矢田さん ~6~
修学旅行当日にその事件は起こった!
それは私達のクラスではないのだが、
他のクラスで飲酒をしている学生が見つかったのである!
そんな事件が起きているとは露知らず、
私達は柊達がいる男子の部屋に行っていたのであった。
「明日はどういう道順なの?」
竹中さんに私は柊が出しているしおりと行動予定表、修学旅行先の地図を出して
どのルートで行くかの再確認をしている。
他の女子達は男子と嬉しそうに話したり、トランプやウノをして
楽しんでいた時のことである!
隣の部屋から怒声が聞こえてきたのであった!
私達は一同顔をあげて、隣の部屋を注視する。
聞き耳を立てているとどうやら先生達が入ってきたようだ!
「え!?」
「どうしよう!?」
その声を聞いて私達は完全に動揺してしまうのだが、
「今から外にでても間に合わない?」
「無理だろう。」
「部屋の中は?」
「検査っぽいぞ。向こうの部屋は、だったら無理だよ。」
「そうよね・・・。」
竹中さんと柊が冷静にお互いの意見を出し合っていたのであった。
私達は正直、自分達ではいい案も出ないため
この光景をただただ見守るだけだった。
「ふりは?」
そんな中、竹中さんが柊に提案する。
「ふり?」
「そう、聞きにきたふり。」
「・・・怒られるけど、最小限の怒られ方で済むな・・・。」
「もう時間もないしね。怒られるのは仕方がないってことで・・。」
「よし!やろう!」
柊と竹中さんの意見がまとまると2人からの指示が私たちンい飛んでくる。
「男子は、明日からの行動表と地図をもって、入り口付近に集まれ!」
「女子は入り口付近まで来て、スリッパをはいて!
狭いけど、我慢してね!静かに!迅速に動いて!」
その声を聞いて、私達は慌てて動き出す。
私は竹中さんと共に入り口に行って、スリッパをはいて、
わざとらしく、そのままその場にしゃがんで柊君が入り口の登り口に座って、
そこに地図と行動表を並べる。
それを見習うようにみんなも同じように構えるのであった。
狭い入り口であるため来ていた女子でギュウギュウになってしまっていた。
すると今度はいきなり私達がいる部屋の扉が開けられたのである!!
「な、なんだ!?」
入ってきた先生達が驚く。
そこに・・・
「あれ?先生どうしたんですか?」
竹中さんが先生に尋ねるのであった。
「お前たち!男女のお互いの部屋に行くのは禁止してるはずだぞ!!」
「明日からの行動の確認を今しているところなんです!」
「そんなのここじゃなくてもできるだろうに!!」
「廊下も最初はしてたんですけど、
廊下だとこの人数で、通る人の邪魔になってたんで、
玄関先で、部屋には入らないようにしてここで話してたんですよ。」
「だからと言ってだな!!」
竹中さんと先生の言い合いが始まり、
それを私達は静かに見守るのであった・・・
その後、少しすると・・・
「・・・はぁ~・・・分かった。じゃあ、せめて食堂でも・・・。」
「もう食堂は掃除してるんですよ?
そこに入って掃除の邪魔は出来ません。」
「・・・。」
ついに先生達が根負けしたのであった・・・
更には、先生達も修学旅行に必要な準備の一環だということを認めてか、
「あそこの先生達が待機しているスペースを開放するから
そこで話し合いなさい。」
「分かりました!じゃあ、みんな行こうか!」
そう言ったところで、先生が、
「ちょっと男子は待て!持ち物検査をするからな!」
「え?」
「ほかの馬鹿なクラスの男子が飲酒をしやがったからな。
全員の持ち物を検査をしてやる!
とういか、女子達も一旦部屋にもどりなさい!
そこで一時持ち物検査をするからな!」
「ええ!?」
「うるさい!いいから戻れ!!」
その声に従って私達は自分の部屋へと戻るのだが、
その途中で、一部の男子や女子が廊下で
正座をさせられている光景を目にするのであった・・・
「危なかったね~、私達もああなってかもしれないね。」
「・・・うん・・・。」
竹中さんと柊の機転で何とか正座をすることを免れた
私達はすぐに自分の部屋へと戻って、
部屋に来た先生達に持ち物検査をされるのであった。
しかも結構念入りにされて、押し入れに入っていた布団も出されて
念入りなチェックをされたのであった・・・
よかった・・・
男子の部屋の押し入れに隠れたりするようなことを選択しなくて・・・
みんなも同じようでどこかでほっとしたような表情をして
安堵のため息をついていたのであった・・・・
先生達のチェックが終わり、次の部屋へと先生達が移っていく。
「よかった~。」
「ホント一時はどうなるかと思ったよぉ~。」
「はぁ~緊張した~。」
そういって、へたり込んでしまう面々に対して、
「じゃあ、男子の部屋・・・には、いけないけど、
あそこのスペースに行って、男子達と話に行こうか。」
そんなことを竹中さんがいいだすのであった!
「え!?ちょ、ちょっと今から!?」
「そうよ。だって、先生達にも行ったし、
何よりせっかくの修学旅行にきてるんだから、
男子と話したいと思わない?」
「・・・いや、思うけど・・・。」
「まあ、ムリにとは言わないけど、私はじゃあいくね。」
竹中さんが嬉しそうに行くのだが、
私達はそれを黙って見守ることしかできなかったのであった・・・
あのバイタリティーがあるから竹中さんはすごいんだな~と
改めて痛感するのであった・・・
ちなみに私達も少し後から覗きに行ったら、
竹中さんと柊君が笑いながら話をしているのを見て・・・
この2人の図々しさにちょっと呆れたのは言うまでもない・・・
他のみんなは正座している中で、
一部のスペースで談笑している男女・・・
私がその談笑している中に入ることは一生無理!
そんな中にいたらいたたまれないもん!!
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




