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柊君へ ~Another Story~  作者: Taさん
第二章
119/201

矢田さん ~2~

それ以降は楽しいクラスであったが、

5、6年生になるとバラバラになってしまう。


せっかくこのクラスで過ごすのも楽しかったのに・・・


そんなことを思っているある日、私が学校から帰ったら、

神妙な面持ちで私を待っていた両親。



「ど、どうしたの?」


私がその空気を察して怯えていると、

困ったような顔を浮かべてお父さんから、



「父さんな・・・


転勤になったんだ・・・。」


「・・・へ?」


「だから・・・


家族で転勤することになったんだ。」


お父さんの言葉を私はただただ呆然と聞くのであった。


・・・みんなと離れ離れになるの?


せっかくあんなに仲が良くなったのに?


そのことを思うだけで私は涙をながすのであった。

とめどなく泣いている私に、お父さんから、



「2年だ!2年後には戻ってこれるんだ!!」


何とか私を慰めようとする両親なのだが、

それでも私は一向に泣き止むことなかったのである。


その日の晩ご飯は食べる気力もなく、私は部屋に籠ってずっと泣いていたのである。


次の日もボロボロになりながらも、みんなと入れる貴重な時間であるため

絶対に行く!と言い張って、学校へと行くのであった。


クラスに着くと、すぐに私を心配してくれた友達が駆け寄ってきてくれて、



「大丈夫?」


心配そうに私に尋ねてくるのであった。



「実は・・・4月から転校になったんだ・・・。」


「「「「「ええぇ!?」」」」」


クラス中のみんなが驚きの声をあげる。

中には泣き出す友達までいたのである!!


私・・・愛されてるんだな・・・


そんな実感をしてしまうのであった。

みんなには2年後にはこっちに戻って来ることを伝えると、



「絶対に待ってるよ!」


「手紙も書くからね!!」


みんながそんな風に言ってくれるのであった。



「私も絶対に書くから!!」


そうみんなと誓うのであった。


残り1カ月を切っていたが、みんなと一緒入れる時間は

ずっとみんなと一緒に居た!

レジャーランドに行ったり、近くの観光スポットに行ったりもした!

短い時間の間で出来るだけの思い出を作ったのである!!


充実した日々を送ったためか、あっという間に引っ越しの日になったのであった。

クラスメイト達がわざわざ見送りに来てくれて、寄せ書きを渡してくれた!



「じゃあ、またね!!」


「うん!」


「またね!!」


「絶対に戻って来いよー!!」


そんな声をかけられる中で、私は手を振りながらいつまでもみんなを観るのであった。


転校して、何とか新しい学校に慣れてきた頃に、みんなからの手紙が届いた。

私は書いてくれた友達みんなに返事をすぐに書いたのである。


ただ、それも一度だけの人もいれば、

数回続く人もいただ・・・


ただ・・・


それも3カ月ほどで、最後にはたった一人だけが

私との手紙をやり取りするだけにまでなったのである・・・


その相手は柊であった。

ただ、柊の場合には柊のお母さんとうちのお母さんが同級生ということもある。


母に送られてくる手紙とか荷物に合わせて

柊から私宛への手紙が届いていた。


ただ・・・


柊の手紙にはいつも心を癒されていたのである・・・


正直言えば、転校先の学校にはなじめないでいたのである。

2週間に一回届く、柊からの手紙。

時には写真もあり、みんなに何があったのかが書かれていた。

それを見て、私はあと何日であそこに帰れると考えるようになっていたのである。


届くのは手紙や写真だけではなくて、

地元ならでは食料品も届いたりしていた。

母が柊のお母さんに頼んでいるものなのだろうか?


それとは別に駄菓子も入っていたりして、

どこそこの駄菓子屋で買いましたと書かれているのを見るたびに

私は向こうのことを思い出していたのであった。


一方的に貰ってばっかりではなくて、

こちらの地元のモノも送るようになっていた。


変わったドーナツのようなモノも送ったし、

豚の角煮の真空パックの品も送った。


柊からの感想は、


“めちゃめちゃうまいねぇ~!うらやましい!あとちょっとだし、堪能しないと!”


いつも手紙に書かれている“あとちょっと”という言葉を私は

すごく気に入っていた。


1年以上あるにも関わらず、“あとちょっと”という柊の言葉に

本当にあとちょっとで帰れるような気がするからだ。


それに柊の言う通り、あとちょっとで地元に帰れるんだから、

こっちでしかできないことを体験してみよう!!


そう思えるようになってからは、

こちらでの時間は一気に早くなったように思えるのであった!


馴染めきれずにいたのも嘘のようにみんなと遊べるようになっていた。


だって、あと少しで私は地元に帰るんだからと思うと

何だか話してないのは、また遊んでないのはもったいないと感じるようになっていたのだ。


結局、2年が経つ頃には、別れの時にみんなが号泣するくらいに仲良くなっていたのである。

私はこっちに来て、たくさんのことが経験出来て本当に良かったと思ていた。


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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