矢田さん ~5~
中学3年生でも柊と同じクラスになったのだが、
ここでも女子の中では一悶着があった・・・
まあ、当然・・・柊のことでなんだけど・・・
3年生の最大のイベントと言えば!!
修学旅行!!
その時の班分けにでものすごい紛糾するのであった。
私もそうだけど、このイベントを通じて、
自分の好きな人と仲良くなりたいと思うのは当然である!
男子も女子も色めき立っているのは言うまでもない!
それでどの人と一緒の班になるのかが話合われるのだが・・・
何とここで、先生がとんでもないことを言ってくれる・・・
いや!生徒側から言えばいい意見かもしれないけど、
その後の紛糾が容易に想像できる発言だ・・・
「せっかくの修学旅行だから・・・
好きな人と行きたいよね!!
だったら、自分達で好きな人と班を組みましょう!!」
そんなことを言いだすのであった!
一瞬、みんなが固まってしまうのだが、すぐに現状を理解する!
そして、みんなが色々と牽制をしていくのであった。
まずは反応人数は男女6人の班が6つ!
内訳は男子3人、女子3人!!
まずは友達同士で3人組を組むことから
それぞれの牽制が始まる。
3人組の仲良しであればいいけど、
2人組や4、5人のグループもいる・・・
そこでどんな風に別れていくのか・・・
そして、そこを越えても一番の山場は別にある!
当然、好きな人がいるグループに入りたいと、
男子も女子も思っているし、その状況をみんながうかがっていた!
ただ・・・それを声に出して、みんなが表立って言うことはない・・・
ただただ牽制しているのである!
視線で!
発言で!
だけど、まあ・・・一部の女子は自分の意思をしっかりと言えるのだが・・・
「柊、一緒に行こう。」
ハッキリと竹中さんが柊を誘っていた。
ここで、空気がものすごくざわつきだす。
それもそうだろう・・・
班の人数は6人で、男子3人、女子3人である!!
幸いなことと言えば、竹中さんが1人で柊を誘ったことだろう。
だから、2人分の枠がまだあるのだ!
ただ、このことが柊が好きな女子達がざわつきだす。
それもそうだろう・・・
3人でグループを作っている子がすでに居て、
竹中さんが入ったことで、
3人だと柊君と同じ班になるわけにはいかないのであった。
ざわつき始めたクラスにおいて、
ここで竹中さんが衝撃の一言を発するのであった!!
「矢田さん!おいでよ。」
「え・あ、うん・・・。」
本当に平坦に何事もないように誘ってきた竹中さんに対して、
私は拍子抜けのように返事をしてしまったのであった!!
するとみんなからの視線が一気に私へと突き刺さるのであった・・・
し・・・
しまった!!!
この地雷は踏むつもりが全くなかったのに!!
無意識に地雷を踏んじゃったよー!!!
「お、矢田かぁ~・・・まあ、いいんじゃない。」
柊のその言葉で、私が同じ班に入ることが決定したのであった・・・
こうするといよいよ、柊と同じ班になるのは、
女子の枠が1人となったのである・・・
もう私は決まっているのでいいんだけど・・・
ただ・・・竹中さんと柊には・・・
この息苦しいまでの空気もどうにかして欲しいと思っていると・・・
「あと一人だし、どこかのグループからも抜け出しやすいんじゃない?」
そんなみんなに聞こえるようなわざとらしい独り言を竹中さんがつぶやくと
みんなの中の空気が変わったようで、いきなり・・・
「私、ここに入っていいかな?」
3人ほどがそんなことを言ってきたのであった。
結局はくじ引きになって、私とも幼馴染の浜田さんが私達のグループに入って
万事解決になった!・・・はずなのだが、
「ねぇねぇ、矢田さん!矢田さんの班ってどこに行くか決まったの?」
・・・クラスの他班の女子から何度も聞かれていたのであった・・・
く、苦痛で仕方ないんですけど!!!
っていうか、なんで私にだけ聞くのかな?
竹中さんもいるし!!
・・・まあ、彼女に聞ける強者はいないか・・・
浜田さんもいるし!!
・・・あの子がいるグループは・・・ちょっと無理か・・・
そうだね・・・
私が一番聞きやすいね・・・
思わずため息を漏らすのであった。
当然、班分けでもそんな状態なのだから、
修学旅行中にも色々と私は頼まれごとをされてしまうのである。
やれ、どこを私達が行くから、そこに合わせてもらえないか・・・
やれ、柊君達の昼食をとる場所と一緒にしたい・・・
やれ、告白したいから柊君だけを連れてきてほしい・・・
どれもこれも無茶なお願いであったが、
それを私が柊に伝える前に、竹中さんという、強力な壁に阻まれるのであった。
・・・私的にはおかげでものすごく助かったのだが・・・
「・・・矢田さんも大変ね。」
「・・・そうなんだよね・・・。」
竹中さんに同情されてしまうのであった。
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




