時間でもやっている回転焼きの店を!
「柊、あそこの回転焼き屋さんに寄ってくれる?」
「いいよ?・・・おごり?」
「まあ、ここまで送ってもらったからね。」
「じゃあ、行こうか。」
そう言って、帰り道から一本だけ離れた道に入って、
目当ての回転焼き屋さんに行くのであった。
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




