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柊君へ ~Another Story~  作者: Taさん
第二章
124/201

矢田さん ~7~

中学卒業式では、私と柊が同じクラスということもあって、

うちの両親と柊の両親が並んで座っていた。


娘の卒業式といことで、参加してくれるのはありがたいのだけど・・・


うちの母は号泣している!



「うぅぅうう・・・・。」


そんなうめき声を式の途中ずっと上げていて、

私はずっと恥ずかしくて恥ずかしくて仕方がない!


当然、それは誰もが知っているし、

元々こっちの小学校出身なんだから

私の両親であることをみんなしっていた!


だから、卒業式が終わって、一旦みんなが元の教室に戻った時も



「矢田さんのお母さん凄かったね~。」


とか、



「すっごく嬉しかったんだね!」


・・・そんな言葉をみんなからかけられたのであった・・・


全然・・・


嬉しくないんだけど!!


うう・・・


むしろみんなに知られたことが恥ずかしくて顔から湯気が出そうだよ!!


極めつけは・・・


担任が入ってきた時に・・・



「親御さんの中には感極まった方もいて・・・。」


先生からの最後の挨拶を送ってくれている途中で、

そんな言葉を聞いて、みんなが私の方を見てくるのには、

本当に恥ずかしかった・・・


先生からの言葉とみんなでの集合写真を撮り終えると

ここからはみんなが思い思いの行動をとる。


当然、男子から告白するのもあるが女子からも思いを伝えるために

それぞれの好きな男子に声をかけたり、

時には男子のいるクラスまで・・・まあ、うちのクラスまで来て、

呼び出すのであった。


まあ、私は誰からか呼び出されるようなことはなかったのだが、

男子も女子も呼び出されると、

教室に残っている面々から冷やかしの声がかけられるのであった!


そして、それは・・・



「あ、あの柊先輩をお願いします・・・。」


「うぉお!!!」


柊も呼び出されていたのであった。


みんなの冷やかしの声がかけられる中、

澄ました顔で廊下へと向かい、渡り廊下まで移動して、

どうやらその後輩からの告白を受けるのであった。


それをみんなが嬉しそうに見ているのである!


・・・私も観ていたけど・・・完全に野次馬根性である!


見ていると、告白されたっぽい感じになり、その後はボタンを上げて

立ち去る後輩、それを見送る柊。


そして、柊が戻ろうとするのだが・・・


また別の女子達が来るのであった!?



「おいおい、どんだけもてんだよ!!」


「ホントよね~!」


「・・・柊のボタン全部なくなるんじゃない?」


そんな声がみんなから漏れながら、

それでもなお、私達は見るのを止めることはなかったのであった。


その後も続く柊への告白タイムを見ている私達なのだが・・・


中にはハラハラした感じで見ている女子もいた。


ああ・・・そっか・・・


この子は柊のことが好きって言っていたな・・・


不安そうに結末を見ているその子を見ていると

なら告白したら?と思ってしまうのだが、

そうはいかないんだよね・・・


私だって同じ立場だったら、きっと告白なんてできなかったから!


みんなの前で告白なんてもってのほかだし、

自分の思いを伝えるなんて絶対に出来ない!!


だから、私は・・・


ただただ、柊が告白をされているのを見ているだけだった・・・



告白タイムを終えた柊が疲れた感じで戻って来るのだが、

先ほどのまでの告白タイムだけですべてが終わるわけではない!


教室内でも告白・・・


は、しないまでも一緒に写真を撮ったり、ボタンを貰ったりしていたのである。


・・・


というか・・・


柊、ボタンを何個用意しているだろうか?


すでに何人からも告白されているのに

今だに前を止めている5つのボタンはすべてつきっぱなしであった。


というか、無くなったら、補充しているのである!?


まあ、そのおかげで私もボタンも写真もゲットしたのだけど・・・



「何か・・・思いが薄そうな・・・。」


「間違いないね!」


柊とそんなことを言い合って、笑って卒業を迎えるのであった。


ただ、私はこのあとの高校も同じところに進むため

これからもよろしく!といった気持ちであった。


ちなみに、卒業式で教室での挨拶が終わってしばらくすると

私達は正門の方へとみんなが集まって、最後のお別れの挨拶をしていた。


そこでも写真を撮ったりしていたのだが、

そこにはうちの両親が残っており、



「・・・お母さん・・・化粧が・・・。」


泣きに泣いていたため化粧が本当にぼろぼになっているお母さん。

直した端からまた泣いてしまって、全然直らないのである。


そんなお母さんと一緒に記念写真を撮ったのだが、

あとから見直す時にいつもお母さんから、



「もう!この写真は捨ててよね!」


そんな写真のできだったのであった・・・


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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